GMOリサーチ＆AIがESCPビジネススクールの「ニューロインクルーシブ・リクルーティング」研究に協力

2024.10.21

GMOリサーチ＆AIは、フランスにある世界一古いビジネススクール・ESCP Business School （以下、ESCPビジネススクール）に在籍するESCPエグゼクティブMBAの学生が取り組む、神経多様性を尊重する新しい採用プロセスの開発に協力しました。

この新しい採用プロセスは「ニューロインクルーシブ・リクルーティング」と呼ばれるもので、神経学的マイノリティ（発達障害）の雇用難を解決するために、AI技術を活用して神経学的マイノリティのスキルを正確に評価することを目的としています。

神経多様性に焦点を当てた採用プロセス

ニューロインクルーシブ・リクルーティングは、ADHDやディスレクシアなど神経多様性を持つ個人のスキルを正確に評価し、公平に選考する採用手法。多くの企業では、神経多様性を持つ人びとが、その特性ゆえに適切な評価を受けられず、採用で不利な立場に置かれることがあります。ニューロインクルーシブ・リクルーティングを用いることにより、企業のダイバーシティ（多様性）とインクルージョン（包摂）が推進され、多様な人材が活躍できる環境が整います。

GMOリサーチ&AIとESCPビジネススクールは、神経多様性を持つ採用候補者のスキルを、雇用側が正確に評価できる新しいリクルーティングツールの実用化に向け、開発の検証を行いました。

このプロジェクトでESCPビジネススクールは、GMOリサーチ&AIのアジア最大級のパネルを活用した日本での調査データをもとに、デジタルツイン生成技術を保有するシンガポールのETE HOLDINGS（以下、ETE）の先進的なAI技術とデータソースを活用。ADHDやディスレクシアなどの神経多様性を持つ採用候補者を公平に評価し、雇用主が適切な人材を採用できるよう支援するソリューションを提供することを目的としてプロジェクトを進めました。研究によって、より包括的な採用プロセスの実現や、多様な人材の採用が促進されることが期待されています。

ニューロダイバージョンに基づいた調査とAI技術で採用ツールを開発

GMOリサーチ＆AIは、ダイバーシティ＆インクルージョンの社会的潮流を受け、ニューロダイバージョン（神経の発達や機能の多様性を尊重し、自然な差異として捉える概念）にフォーカスを当てた調査を、同社が有するアジア最大級のパネルを活用して日本で2024年5月に実施。調査対象者は2万人にのぼり、性格診断の手法の1つであるMBTIベースの30問に回答しました。

この調査の目的は、ADHDやディスレクシアを持つ人びとの就職に対する偏見や差別をなくし、それぞれの特徴や性格を把握しやすい環境を企業に提供することです。ニューロダイバージョンにのっとった就職活動において採用候補者が正当な評価を受ける機会を得るための貴重な調査データといえます。そして企業側が採用候補者の特徴をより深く理解するための分析結果としても活用されています。

GMOリサーチ＆AIは、この調査データと追加の研究リソースを、ESCPビジネススクールに無償提供することで、AIモデルの精度向上に寄与し、プロジェクト加速に貢献しました。

ESCPビジネススクールがGMOリサーチ＆AIによる調査データとETE社の先進的なAI技術を活用して開発したツールは、採用候補者の長所と課題を評価し、企業の採用プロセスの効率向上とコスト削減が期待されます。

職場の理解促進や、AIによる職務マッチングツールの開発実証などの成果を発表