思った以上に上品！　8000食試食のプロが選んだ　業務用冷凍和菓子5選

2023.5.17

家計にも優しい業務用食品

相次ぐ食料品の値上げがボディブローのように家計にダメージを与える昨今。物価上昇に伴ってお給料が上がってひと息ついた方も多いかもしれませんが、上がってしまったエンゲル係数はやはり気になるところ。このタイミングで出費のベースのひとつである食費を見直したという方も多いのではないでしょうか。

そんななかで筆者が注目しているのが、「業務用冷凍食品」です。給食や外食産業などで使われるプロ向けのため、家庭用冷凍食品に比べて流通単位当たりの量が多く、パッケージや包装は簡素。比較的単価もお得です。

例えばチャーハンなどのご飯物では、1パックがキロ単位で、一般家庭で使うには少し量を多く感じます。しかし、家庭用冷凍食品に比べ、パッケージなどが簡素なためか単価は安く、エンゲル係数を抑えるのは非常に魅力的な製品なのです。

ただし、業務用冷凍食品はワンパッケージ（流通・販売単位）の量が多いため、購入は慎重にならざるを得ません。そこでこれまでi4Uでは、施設給食が中心の食品卸問屋に13年勤務し、約8000種類以上の業務用食品を試食してきたしきさんと一緒に「8000種類以上の業務用食品を試食してきたプロがおすすめ！業務用冷凍おかず5選」や「冷食のプロ厳選5品！業務用冷凍デザート。コンビニスイーツよりもおいしい？」などの記事を制作してきました。

今回はそんな「業務用冷凍食品シリーズ」の第3弾として、「業務用冷凍和菓子5選」を紹介します。もともとプロ向けの業務用冷凍食品は「導入前の試食・試飲が常識」。そのため「安くておいしいのは当たり前」だといいます。そんな業務用冷凍和菓子の中から、8000種類以上の業務用食品を試食してきた「しきさんがおすすめするベスト5」を教えてもらいました。

■しき
施設給食の食品卸問屋に13年勤務。最低週1回2社の試食会に参加し続け、これまでに食べた業務用食品は、約8000種類以上。ちなみに増えた体重は20kg以上。それでもキロ単位でものを食べる同僚たちよりは小食だと思っていました。最近では、身体を犠牲にし、ほぼ命がけで試食してきた業務用冷食の情報などをブログなどで発信。日本栄養食品楽天市場店で業務用冷凍食品のネット販売にも携わる。

5位：テーブルマーク「ミニたいやき」は、しっぽまであんこがぎっしり

テーブルマークの「ジャンボパックミニたいやき 800g（20個入り）」は、実勢価格1000円前後。袋に入っている様子もかわいい

まず、第5位はテーブルマークの「ミニたいやき」。施設給食などでは、5月はこいのぼりに見立てて使用されることもあるといいます。

「ジャンボパックミニたいやき 800g（20個入り）」は、実勢価格1000円前後で、個別包装になった「ミニたいやき（個包装）40g×20個入り」は実勢価格が2000円前後です。

1つ40gのひと口サイズで、ちょっと小腹が減ったときにも非常に便利。電子レンジで温めれば、熱々が楽しめますし、加熱調理の必要はないので自然解凍でもおいしくいただけます。

あんこの量をチェックするためにたいやきを開き状態に。ひと口サイズですが、しっぽまでしっかりとあんこが詰まっています

こんなに小さいとあんこがしっかりと入っていないのでは？と思い、たいやきを開きにしてチェックしましたが、写真のとおり、しっぽまでしっかりとあんこが入っています。ほぼ、ひと口か、ふた口で食べてしまうので、しっぽまで入っていなくても大丈夫な気もしますが、やはりたいやきはしっぽまでしっかりあんこがはいっていてほしいものです。

実際に食べてみると、生地は予想以上にしっかりもちもち、あんこは子ども向けの甘み強めかと思いましたが、意外に甘さ控えめで大人でも十分に楽しめます。

ちなみにカロリーは100g当たり203kcal。40gのミニたいやき1つで約80kcalです。カロリー量がはっきりしているので、ダイエット時のごほうびデザートにも良さそうですが、筆者は試食時に1つのつもりが2つ、3つと口の中に放り込んでしまったので、この点には注意が必要でしょう。

「ジャンボパックミニたいやき 800g（20個入り）」は結構な迫力。ただし袋には保存用チャックもついていますので少しずつでも使いやすくなっています

4位：しっとりふんわり生地がおいしいニチレイの「和のパンケーキ」は万人におすすめ

ニチレイの「和のパンケーキ」。茶色のほうが「和のパンケーキ（きなこ＆黒糖蜜）8個入」、緑のほうが「和のパンケーキ（抹茶クリーム）8個入」です

第4位はニチレイの「和のパンケーキ」。「和のパンケーキ（きなこ＆黒糖蜜）8個入」と「和のパンケーキ（抹茶クリーム）8個入」があり、実勢価格はそれぞれ400円前後。約9×25.5×6cmのパッケージの中には、直径約6cm、厚さ約1.5cmのパンケーキが8枚入っています。1個25gで、カロリーはどちらも60kcal程度です。

パッケージに入った状態の「和のパンケーキ」。自然解凍なら20℃の室温で約1時間。電子レンジならラップなしで2個約30秒で解凍できます

ホットケーキみたいな生地が味のメインになるお菓子が冷凍で大丈夫なの？と筆者は思ったのですが、しきさんが言うには「ニチレイの生地はパサパサしておらず、しっとりでおいしい」とのこと。

実は同じニチレイの「今川焼（あずきあん）10個入」と、どちらをおすすめしようか悩んだそうですが、単価が安くて生地の味をよりダイレクトに味わってもらえる「和のパンケーキ」を選んだそうです。

実際に筆者が食べてみた感想は「冷凍のパンケーキって予想以上にしっとりもちもちなんだな」というもの。冷凍のパンケーキを食べる前から、おいしくないと思い込んでいましたが、実際はかなりいけます。

「和のパンケーキ（きなこ＆黒糖蜜）8個入」と「和のパンケーキ（抹茶クリーム）8個入」のどちらがおいしいかと聞かれると、筆者は抹茶味が好きなので「抹茶クリーム」を選びます。ただ、2歳の息子と食べるなら、カフェインを含まず、優しい甘さの「きなこ＆黒糖蜜」を選ぶでしょう。それぐらいどちらもおいしい一品です。

電子レンジで数十秒解凍するだけなので、おやつだけでなく、忙しい朝にパンケーキが大好きな子どもの朝食としても活躍してくれそうです。

パッケージのまま自然解凍しても約1時間（室温20℃）と、とても簡単。お出掛けの際などは、そのまま持っていくのもアリでしょう

3位：揚げるひと手間で劇的においしい！　ケンコーマヨネーズ「冷凍おからドーナツ」

ケンコーマヨネーズの「冷凍おからドーナツ」。生地にヘルシーなイメージのあるおからを練り込んだつぶあん入りのドーナツです

ケンコーマヨネーズの「冷凍おからドーナツ」が3位にランクイン。「冷凍おからドーナツ」は1個40gが20個入りで、実勢価格は800円前後です。生地にはおからが練り込まれており、中には粒あん入りです。

今回紹介する冷凍和菓子は、基本的に自然解凍かレンチンでOKなものがほとんどなのですが、唯一この「冷凍おからドーナツ」だけは油で揚げる必要があります。冷凍のまま170〜180℃の油で片面3分〜3分30秒。ひっくり返してさらに3分〜3分30秒揚げて調理します。ひと手間かかりますが、その分、劇的においしい一品です。

冷凍されてカチコチの状態の「冷凍おからドーナツ」。このままの状態で油の中に投入できるので、想像よりは面倒ではありません

「冷凍おからドーナツ」は自然解凍やレンチンだけでOKの冷凍和菓子に比べると確かに手間は掛かるのですが、実際に揚げたてを食べるとおいしさに納得させられます。ちょっと感動しました。

ちょっと硬めのサクサク生地は揚げたては当然おいしいですし、冷めてもサーターアンダーギーに似た食感でかなりいけます。中に入ったつぶあんはぎっしり詰まっている感じではなく、それがかえって「冷凍おからドーナツ」の素朴なおいしさを強調してくれます。

多めに揚げておいて、揚げたてを楽しんだ後、冷めた物も別に楽しみたい素朴なドーナツです。試食用に揚げた物を数個冷蔵庫に保管しておいたのですが、妻が勝手に食べたらしく、気が付いたら半分以下になっていました。ひと手間かける価値のあるドーナツといえるでしょう。