スマートディスプレイといわれるディスプレイ付きのAI端末も便利ですよね。うちはAmazonのEcho Showをリビングに置いています。ほかのEchoから話しかけるだけで、相手が操作しなくても通話オンになるので、娘が家にいるときに、出先の妻がスマートフォンから連絡したりしています。

今後は、自宅のGoogle TVで同じようなことができないか、考えています。というのも今、僕の仕事部屋を娘に明け渡し、家の外に仕事部屋を借りる計画を進めているのです。そうすると家族で生活空間が分かれてしまうので、どうつながるかが課題になります。

そこで、Google TVのリモート会議機能を使えば、自宅と仕事場を大画面でつないで家族で会話でき、離れていても近くに感じる“テレイグジスタンス”的な使い方ができるかも、と思っています。そんな未来的なことが、数万円の民生品でできる時代になってきたんですよね。ソニーのテレビ（BRAVIA）はそういう使い方を想定していて、一部機種にはカメラが付属しているものもあります。

ガジェットといえば、子どもの近視対策グッズとして、顔がスマートフォンの画面に近づくとブザーと光で教える「めまもりん」をキングジムが発表しました。うちの子もスマホやタブレットを見る時に近づいて見ちゃうので、「離れて見ろ」と言うんだけど、なかなか難しいですよね。

子どもにスマホをやめさせるのも本当に大変。食事の時もYouTubeを見るのをやめないから、親がスマホを切るんですが、そうすると子どもが激怒しちゃって食卓が殺伐として……。親と子の軋轢（あつれき）が増えるんですよね。Android端末ならスクリーンタイム機能で時間制限できますが、子どもたちのGoogleアカウントを作って時間を設定して、それを親のアカウントとひも付けて……となかなか面倒で。

そこまで設定しても結局、子どもたちもCMが入らない親のYouTube Premiumのアカウントで見たがりますし。YouTube Kids（時間制限機能の付いた子ども向けアプリ）がもうちょっと質が高ければいいんですが、コンテンツもよくないし、アプリの安定感も低いしで、子どもは親のYouTubeを見ちゃう。最終的にはAlexaでタイマーをかけて、「鳴ったらおしまい！」と約束するのが一番効果がありました。

94歳の父が最近、養護施設に入ったんですが、連絡手段に困っていて。2つ折りのガラケー型スマートフォンを渡しているんですが、父は操作が苦手で、電話をかけられず、メールなどを見ることもできない。Echo端末を設置してAlexaで話せないか……とも考えたんですが、父はAlexaとウェイクワードをはじめとする会話のペースやタイミングが合わなくて使えない。固定電話なら慣れているんですが、部屋に固定電話はありません。昔あったウィルコムの「イエデンワ」みたいな、固定電話型の携帯電話端末とか、あればいいのかなあ。

ちなみに誰もいなくなった実家には固定電話を引いたままです。親戚筋は高齢者が多くて、固定電話の使用率が高いから、本当はこの番号をナンバーポータビリティして、施設の電話につけてあげたいんです。でも、できない（通信事業者間のナンバーポータビリティはできても、市外局番が変わる地域へのナンバーポータビリティができない）。NTTは固定電話でこそナンバーポータビリティをやってほしい。1つの番号を、一族が滅亡するまで使えるようにしてほしい。固定電話もバックボーンはIPだから、技術的には可能なように思うんですが。銀行の支店番号と同じで、現代の技術的には意味がなくなっているけれど、過去の遺産がいろいろあって変えられないものの1つなんでしょうね。

電話の契約はソフトバンク光なんですけど、誰もいない実家ではFTTHも使わないし、回線ごと解約したくて、ちょうど先月、解約金がいらない期間にやめようと思ったら、「今やめると電話番号が消滅する」とソフトバンクに言われました。電話番号を維持するには、ソフトバンクからNTTに働きかけてもらい、結果をソフトバンクに戻してもらって……と2週間ぐらいかかるらしく、無料期間には間に合わない。結局、解約するのは断念しました。なんだか釈然としません。

テクノロジーがどんどん進んでいる一方で、いろんな人が置いてかれてしまっているな、とも感じたりします。