箱根の王道観光スポットといえば、大涌谷の噴煙地、芦ノ湖、そして箱根神社。私たちの観光タクシー業務でも、この3カ所を周遊するコースは定番となっています。
【関連記事】タクシー運転手がお勧め!箱根神社の境内で完結する「お手軽三社参り」なら雨でも強風でも大丈夫(2026.6.5)
ただ、こうした定番コースを巡るときに悩ましいのが箱根の変わりやすい天気。大涌谷の噴気孔を上から間近に見られる箱根ロープウェイや、芦ノ湖の景観を湖上から楽しめる箱根海賊船、芦ノ湖遊覧船といった乗り物は荒天に弱く、強風、落雷、霧などで運休することがしばしばあります。
また、ハイシーズンの週末は渋滞も問題です。ロープウェイの早雲山駅前に大渋滞ができて、歩いて20〜30分で行けるような距離を移動するのにタクシーで1時間以上かかったこともあります。
さらに、目的の観光スポットにたどり着いても、雨や雪で何も見ることができない日も……。
せっかく箱根にお越しになった方に、箱根らしい景色や風景をご紹介できないのは、私たちタクシー運転手にとっても大変残念なことです。
もちろん、箱根には美術館がたくさんあるので、屋内を中心に回れる美術館巡りも選択肢の1つですが、美術に関心のない方には響かないこともあります。
そこで、そんな困った日に私がご案内しているのが、宮ノ下の富士屋ホテルを中心とした古い建造物をご覧いただくツアーです。
【関連記事】タクシー運転手がお勧め!箱根神社の境内で完結する「お手軽三社参り」なら雨でも強風でも大丈夫(2026.6.5)
ただ、こうした定番コースを巡るときに悩ましいのが箱根の変わりやすい天気。大涌谷の噴気孔を上から間近に見られる箱根ロープウェイや、芦ノ湖の景観を湖上から楽しめる箱根海賊船、芦ノ湖遊覧船といった乗り物は荒天に弱く、強風、落雷、霧などで運休することがしばしばあります。
また、ハイシーズンの週末は渋滞も問題です。ロープウェイの早雲山駅前に大渋滞ができて、歩いて20〜30分で行けるような距離を移動するのにタクシーで1時間以上かかったこともあります。
さらに、目的の観光スポットにたどり着いても、雨や雪で何も見ることができない日も……。
せっかく箱根にお越しになった方に、箱根らしい景色や風景をご紹介できないのは、私たちタクシー運転手にとっても大変残念なことです。
もちろん、箱根には美術館がたくさんあるので、屋内を中心に回れる美術館巡りも選択肢の1つですが、美術に関心のない方には響かないこともあります。
そこで、そんな困った日に私がご案内しているのが、宮ノ下の富士屋ホテルを中心とした古い建造物をご覧いただくツアーです。
チャップリン、ヘレン・ケラー、ジョン&ヨーコも投宿した富士屋ホテル
宮ノ下は古くから温泉地として知られ、周辺の堂ヶ島、底倉、木賀とともに江戸時代から続く温泉地「箱根七湯」の1つとして発展しました。
転機となったのは明治11年(1878年)。アメリカへの洋行後、慶應義塾に入学し、福沢諭吉から薫陶を受けた山口仙之助が、宮ノ下の老舗旅館「藤屋旅館」を改修して外国人向けの富士屋ホテルを開業したことです。
ホテルは明治16年(1883年)、宮ノ下の大火で類焼するも間もなく再建。明治20年(1887年)に山口仙之助の主導で塔ノ沢から宮ノ下まで車道を開削したことや、大正8年(1919年)の箱根登山鉄道の開通、昭和初期の国道1号線の整備でアクセスが向上し、宮ノ下は外国人向けの富士屋ホテルを中心に異国情緒が漂う保養地として発展しました。
富士屋ホテルの「本館」をはじめとする主要な建物は1997年、国の登録有形文化財に登録されています。その建物施設の安全性向上のため、2018年4月から耐震補強および改修工事を実施。趣は昔のまま、2020年7月にグランドオープンしました。
転機となったのは明治11年(1878年)。アメリカへの洋行後、慶應義塾に入学し、福沢諭吉から薫陶を受けた山口仙之助が、宮ノ下の老舗旅館「藤屋旅館」を改修して外国人向けの富士屋ホテルを開業したことです。
ホテルは明治16年(1883年)、宮ノ下の大火で類焼するも間もなく再建。明治20年(1887年)に山口仙之助の主導で塔ノ沢から宮ノ下まで車道を開削したことや、大正8年(1919年)の箱根登山鉄道の開通、昭和初期の国道1号線の整備でアクセスが向上し、宮ノ下は外国人向けの富士屋ホテルを中心に異国情緒が漂う保養地として発展しました。
富士屋ホテルの「本館」をはじめとする主要な建物は1997年、国の登録有形文化財に登録されています。その建物施設の安全性向上のため、2018年4月から耐震補強および改修工事を実施。趣は昔のまま、2020年7月にグランドオープンしました。
富士屋ホテル本館(1891年竣工、筆者撮影)
富士屋ホテル西洋館(1906年竣工、筆者撮影)
富士屋ホテル食堂棟(1930年竣工、筆者撮影)
富士屋ホテル花御殿(1936年竣工、筆者撮影)
意外と知られていませんが、富士屋ホテルは2020年のリニューアルオープンに合わせ、館内にミュージアムと展示エリアを開設。宿泊客でなくても自由に見学できます(スマートフォンアプリを使った有料の音声ガイドツアーも1人500円で体験可能。受付時間は9〜16時)。
往時のファシリティーを展示する富士屋ホテルのミュージアム(筆者撮影)
年表でホテルの歴史をたどることができる(筆者撮影)
箱根町の重要文化財に登録されたレジスターブック(宿帳)など貴重な資料も(筆者撮影)
番傘・法被といった「旅館」のもてなしと、タイプライターや消火器といった「近代化」の要素が混じり合う(筆者撮影)
創業当時の写真やかつて使われていた調度品、資料などは一見の価値があると思います。本館のメインエントランスから階段を上ってバルコニーに出れば、1891年に竣工した本館、1906年竣工の西洋館、昭和初期に建造された食堂棟、特徴的な外観の花御殿などの姿を見わたすことができます。箱根の近代史を肌で感じることができるでしょう。

美馬 哲
タクシー乗務員/「箱根観光情報新聞」編集長
10年前、企業の管理職を辞して箱根へ移住。旅館勤務を経て、現在はタクシー乗務員として日々観光客を案内している。2019年に「箱根観光情報新聞」を創刊し、編集長として地域の魅力や旅人との出会いを発信中。













