道央で100年以上ぶりにタンチョウのヒナが誕生!新千歳空港の隣町に野鳥の聖地があった!

齋藤 千歳

Specialアウトドア・お出かけカルチャー

舞鶴遊水地で繁殖しているペアは不在

それ以外のタンチョウの群れも周辺で観察されている

長沼町役場でお話を伺った堀内康平さん(左)と大田真平さん(右)

筆者は11月末に目撃した6羽程度のタンチョウの群れが舞鶴遊水地で繁殖しているタンチョウの家族だと勝手に思っていたのですが、実際に長沼町役場政策推進課の堀内康平さん(公益財団法人日本生態系協会より派遣)と大田真平さんにお話を伺うと、別個体の可能性が高いといいます。

長沼町の舞鶴遊水地で繁殖を行っているペアや長沼・千歳で目撃される個体は、12月から雪のなくなる4月頭くらいまで、さらに南に移動してしまうそうです。また、繁殖ペアはヒナを含めた3羽程度で行動していることが多く、筆者が近所で目撃したタンチョウの群れはほかの個体の可能性が高いとのこと。2025年は10数羽が長沼町周辺で観察されているといいます。

そして、さらに衝撃的な話が続きます。約200ha、東京ドーム40個分の舞鶴遊水地の保護区はなんと1ペア分の面積だといいます。約2平方kmの広大な土地がなんと1家族分の住宅スペース。釧路周辺の給餌場での密集ぶりしか知らない筆者には驚愕しかありませんが、タンチョウは元々非常に広い縄張りを必要とする野鳥だと考えられているそうです。

舞鶴遊水地の内部や周辺ではタンチョウの親子が写真のような様子で過ごしているようです(画像提供:タンチョウも住めるまちづくり検討協議会)

なお、春の産卵シーズンに入ると、保護のために「鳥の駅マオイトー」周辺を除いて舞鶴遊水地を車で回ることはできなくなります。タンチョウがどんな環境で、どのくらい広いスペースで繁殖しているかを体感したいなら、ヒナが飛べるようになる9月中旬あたりから、雪が積もる前の11月末がおすすめです。

さらに、新千歳空港周辺、長沼町の舞鶴遊水地の周りでタンチョウを観察したいなら、おすすめの方法は、ヒナが飛べるようになり、遊水池の外に出るようになった後に、舞鶴遊水地の周辺にある農地の周りを車で走り回ってみる方法です。なお、観察の際は「農地や農道に入らない」「迷惑になる場所で駐車しない」などのマナーを守りましょう。

野生動物の観察なので、どちらも確実といえる方法はありませんが、舞鶴遊水地にある「鳥の駅マオイトー」で情報を入手して、ドライブがてらタンチョウを探すのがよいでしょう。運がよければ、再び全道へと分布を広げようとするタンチョウの姿を目撃することができるはずです。

「鳥の駅マオイトー」と「旧長都沼」をドライブ

タンチョウがいなくてもキタキツネやハクチョウなども

しっかり視線まで合わせてくれたキタキツネ。こちらもかなり頻繁に出合います

タンチョウを見るために、中国やロシアなど、自国にもタンチョウが生息する国の人びとが北海道・釧路周辺をわざわざ訪れるのは、給餌されていない野生のタンチョウに出合うのが極めて困難なことがその大きな理由。一般人にはほぼ観察不可能とすらいわれているそうです。

そんな海外よりも、筆者がたまたま見かけたくらいなので、人間との関わりが深い日本のタンチョウはあまり人を恐れないそうです。そして湿地でエサを探すだけでなく、田畑に落ちたトウモロコシなどの農作物を食べ、人工的に作られた遊水地を子育てに利用するアーバン派のタンチョウは比較的出合いやすいといえます。

ただし、野生動物なので出合えないこともあるでしょう。それでも、筆者が千歳空港からほど近い長沼町と千歳市でのタンチョウ探しをおすすめするのは、Googleマップなどで「鳥の駅マオイトー」と「旧長都沼」をランドマークとしてタンチョウを探すと、ほかの野生動物たちと出合えるからです。

舞鶴遊水地のねぐらに戻ってきた野鳥たち。驚くような数です

タンチョウを目撃した後、筆者は「鳥の駅マオイトー」と「旧長都沼」の周辺を回ってみました。季節の要素も大きいようですが、ハクチョウやキタキツネ、ダイサギ、数千羽のカモやガン、猛禽類を観察できました。エゾシカやオジロワシなどを観察できることも多いです。結果、短時間で北海道の大自然を満喫できるので、とてもお得といえます。野鳥の観察シーズンは、「舞鶴遊水地野鳥観察ガイド」も参考にすると便利です。

また「鳥の駅マオイトー」を含む舞鶴遊水地の観察コースを車で回ると、こんな広大な土地がないと、タンチョウは繁殖できないのだと実感できます。新千歳空港からレンタカーで出発した直後や逆に空港で車を返却する前に、ちょっと足を伸ばして北海道の大自然を満喫するなら「鳥の駅マオイトー」は、まだあまり知られていない新しい自然観察ポイントです。筆者もしばらく通おうと思っています。
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齋藤 千歳

フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族4人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。

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