いまやパソコンやスマートフォン、タブレットやテレビなどで、視聴できるYouTube。次から次へと動画が自動再生され、暇つぶしにはもってこいですが、特に子どもに対しては、動画の終わり時や見せたくない動画を避ける方法など、親には悩みが多いメディアでもあります。
今回は、IT関連のライティングや編集を30年間続けてきた筆者が編み出した、YouTubeを子ども向け学習ツールに変身させる方法と、家族が身につけるべきITリテラシーの獲得方法、そして理数系の小学校高学年へ送るお勧めチャンネルを、前後編でお届けします。
今回は、IT関連のライティングや編集を30年間続けてきた筆者が編み出した、YouTubeを子ども向け学習ツールに変身させる方法と、家族が身につけるべきITリテラシーの獲得方法、そして理数系の小学校高学年へ送るお勧めチャンネルを、前後編でお届けします。
YouTubeとの適切&自主的な付き合いは子どもに無理
子育て中の保護者のみなさん、YouTubeは使いこなしていますか? 実は、簡単そうに見えて難しいのがYouTubeの使いこなしです。
というのも、YouTubeはパソコンのブラウザー経由、スマートフォンやタブレットのアプリ経由、テレビ経由など、見る媒体によってできることが違います。さらに機能もひんぱんにアップデートされ、無料版と有料版で機能も違うというフレキシブルさ。全体の把握が難しく、保護者が「使いこなせている」と断言できなくても当然です。
その上、配信方法の解説本はたくさんあるのに、視聴する側に向けた詳しい解説本がほとんどありません。何も考えずに視聴するのはごく簡単なのに、自主的に使いこなそうとすると実は非常に難解なのがYouTubeというメディアだと個人的には思っています。
私自身は、IT系の出版社に勤めはじめたのが30年前、そこから独立してPC系のライティングや編集を仕事にして15年です。子どもは小学校高学年の男子で、生まれた時からディスプレイやスマホに囲まれるデジタルネイティブの環境は「パソコン=オタク」だった世代から見ればうらやましい限り。そのためITに関してはなるべくやりたいことをやらせてあげたいと思ってきましたが、それでも制限せざるを得なかったのがこの「YouTube」でした。
というのも、YouTubeはパソコンのブラウザー経由、スマートフォンやタブレットのアプリ経由、テレビ経由など、見る媒体によってできることが違います。さらに機能もひんぱんにアップデートされ、無料版と有料版で機能も違うというフレキシブルさ。全体の把握が難しく、保護者が「使いこなせている」と断言できなくても当然です。
その上、配信方法の解説本はたくさんあるのに、視聴する側に向けた詳しい解説本がほとんどありません。何も考えずに視聴するのはごく簡単なのに、自主的に使いこなそうとすると実は非常に難解なのがYouTubeというメディアだと個人的には思っています。
私自身は、IT系の出版社に勤めはじめたのが30年前、そこから独立してPC系のライティングや編集を仕事にして15年です。子どもは小学校高学年の男子で、生まれた時からディスプレイやスマホに囲まれるデジタルネイティブの環境は「パソコン=オタク」だった世代から見ればうらやましい限り。そのためITに関してはなるべくやりたいことをやらせてあげたいと思ってきましたが、それでも制限せざるを得なかったのがこの「YouTube」でした。
動画共有サービスの「YouTube」。開設は2005年と、子育て中の世代が子どもの頃になかったメディアだけに、使いこなしは親も手探りです
今回私がお話する「使いこなし」の目的は、以下の2点についてです。
・子どものトラウマになるような「公序良俗に反するコンテンツを避ける方法」
・勉強や生活に役立ち、興味関心を伸ばしてくれる「良質なコンテンツを視聴する方法」
各チャンネルの有料会員である「チャンネル メンバーシップ」や、ライブ配信の投げ銭「Super Chat」や「Super Sticker」などのコミュニケーションに関する使いこなしはここでは解説しません。
・子どものトラウマになるような「公序良俗に反するコンテンツを避ける方法」
・勉強や生活に役立ち、興味関心を伸ばしてくれる「良質なコンテンツを視聴する方法」
各チャンネルの有料会員である「チャンネル メンバーシップ」や、ライブ配信の投げ銭「Super Chat」や「Super Sticker」などのコミュニケーションに関する使いこなしはここでは解説しません。
就学前なら安心して視聴できる「YouTube Kids」がお勧め
まず公序良俗に反するコンテンツを避ける方法です。大人だって中毒になるのに、子どもに「YouTubeと適切に付き合え」と要求するのも無茶な話。子どもにノーガードで与えてしまうのはやはり危険です。
そのため、定番ですが幼児のうちは「YouTube Kids」、それ以降はファミリーリンクを使うか、制限をかけた上で親が履歴をチェックする方法が現実的です。
まずは子どもが未就学児の場合に有効な、YouTube Kidsの使い方から解説します。
子どもが有害コンテンツを視聴してしまうことへの批判を受けて、Googleが提供を開始したのが「YouTube Kids」です。米国では2015年から、日本でも2017年から提供が開始されました。「YouTube」で配信されているコンテンツのうち、子どもが視聴しても問題ないようフィルタリングされたもののみ表示されます。
利用するには、ファミリーリンクにひも付けされた子ども用のアカウントが必要で、保護者のアカウントから設定後、子ども用のアカウントでログインすると利用できるようになります。ちなみにこのログインをしないと、トップページの表示自体ができません。
ファミリーリンクをまだ使っていないという方は、活用方法がまとめられたGoogleによる公式の解説ページ「ファミリーリンクを活用する」が参考になります。
そのため、定番ですが幼児のうちは「YouTube Kids」、それ以降はファミリーリンクを使うか、制限をかけた上で親が履歴をチェックする方法が現実的です。
まずは子どもが未就学児の場合に有効な、YouTube Kidsの使い方から解説します。
子どもが有害コンテンツを視聴してしまうことへの批判を受けて、Googleが提供を開始したのが「YouTube Kids」です。米国では2015年から、日本でも2017年から提供が開始されました。「YouTube」で配信されているコンテンツのうち、子どもが視聴しても問題ないようフィルタリングされたもののみ表示されます。
利用するには、ファミリーリンクにひも付けされた子ども用のアカウントが必要で、保護者のアカウントから設定後、子ども用のアカウントでログインすると利用できるようになります。ちなみにこのログインをしないと、トップページの表示自体ができません。
ファミリーリンクをまだ使っていないという方は、活用方法がまとめられたGoogleによる公式の解説ページ「ファミリーリンクを活用する」が参考になります。
「YouTube Kids」の「未就学児向け(4歳以下)」向けのトップページ。アニメや音楽など子どもが視聴しても安心なコンテンツが並びます
安心無害なスイーツのような動画といえるでしょう。
Amazonが販売しているタブレット「Fire HD」に、子ども向け動画コンテンツが視聴しやすいメニューになっているキッズモデルがありますが、「YouTube Kids」もポータルサイトはそれに近い印象です。「アニメ・ドラマ」「おんがく」「ゲーム」などのカテゴリごとに、子どもが視聴しても問題ない人気動画が並びます。
メニューに表示されるコンテンツ以外にもキーワード検索で動画を探すことも可能ですが、この検索でも好ましくないキーワードでは検索できないほか、検索結果もフィルタリングされたものが表示されます。この検索機能自体を許可するかどうかも保護者が設定でオン/オフできます。
Amazonが販売しているタブレット「Fire HD」に、子ども向け動画コンテンツが視聴しやすいメニューになっているキッズモデルがありますが、「YouTube Kids」もポータルサイトはそれに近い印象です。「アニメ・ドラマ」「おんがく」「ゲーム」などのカテゴリごとに、子どもが視聴しても問題ない人気動画が並びます。
メニューに表示されるコンテンツ以外にもキーワード検索で動画を探すことも可能ですが、この検索でも好ましくないキーワードでは検索できないほか、検索結果もフィルタリングされたものが表示されます。この検索機能自体を許可するかどうかも保護者が設定でオン/オフできます。
「YouTube Kids」画面の右上から「設定」から検索履歴や再生履歴がチェックできるページへのショートカットが用意されています
小学校入学前の幼児の場合は、このYouTube Kidsの利用が圧倒的に便利です。「小学校低学年向け(5~8歳)」の設定なら、子どもが見たがるコンテンツもある程度見られますし、うっかり危険な動画を視聴し続けるようなトラブルを避けられます。保護者側の操作としては、定期的にメニューの「もういちど見る」から再生履歴を確認したり、「設定」から「検索履歴と再生履歴を確認する」をチェックしておくと、念のため安心でしょう。
設定を変更するときは、ファミリーリンクにログインし、子どものアカウントを選択したら[管理]→[コンテンツの制限]→[YouTube]→[YOUTUBE KIDS の設定]の[編集]で設定が可能。「未就学児向け」から「小学校高学年向け」までフィルタリングの程度を選択します。設定方法の詳細は、Googleによる「お子様用の YouTube Kids アカウントを設定する」を参照してください。
設定を変更するときは、ファミリーリンクにログインし、子どものアカウントを選択したら[管理]→[コンテンツの制限]→[YouTube]→[YOUTUBE KIDS の設定]の[編集]で設定が可能。「未就学児向け」から「小学校高学年向け」までフィルタリングの程度を選択します。設定方法の詳細は、Googleによる「お子様用の YouTube Kids アカウントを設定する」を参照してください。
ファミリーリンクを使えば、子どものプロフィールの管理ができます。コンテンツの制限や、自動再生の無効にする際は、この画面での操作が必要です
「コンテンツの設置」以外で必ずオンにしておきたいのは[自動再生を無効にする]です。これがオフになっていると、視聴履歴からおすすめ動画がどんどん自動再生され、ダラダラと動画を見続ける原因になりがち。動画を見終わる区切りがなくなるので、オフにしておくことをお勧めします。これら設定の詳細は「保護者による YouTube Kids プロフィールと管理対象アカウントの管理と設定」から参照できます。
赤池 淳子
編集・ライター
1973年東京都生まれ。IT系出版社を経て編集者兼ライターに。雑誌やWeb媒体での執筆・編集を行う。家電、旅行、まちづくり、子どものプログラミング教育などのテーマを追いかけている。