難しさがリアル＆面白い、ドローン操縦をVRで体験
「空」ゾーンでは、VRによる体験型コンテンツが来場者の注目を集めていました。
昨年に続き、eVTOLで渋谷から用賀間の上空を移動するVR搭乗体験が用意されたほか、今年は新たにVRでのドローン操縦体験も登場。これらのVRコンテンツは、GMOグローバルサイン・ホールディングス CTO室の羽賀流登氏が中心となって開発したものです。
昨年に続き、eVTOLで渋谷から用賀間の上空を移動するVR搭乗体験が用意されたほか、今年は新たにVRでのドローン操縦体験も登場。これらのVRコンテンツは、GMOグローバルサイン・ホールディングス CTO室の羽賀流登氏が中心となって開発したものです。
ドローン操縦シミュレーターを解説するGMOグローバルサイン・ホールディングス CTO室室長の浅野昌和氏
従来のドローン操縦シミュレーターはモニター越しでの操作が中心でしたが、ヘッドセットを用いた没入型のVR体験へと進化することで、より実際のドローン操縦訓練に近いトレーニングが可能になったそう。ドローン操縦の国家資格である「無人航空機操縦者技能証明等」の試験コースを忠実に再現しています。
今までドローン操縦はほとんど経験のない筆者は実際に体験してみて、視界全体に広がる試験会場の空間と臨場感のある操縦感覚に驚きました。右往左往ののち、ドローンを墜落させてしまいましたが、その間わずか2〜3分。「これは仮想空間で練習しないとドローンがいくつあっても足りない」と思わせる難しさがあり、面白かったです。
そんなVRによるドローン操縦シミュレーターの操作感は、ドローン操縦経験者からも「（平面の）モニターでのシミュレーションに比べて、実際にドローンを操縦しているときの体験にとても近い」と高く評価されていました。
GMOグローバルサイン・ホールディングス CTO室 室長の浅野昌和氏は、「ドローン操縦シミュレーターは約1年ほどかけて開発しました。CTO室の技術チャレンジの一環として進めていますが、今回のJapan Droneで体験してくださったお客様から頂いたフィードバックや反応を見て、今後の事業化なども検討していきます」と話しており、体験型ソリューションとしての発展が期待されます。
今までドローン操縦はほとんど経験のない筆者は実際に体験してみて、視界全体に広がる試験会場の空間と臨場感のある操縦感覚に驚きました。右往左往ののち、ドローンを墜落させてしまいましたが、その間わずか2〜3分。「これは仮想空間で練習しないとドローンがいくつあっても足りない」と思わせる難しさがあり、面白かったです。
そんなVRによるドローン操縦シミュレーターの操作感は、ドローン操縦経験者からも「（平面の）モニターでのシミュレーションに比べて、実際にドローンを操縦しているときの体験にとても近い」と高く評価されていました。
GMOグローバルサイン・ホールディングス CTO室 室長の浅野昌和氏は、「ドローン操縦シミュレーターは約1年ほどかけて開発しました。CTO室の技術チャレンジの一環として進めていますが、今回のJapan Droneで体験してくださったお客様から頂いたフィードバックや反応を見て、今後の事業化なども検討していきます」と話しており、体験型ソリューションとしての発展が期待されます。
ドローンのホワイトハッカー世界チャンピオンも参加したパネルディスカッション
展示会初日に行われたパネルディスカッション「【禁断のホコタテ対談】ドローンハッキングコンテスト世界1位のハッカー vs ドローンメーカー vs ドローン制度有識者」では、ドローンのセキュリティをテーマに、ドローンのサイバーセキュリティの大会で優勝したホワイトハッカーや、ドローンメーカー、さらに制度の専門家が登壇。技術と制度、攻撃と防御、それぞれの立場からリアルな議論が交わされました。
GMOサイバーセキュリティ byイエラエ 高度解析部の三村聡志氏は、ドローンの映像をすり替えたり、操縦を乗っ取ったりできるハッカーの実際の手口を解説。特にスマホアプリで操作する機体は攻撃対象になりやすいといいます。さらに同社の高度解析部に所属しHack the DRONEのメンバーである竹越開氏からは「初期設定のままのパスワードを変更する」「ソフトウェアを常に最新版に保つ」「通信は暗号化する」といったセキュリティ対策の徹底も呼びかけられました。
メーカー側からは、PRODRONEの市原和雄氏が、既に位置情報の偽装（GPSスプーフィング）などへの対策を進めているものの、コストや実装の難しさが課題であると説明しました。
また制度面では、SClabAirの各務博之氏から、ヨーロッパが国際的な基準を進めているのに対し、日本ではまだ法整備の途中段階であり、今後はグローバルなルールに足並みをそろえる必要があるとの指摘がありました。
「空を飛ぶだけでなく、安全に飛び続けるための技術と制度が重要である」、そんなメッセージが印象に残るセッションでした。
GMOサイバーセキュリティ byイエラエ 高度解析部の三村聡志氏は、ドローンの映像をすり替えたり、操縦を乗っ取ったりできるハッカーの実際の手口を解説。特にスマホアプリで操作する機体は攻撃対象になりやすいといいます。さらに同社の高度解析部に所属しHack the DRONEのメンバーである竹越開氏からは「初期設定のままのパスワードを変更する」「ソフトウェアを常に最新版に保つ」「通信は暗号化する」といったセキュリティ対策の徹底も呼びかけられました。
メーカー側からは、PRODRONEの市原和雄氏が、既に位置情報の偽装（GPSスプーフィング）などへの対策を進めているものの、コストや実装の難しさが課題であると説明しました。
また制度面では、SClabAirの各務博之氏から、ヨーロッパが国際的な基準を進めているのに対し、日本ではまだ法整備の途中段階であり、今後はグローバルなルールに足並みをそろえる必要があるとの指摘がありました。
「空を飛ぶだけでなく、安全に飛び続けるための技術と制度が重要である」、そんなメッセージが印象に残るセッションでした。
常にどこかで「ブーン」と音がする
今回の展示会では、会場内を歩いていると、常にどこかでドローンの「ブーン」という駆動音が聞こえてくるのが印象的でした。飛行可能な機体は、会場内に設けられたネット囲いの専用デモスペースで飛行し、安全を確保した状態でその性能を披露。
docomo businessはSkydio社のドローン「Skydio X10」をデモンストレーション
夜間自律飛行で、数十メートル離れたところからメーターを読み取れるなど高性能
そしてJapan Droneの会場では、壁面の修理や物資の運搬、遭難者の捜索といった実用的な「仕事」としての活用に加え、ドローンを使ったエンタメ領域のデモンストレーションも行われていました。
例えば日本ドローンサッカー連名のブースでは「ドローンサッカー」の体験ができました。ドローンサッカーは、球体ドローンを操作して空中ゴールにシュートを決める競技。
例えば日本ドローンサッカー連名のブースでは「ドローンサッカー」の体験ができました。ドローンサッカーは、球体ドローンを操作して空中ゴールにシュートを決める競技。
サッカーボールのようにも見える球体の中にドローンがセットされている
位置について……
白い輪っかをくぐれたら、サッカーでいうところの「ゴール」になります
まるで未来のスポーツのような光景に、来場者が足を止めて見入っていました。用途の幅広さを感じさせる展示が、ドローンという存在をぐっと身近に感じさせてくれますね。
一方で、安全上の理由などから飛行展示が行えない機体も多数あり、これらは静態展示としてブースに並び、機体の構造などを確認できるようになっていました。
一方で、安全上の理由などから飛行展示が行えない機体も多数あり、これらは静態展示としてブースに並び、機体の構造などを確認できるようになっていました。
三菱重工がヤマハ発動機と開発した中型マルチコプター型無人機の前では記念撮影をする人も
社会実装に向けた広がりと、GMOインターネットグループの継続的な取り組み
ほかにも、発電所や国防に関わる施設など、ドローンが飛んではいけない場所を守るセキュリティサービス、福島県によるロボットテストフィールドや産業振興の取り組みなど、ドローンを取り巻く社会基盤に関する展示も目立ちました。
また、今回は各メーカーが訴求する災害救助で物資運搬を担う機体やソリューションも多く、空のテクノロジーが「便利」だけでなく「命を守る」方向にも確実に進化していることが感じられました。
GMOインターネットグループ グループ総務部 部長の佐山祐太氏は「私たちは4年前からプラチナスポンサーとして継続して出展してきました。回を重ねるごとに『GMOって毎年出てるよね』とご来場者の皆さまから認知していただくようになってきたと感じています。特に今年は、私たちが注力するサイバーセキュリティの領域と、ドローンの安全運用というテーマが重なり、関連性の高い訴求ができたと思います」と出展への手応えを語りました。
また、今回は各メーカーが訴求する災害救助で物資運搬を担う機体やソリューションも多く、空のテクノロジーが「便利」だけでなく「命を守る」方向にも確実に進化していることが感じられました。
GMOインターネットグループ グループ総務部 部長の佐山祐太氏は「私たちは4年前からプラチナスポンサーとして継続して出展してきました。回を重ねるごとに『GMOって毎年出てるよね』とご来場者の皆さまから認知していただくようになってきたと感じています。特に今年は、私たちが注力するサイバーセキュリティの領域と、ドローンの安全運用というテーマが重なり、関連性の高い訴求ができたと思います」と出展への手応えを語りました。
ドローンが空を飛び交う時代は、既に現実の風景になりつつあります。その未来を、どう便利に、そしてどう安全に支えるか。Japan Droneはテクノロジーが私たちの暮らしをどう支え、守っていくのかを体感できる貴重な3日間でした。
鷺木さくら
ライター・コラムニスト。 展示会めぐりと編みぐるみが好物。いつかLOVOTかaiboを飼ってセーターを編みたい。 ライフハック・おでかけ情報に関する記事が得意。中央線LOVE。 マンチカンの寝姿と歩き方が好き。
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