Soraは“AIプリクラ”?自分を“盛る”小学生
友人から聞いた話なのですが、友人の小学1年生の娘さんは、Soraで楽しく遊んでいるそうです。彼女は自分の顔と音声を登録し、自分に好きなドレスや衣装を着せて、「お友達と一緒にホテルでお茶会する」といった、小学1年生の女の子にとって現実離れした動画を作って楽しんでいると聞きました。
この使い方は面白い。例えるなら、着飾ったアバターで仮想空間を歩き回って楽しむとか、“盛れるプリクラ”で友達と撮影するとか、そういうイメージかもしれません。
他人の写真を無断でAI編集するのとは違い、自分で自分のAI動画を作るのはOKな気がするんですよね。それが多少本物とは違ったとしても、本人が納得していればいいのではないかと。自分のカメオも、見知らぬ人に勝手に使われるのは抵抗があるけれど、親しい友人が使って面白動画を作ってくれるなら見てみたい気がします。
Soraのカメオにある「編集権限」の仕組みは、そういった感覚を反映しているように思います。Soraでは、カメオの編集権限を「自分だけ」「私が承認したユーザー」「相互フォロワー」「全員」の4段階から選べるようになっています。
Soraをプリクラとして考えると、この分け方に納得感が出ます。プリクラを一緒に撮りに行くような親しい友達なら、お互いのカメオを編集できる設定にしておき、AI生成動画の中で、友達同士でお互いを編集で“盛ったり”して遊ぶことができる。
Soraは、AI動画作成ツールとしてではなく、SNSとしてリリースされました。その背景には、「友達同士で使ってほしい」という狙いがあるのかも。目指しているのは、荒唐無稽な架空の動画を量産するだけのプラットフォームではなく、友達とプリクラを撮るように、友達のAIアバターと一緒に遊べるSNSなのかもしれませんね。
この使い方は面白い。例えるなら、着飾ったアバターで仮想空間を歩き回って楽しむとか、“盛れるプリクラ”で友達と撮影するとか、そういうイメージかもしれません。
他人の写真を無断でAI編集するのとは違い、自分で自分のAI動画を作るのはOKな気がするんですよね。それが多少本物とは違ったとしても、本人が納得していればいいのではないかと。自分のカメオも、見知らぬ人に勝手に使われるのは抵抗があるけれど、親しい友人が使って面白動画を作ってくれるなら見てみたい気がします。
Soraのカメオにある「編集権限」の仕組みは、そういった感覚を反映しているように思います。Soraでは、カメオの編集権限を「自分だけ」「私が承認したユーザー」「相互フォロワー」「全員」の4段階から選べるようになっています。
Soraをプリクラとして考えると、この分け方に納得感が出ます。プリクラを一緒に撮りに行くような親しい友達なら、お互いのカメオを編集できる設定にしておき、AI生成動画の中で、友達同士でお互いを編集で“盛ったり”して遊ぶことができる。
Soraは、AI動画作成ツールとしてではなく、SNSとしてリリースされました。その背景には、「友達同士で使ってほしい」という狙いがあるのかも。目指しているのは、荒唐無稽な架空の動画を量産するだけのプラットフォームではなく、友達とプリクラを撮るように、友達のAIアバターと一緒に遊べるSNSなのかもしれませんね。
AIのゾーニングが必要では
とはいえ、Soraはまるで本物のようなリアルな映像を生成できるので、フェイク動画が作られるリスクも高いと感じます。フェイク対策として、今後AI動画にはかなり厳しい規制が入ってくるのではないでしょうか。
例えば、回転すしの「スシロー」で、しょうゆ差しの注ぎ口をなめる動画が炎上したことがありました。AIを使えば、ああいう動画は簡単にフェイクで生成できる。しょうゆ差しをなめる動画をAI生成したとして、その人はしょうゆ差しを実際になめた訳ではないけれど、スシローのイメージを毀損(きそん)することになってしまったら……などと考えると、やはりAI動画に規制は必要に思います。
一方で、アイデアを文字入力するだけで動画が作れるのは面白い体験ですし、「動画を作ること」そのものは表現の自由の範疇でもある。一律に「使ってはいけない」と規制するのもなじみません。
結局のところ、「ゾーニング」が必要なのでしょう。例えば「このエリア(仮に港区とします)は、生成AIを使っていいエリアなので、港区で発信されているコンテンツは、AI製のフェイクの可能性があります」みたいな……。“生成AI遊園地”の中で遊ぶ分にはいいですよ、みたいな。
プリクラとも重なります。私は2000年ごろにプリクラ店舗を取材したことがあるんですが、当時の取材先だったゲームセンターのプリクラエリアは、女性限定エリアでした。ナンパや盗撮などのリスクがあるため、男子禁制だったんですよね。
同じように、AI動画とリアル動画についても、適切なゾーニング……「ここから先はAIを使ってもOK」「ここはNG」といった線引きは、必要になるのではないでしょうか。
例えば、回転すしの「スシロー」で、しょうゆ差しの注ぎ口をなめる動画が炎上したことがありました。AIを使えば、ああいう動画は簡単にフェイクで生成できる。しょうゆ差しをなめる動画をAI生成したとして、その人はしょうゆ差しを実際になめた訳ではないけれど、スシローのイメージを毀損(きそん)することになってしまったら……などと考えると、やはりAI動画に規制は必要に思います。
一方で、アイデアを文字入力するだけで動画が作れるのは面白い体験ですし、「動画を作ること」そのものは表現の自由の範疇でもある。一律に「使ってはいけない」と規制するのもなじみません。
結局のところ、「ゾーニング」が必要なのでしょう。例えば「このエリア(仮に港区とします)は、生成AIを使っていいエリアなので、港区で発信されているコンテンツは、AI製のフェイクの可能性があります」みたいな……。“生成AI遊園地”の中で遊ぶ分にはいいですよ、みたいな。
プリクラとも重なります。私は2000年ごろにプリクラ店舗を取材したことがあるんですが、当時の取材先だったゲームセンターのプリクラエリアは、女性限定エリアでした。ナンパや盗撮などのリスクがあるため、男子禁制だったんですよね。
同じように、AI動画とリアル動画についても、適切なゾーニング……「ここから先はAIを使ってもOK」「ここはNG」といった線引きは、必要になるのではないでしょうか。

鷹木 創
編集主幹
2002年以来、編集記者や編集長などとしてメディアビジネスに携わる。インプレス、アイティメディアと転職し、2013年にEngadget日本版の編集長に就任。 その後スマートニュースに転職。国内トップクラスの機械学習を活用したアプリ開発会社においてビジネス開発として活躍。2021年からはフリーランスとして独立、IBM、Google などのオウンドメディアをサポートしている。












