たった2分で「人類みんなクリエイター」、「SUZURI byGMOペパボ」コミッション機能のイイところ

i4U編集部

GMOインターネットグループインタビュークリエイター

「イラストのリクエストを受け付けます」

——SUZURIコミッションとはどういう機能ですか。

片渕:コミッションとは、クリエイターさんが、応募者(ファン)から有償のリクエストを募集できる機能です(編集部注:「コミッション」には「イラストや作品の委託・依頼」といった意味がある)。

現在、SUZURIのコミッションには2種類の始め方があります。

1つ目は、クリエイターさんがあらかじめどんな作品を作るかを決められる「企画をつくる」方法。そしてもう1つは、ジャンルと金額を設定するだけでリクエスト募集をスタートできる「リクエストを募集する」方法です。

イラストを例にして、それぞれをもう少し詳しく説明しますね。

「企画をつくる」場合は、「あなたの猫ちゃんの似顔絵を書きます」「SNSで使えるシンプルなアイコンを描きます」というように、クリエイターさんがやりたいことに対して応募を受け付けられます。金額はもちろん、受け付ける人数やお届け日程の目安などもクリエイターが決められます。

「リクエストを募集する」場合は、ジャンルの中から、例えば「イラスト」を選んで金額を設定するだけで、コミッションを始められます。そこに応募者が「私の愛猫のイラストを描いて!」といったリクエストを送ります。クリエイターさんは、届いたリクエストを引き受けるかどうかを自分で決めることができます。

——リクエスト1件あたりの販売金額は。

片渕:クリエイターさんが1000円〜5万円の間で自由に設定できます。相場はジャンルや制作内容によってさまざまです。

——クリエイターと応募者との間で価格交渉などもないのでしょうか。

片渕:はい、価格交渉はありません。「企画をつくる」場合ですと、クリエイターさんがあらかじめ決めた金額がそのまま適用されます。「リクエストを募集する」場合ですと、クリエイターさんが決めた最低金額にプラスして、そこからさらに応募者が「上乗せ支払い」をすることも可能です。

——クリエイターへの感謝や応援の気持ちを、ファンがお金で直接示せるのですね。

片渕:そういうことです。「この人に頼めるなら、私はもっと報酬を払いたい!」といったファンの気持ちに応える機能です。

——SUZURIコミッションで作られた制作物の著作権は誰が持っていますか。

片渕:制作物の著作権は、基本的にクリエイターさんに帰属します。

作品の利用範囲についても、クリエイターさんの意思が反映されます。例えば「(リクエストに応募した)個人利用の範囲にとどめてほしい」「SNSのアイコンにのみ利用OK」「応募者による個人での利用にとどめるなら、イラストを使ってグッズを作ってもいい」など、クリエイターさんの意思や企画の内容によって決めることが可能です。

「あのクリエイターさんの作風で、私の愛猫のイラストが欲しい」

——SUZURIコミッションではどういったリクエストが多いですか。

片渕:クリエイターさんが企画を作る場合では「ペットの似顔絵」や「SNSのアイコン」が人気です。

牧山:私もSUZURIコミッションで、大好きなクリエイターさんの「Segaール」さんに愛猫のイラストを描いてもらいました。

Segaールさんの人気キャラクター“トラちゃん”と、私の愛猫“フクちゃん”が一緒に並んでいるデザインです。Segaールさんにフクちゃんの写真をお送りして、ソックリに描いてもらいました。

このリクエストでは「個人で利用する場合はグッズ化OK」というルールだったので、描いていただいたイラストでタンブラーを作って、愛用しています。

「SUZURIコミッションの立役者」と呼ばれる牧山氏は、SUZURIコミッションでSegaール氏に描いてもらった愛猫のイラストをタンブラーにして愛用中。愛猫の“フクちゃん”こと福太郎は12歳の長毛ミックス。体がとても大きく、抱っこすると重たいそう
Segaール氏のサイト: https://segasworks.com/
SUZURI: https://suzuri.jp/segasworks

——憧れのクリエイターに、自分のペットのイラストを描いてもらえるのはうれしいですね。人気キャラクターとの“共演”も特別感があります。

片渕:ペットに限らず、オリキャラ(オリジナルキャラクター)の設定を応募者の方が考えて、「私が考えたこの設定で、オリキャラの絵を描いてください!」とリクエストするのも人気です。他にも、VTuberや配信者のキャラクターデザイン、お名前のロゴなどもコミッションで依頼できます。

SUZURIだからできる「手軽」で「温度」感のあるコミッション

——SUZURIコミッションをどうして作ったのですか。

片渕:ファンの方からの依頼をクリエイターさんが直接請け負って、その依頼したファンの方のために有償で作品を作る「コミッション」と呼ばれるビジネススタイルは、世界中で広がっています。これをSUZURIの事業の柱の1つとして育てるべく、スタートしました。

そしてせっかく私たちのプラットフォームでやるのだから、ただのコミッション機能ではなくて、SUZURIらしさも出したいと考えました。

——SUZURIらしさとは、何でしょうか。

片渕:「手軽さ」と「温度」です。作ることのうれしさや、アイテムが手に入る喜びといった温度も一緒にコミッションで届けたいと思いました。

牧山:作りたくなる、リクエストしたくなる、そういう「やってみたい」と思わせる環境もSUZURIの特徴です。

例えば、SUZURIコミッションでは、応募者の方とクリエイターさんとのやりとりが1往復で完結します。価格交渉やリテイクもありません。そうすることで通常の制作依頼よりも心理的ハードルや価格を少し抑えられて、ファンの方は依頼がしやすいです。

そして「リクエストを募集する」方式の場合、そのリクエストを引き受けるかどうかも、リクエストに合わせてどんなものを作るのかも、リクエストを募集したクリエイターさんに委ねられます。

——「出来上がるまで、お楽しみにね!」ということでしょうか。

片渕:そうです。あらゆるハードルを下げられるだけ下げて設計したので、リクエスト募集の方式でクリエイターさんがやることは、どんなタイプのリクエストを受け付けるかを6つのジャンルから選んで、最低価格を決めることだけです。2分くらいでできます。

その上で、クリエイターさんとファンの方が楽しみながらコミュニケーションを交わしてほしいなと考えて運営しています。

牧山:ファンが「あのクリエイターさんが、私のリクエストに応えてくれた!」とうれしくなるようなサービスが、SUZURIコミッションなのだと思います。

SUZURIコミッションが登場した2024年は、ちょうどSUZURIがサービス開始10周年を迎えた年でもありました。すでにクリエイターさんが何十万人と登録しているサービスですから、ただ機能を追加するのではなく、大勢の方のアウトプットの幅をいかに広げて、モチベーションをさらに高めるかを大切にしました。

サービス設計にあたっては、ユーザーインタビューを何度も実施しました。クリエイターの方が、どんな気持ちで機能を使ってくださって、ファンの方が、どんな気持ちで応募してくださるのかをヒアリングして、チーム内で検討を重ねました。

片渕:1枚の画像さえアップロードすれば、誰でもグッズを作って売ることができるのが、SUZURIです。つまり「人類みんなクリエイター」なんです。でも、その「1枚の画像」のアップロードだって、実はハードルです。だからこそ、私たちが下げられるハードルは全て下げて、動線をわかりやすく作って、「みんなが使えるんだよ」っていうメッセージを出し続けています。

牧山:ハードルを下げる意味で言いますと、今はまだiOS限定の機能ですが「デザインエディタ機能」を作りました。スマホで撮影した写真にメッセージを添えたり、座右の銘だけをテキストで入力したりして、簡単にグッズ化できます。

——ますます簡単にデザインが作れるのですね!

作る楽しさと、リクエストをする楽しさについて語る片渕氏と牧山氏。フラット缶ケースは縦方向にカパッと開いてかわいい!

グッズにとどまらない、クリエイターの多様化に寄り添うサービス

——今後、どんなふうにSUZURIとSUZURIコミッションを利用してもらいたいですか。

片渕:これまでのSUZURIのイメージですと、イラストレーター向けのサービスという印象が強いかもしれません。

ですがYouTuberやVTuber、3Dクリエイター、配信者など、新しいジャンルのクリエイターさnにも広く愛されるサービスになっていきたいと考えています。

SUZURIコミッションも、今までSUZURIを使ったことがなかった方や、コミッションの販売スタイルに縁がなかった方にも気軽にチャレンジできる場所として、ご愛用いただきたいです。

普段は企業との仕事を中心にクリエイター活動をしているけれど、ちょっとスケジュールに余裕ができたから、今の間だけSUZURIコミッションで、気軽にリクエストを受け付けて新しい創作活動をしてみようかな、なんて使い方もできます。

——フラッと立ち寄れる感じがしますね。多様性のあるサービスとは、どういうものでしょうか。

片渕:例えば、SUZURIコミッションでは「音声」や「テキスト」のリクエストを受け付けることもできます。ですからVTuberや俳優がファンの名前を呼びかけるような、オリジナルボイスや動画も取り扱うことが可能です。実際に、ボイスメッセージや応援動画などのコミッションを企画するクリエイターさんもいます。

また、イラストレーターが「あなたが描いた絵にアドバイスをします」といったリクエストを募集することもできます。「自分の絵をもっとよくするには、どんな工夫をしたらいい?」なんて相談もできます。

——イラストレーターだけど、イラストを描く以外の活動にもチャレンジできるのですね。

片渕:そうです。クリエイターさんの知識やスキルにちゃんと対価が支払われて、ファンの方とクリエイターさんの双方が納得できる形でコミュニケーションが交わされるといいなと願っています。

牧山:SUZURIはグッズ販売が1番強いサービスではあるのですが、SUZURIでグッズをきっかけに知ったクリエイターさんに、SUZURIコミッションでリクエストをして、そこからクリエイターさんの人柄や作風のファンになって、さらにコミュニケーションが育っていく……そういう環境になるといいなと思います。グッズから始まったけれど、グッズだけにとらわれない、クリエイターさんとファンの方との関係を深めるサービスにしていきたいです。

——クリエイターのことをますます好きになって、ファンとして応援できるのですね。イイ話、ありがとうございました。
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i4U編集部

i4U(アイ・フォー・ユー)は、新しい「情報」と「感動」と「笑顔」をお届けする、GMOインターネットグループのオウンドメディアです。有名メディアでの執筆・編集経験者による記事をお楽しみください。

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