オフィスで働くならコミュニケーション能力は高いほうがいいとされ、活発なコミュニケーションが推奨される傾向があります。しかし、ただ単に話をするだけで必要以上に意思疎通のための時間や労力がかかってしまい、「コミュニケーションコストが高い」とみなされる人がいます。
「コミュニケーションコストが高い人」は、「他の人と同じことをお願いしているのに時間がかかる」「話が通じにくい」といった特徴から、周囲にストレスを与える存在とされてしまいます。組織全体の生産性を下げることから「時間泥棒」なんて呼ばれたり、「どうせ時間がかかるから」と、さまざまな対応を後回しにされることもあるようです。
大人げないことだと思いますか? しかし、SNSのプロフィールを思い浮かべてみてください。アイコンやアカウント名だけでも何を投稿しているかがわかりやすく、どこに何の情報があるかがはっきりしていて、フィードに統一感があるアカウントのほうがフォロワーが多いのはなぜでしょうか。これはコミュニケーションコストが低く、「時間を奪われるストレス」を感じる人がいないため、周囲に人が増える一例なのです。
コミュニケーションコストの削減は仕事がスムーズに回る秘密でもあります。いますぐ、個人の心がけだけでできることをまとめました。
「コミュニケーションコストが高い人」は、「他の人と同じことをお願いしているのに時間がかかる」「話が通じにくい」といった特徴から、周囲にストレスを与える存在とされてしまいます。組織全体の生産性を下げることから「時間泥棒」なんて呼ばれたり、「どうせ時間がかかるから」と、さまざまな対応を後回しにされることもあるようです。
大人げないことだと思いますか? しかし、SNSのプロフィールを思い浮かべてみてください。アイコンやアカウント名だけでも何を投稿しているかがわかりやすく、どこに何の情報があるかがはっきりしていて、フィードに統一感があるアカウントのほうがフォロワーが多いのはなぜでしょうか。これはコミュニケーションコストが低く、「時間を奪われるストレス」を感じる人がいないため、周囲に人が増える一例なのです。
コミュニケーションコストの削減は仕事がスムーズに回る秘密でもあります。いますぐ、個人の心がけだけでできることをまとめました。
会社内での自分のポジションや、その役割を理解する
コミュニケーションコストの高い人は、社内で自分がどのようなポジションにあるのか、またそのポジションには何の役割があるのかを理解していない傾向があります。
自分が最優先にやるべきことが分かっていないため、コミュニケーションの目的や必要な情報、優先順位があいまいです。そのため、関係の薄い事柄も織り交ぜて報告してしまう、あるいは優先的に伝えるべき報告が後手に回ることにより、「何を言っているかわからなかった」「肝心なところがよくわからない」など、コミュニケーションコストが高い相手だと認識されてしまうのです。
自分の役割をしっかり認識するだけでも、相手への伝え方は変わるはずです。「なぜ、これを人に伝えるのか」という目的や、優先的に伝える情報を自分の中で明確にすることが、他人の時間を奪う「時間泥棒」から脱却するための第一歩です。
自分が最優先にやるべきことが分かっていないため、コミュニケーションの目的や必要な情報、優先順位があいまいです。そのため、関係の薄い事柄も織り交ぜて報告してしまう、あるいは優先的に伝えるべき報告が後手に回ることにより、「何を言っているかわからなかった」「肝心なところがよくわからない」など、コミュニケーションコストが高い相手だと認識されてしまうのです。
自分の役割をしっかり認識するだけでも、相手への伝え方は変わるはずです。「なぜ、これを人に伝えるのか」という目的や、優先的に伝える情報を自分の中で明確にすることが、他人の時間を奪う「時間泥棒」から脱却するための第一歩です。
「自分の言いたいこと」を優先しない
コミュニケーションコストが高い人は、「話すべきこと」より「話したいこと」を優先する傾向があります。
その傾向は、必要以上に専門用語を使ったり、数字など具体的な指標を使わずにあいまいな表現をしたり、相手にとって理解しにくい話し方に現れることもあります。これでは相手が話を理解するための時間や労力が格段に増えてしまいます。
さらに相手が何かを説明している際に、自分の考えや意見で話を遮ることもコミュニケーションの負荷を上げます。人の話を途中で遮ると論点がずれてしまうことも多く、必要なことの伝達にも時間がかかります。自分の意見を述べたり質問をしたりするなら、いったん相手の話を一通り聞いてから、と心得たいものです。
特に気をつけたいのが報告を行うとき、それも「できなかった」「目標を達成できなかった」などのネガティブな報告を行うときです。
コミュニケーションコストの高い人は、本人の主観での「できない/できなかった理由」を真っ先に伝えようとしますが、それは多くの人にとって優先順位の低い内容です。長々とそれを語り続けることで、「言い訳をしている」と思われることもあります。真っ先に伝えるべきは「やる/できるようになる方法」「挽回する方法」です。ただし、クリティカルな問題がある場合には「できます」「やります」では解決しません。単刀直入に課題があることを伝え、チーム内で共有することが大事です。
「伝えるべきこと」は多くの場合、「自分の言いたいこと」とは一致しません。しかし、「今、何を話すべきか」に気を配り、そこにフォーカスするだけでも、適切なコミュニケーションに近づくはずです。
その傾向は、必要以上に専門用語を使ったり、数字など具体的な指標を使わずにあいまいな表現をしたり、相手にとって理解しにくい話し方に現れることもあります。これでは相手が話を理解するための時間や労力が格段に増えてしまいます。
さらに相手が何かを説明している際に、自分の考えや意見で話を遮ることもコミュニケーションの負荷を上げます。人の話を途中で遮ると論点がずれてしまうことも多く、必要なことの伝達にも時間がかかります。自分の意見を述べたり質問をしたりするなら、いったん相手の話を一通り聞いてから、と心得たいものです。
特に気をつけたいのが報告を行うとき、それも「できなかった」「目標を達成できなかった」などのネガティブな報告を行うときです。
コミュニケーションコストの高い人は、本人の主観での「できない/できなかった理由」を真っ先に伝えようとしますが、それは多くの人にとって優先順位の低い内容です。長々とそれを語り続けることで、「言い訳をしている」と思われることもあります。真っ先に伝えるべきは「やる/できるようになる方法」「挽回する方法」です。ただし、クリティカルな問題がある場合には「できます」「やります」では解決しません。単刀直入に課題があることを伝え、チーム内で共有することが大事です。
「伝えるべきこと」は多くの場合、「自分の言いたいこと」とは一致しません。しかし、「今、何を話すべきか」に気を配り、そこにフォーカスするだけでも、適切なコミュニケーションに近づくはずです。
キーマンを押さえる
問い合わせ先が適切でないときも、コミュニケーションコストは増大します。
たとえば、事務部門や情報システム部門などの担当者は「社内の便利屋」のようにみなされ、本来の業務に関わりのない問い合わせを受けることが多いと聞きます。それを本来の担当者につなぐのでも負荷が高いですし、問い合わせた側もスピーディな対応が望めません。これはお互いにとって何もいいことがない状態です。「誰に、何を聞くべきか」キーマンを押さえることで、自分だけでなく相手の時間も奪わずに済みます。
職場の人事や組織のルール、エスカレーション(報告・相談)のルールを理解し、それに則ったコミュニケーションを行いましょう。具体的には、報告書の承認プロセスなど、組織内での情報の流れや決定の仕組みを把握しておくことが重要です。
問い合わせるべき相手に問い合わせを行うだけでも、仕事はスムーズになります。決定権を持つ人を押さえて、成功を後押ししてもらいましょう。
たとえば、事務部門や情報システム部門などの担当者は「社内の便利屋」のようにみなされ、本来の業務に関わりのない問い合わせを受けることが多いと聞きます。それを本来の担当者につなぐのでも負荷が高いですし、問い合わせた側もスピーディな対応が望めません。これはお互いにとって何もいいことがない状態です。「誰に、何を聞くべきか」キーマンを押さえることで、自分だけでなく相手の時間も奪わずに済みます。
職場の人事や組織のルール、エスカレーション(報告・相談)のルールを理解し、それに則ったコミュニケーションを行いましょう。具体的には、報告書の承認プロセスなど、組織内での情報の流れや決定の仕組みを把握しておくことが重要です。
問い合わせるべき相手に問い合わせを行うだけでも、仕事はスムーズになります。決定権を持つ人を押さえて、成功を後押ししてもらいましょう。
中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019