寝苦しい夏に使える？実際に使ってみた「接触冷感系寝具」4選

2023.7.18

「夏眠クールケット」を実際にテストした

「SEA BREEZE」のロゴが大きく入った「夏眠クールケット」のパッケージ。ロゴだけで涼しそうに感じるのは、さすが「SEA BREEZE」といったところです

掛けると涼しくなる不思議な体験を味わえる掛け布団

掛け布団には「SEA BREEZE」監修の「夏眠クールケット」をセレクトしました。「SEA BREEZE」は発売以来120年以上受け継がれてきたレシピを守り続けているという「シーブリース　アンティセプティック全身薬用ローション」に代表されるブランド。「シーブリース　アンティセプティック」の爽快なつけ心地、そしてクールに肌を引き締めてくれる感触は接触冷感寝具のイメージにぴったりですし、筆者の心をがっちりとつかんだのです。

Q-max値は0.37、190×140cmとダブルベッドでも快適に使えるクラスの大きさになっています。素材は側生地がナイロン95％、ポリウレタン5％、中材がポリエステル100％で実勢価格は1万780円（税込）です。

実際に使ってみて驚いたのは、掛けた瞬間に掛ける前より明らかに涼しくなること。布団を掛けると涼しくなる感覚は筆者の中では新しく、何度も掛けては、外して、この感覚を確かめてしまいました。

この「夏眠クールケット」ですが、キルティングとシワ加工がされており、表面がかなりフワフワとした印象。実際に触れてみると接触冷感なので冷たく感じるのはもちろん、とても柔らかく感じるのに、汗をかいてもべとつかない非常にサラサラとした感触に仕上がっています。非常に気持ちが良く筆者などは全身を包み込むように、巻き付けるように寝ていることが多いのですが、通気性も良くとても快適に眠ることができます。

夏用の掛け布団にとって気になるのは洗濯ですが、中綿のある掛け布団でありながら、洗濯ネットは必要ですが、洗濯機で洗えるので清潔さを保ちやすく、汗のニオイなどの問題も簡単に解決できるわけです。直接、汗ばんだ肌に毎日のように触れる夏用の掛け布団だけに、この点は非常にうれしく感じました。

非常に肌触りが良いので、全身に巻きつけるように眠りたくなるのですが、当然接触冷感の効果は長く触れているところでは失われてしまいます。この点は接触冷感素材全体の弱点といえるでしょう。しかし、掛け布団を掛けた瞬間に、明らかに温度が下がったように感じるのは、とても快適で暑い日でも普段より快適に眠りにつくことができるように感じます。

「SEA BREEZZE」監修の「夏眠クールケット」。さらさらふわふわでとても肌触りがいいのがうれしい

「瞬間冷却ひんやりマット」をテストした結果は？

折りたたんだ状態の「瞬間冷却ひんやりマット」。中に砂（塩）が詰まっているので5kgオーバーとかなり重たいです

校舎の廊下に寝転がったときのようなひんやりとした感触が堪能できる

接触冷感寝具のテストだけであれば枕、シーツ、掛け布団の3点で十分なのですが、これらのをセレクトしているときにどうしても気になったのが「タンスのゲン」で販売されていた「瞬間冷却ひんやりマット」です。なんとQ-max値が0.59！コンクリートのQ-max値が0.6だといいますから、数値を信じるなら鉄筋コンクリートの校舎の廊下に寝そべったときと同等のひんやり感を味わえるということになります。マット1枚でそんな効果が本当に得られるのか、素直には信じられなかったので、ぜひ試してみたかったのです。

実際に試した結果は、ちょっと冷たすぎるほどのレベルでひんやりとしました。しかも、驚くべきことは、90×140cmの「瞬間冷却ひんやりマット」の上では、ほとんど動かずにいてもひんやり感が持続するのです。この点はほかの接触冷感寝具とは大きく異なるところといえます。商品紹介によると60分後も冷たさをキープできるそうです。「瞬間冷却ひんやりマット」だけ、なぜそんなことが可能なのでしょうか。

実はこれにはしっかりと理由があります。「瞬間冷却ひんやりマット」は90×140cmと寝具としてはやや小さめなのですが、重量が5.4kgもあります。表面素材はポリエステル100％ですが、PVCフィルムに密閉された「ユニバーサルソルト」（水、硫酸ナトリウム、セルロース、ピロリン酸塩）が入っているのです。

この「ユニバーサルソルト」は体温で液状化し、その際に吸熱、また常温で結晶化するので身体などに触れていない部分は放熱しながら結晶化。この液状化（吸熱）と結晶化（放熱）を繰り返すことで、人間が快適に眠れる温度である約30度をキープしてくれる仕組みです。

この液状化と結晶化によって接触冷感寝具でありながら、長い時間同じ場所に触れていてもひんやり感が持続するわけです。実際、久しぶりに鉄筋コンクリートの校舎の廊下にでも寝転がったような強いひんやり感を楽しむことができました。

わが家ではリビングでソファ的に使用しているキャプテンスタッグの「エクスギアインフレーティングマット（ダブル）」の上に「瞬間冷却ひんやりマット」を設置したところ、暑い日は2歳の息子すら「瞬間冷却ひんやりマット」の上から動こうとはしません。筆者もビールなどを飲んだあとに火照った身体で「瞬間冷却ひんやりマット」の上に横になると、そのひんやりとした気持ち良さで頻繁に寝落ちしています。

ビニール製の外装に体温で液状化する「ユニバーサルソルト」を密閉しているので、かなりビニール、ビニールした外観になるのと、中に塩がたっぷり入っているので重いという弱点はありますが、効果は絶大。しかも実勢価格は4700円前後と比較的リーズナブルなのでぜひ試していただきたい逸品です。一般的な接触冷感寝具のすぐにぬるくなってしまうという弱点が大きく改善されています。

涼を求めて「瞬間冷却ひんやりマット」の上にやってきたわが家の怪獣。2歳の子どもでもわかるほど、ひんやりして気持ち良いのです

寝苦しい夏に向けて接触冷感寝具は一式での導入がおすすめ

動く度に触れている場所が変化すると冷たさが維持できてより快適

触れる場所が新しくなると、また新たにひんやりとした感触が楽しめるので、寝具一式を入れ替えたほうが高い効果が得られます

実際に使ってみるまでは、本当に効果があるかすら疑っていた接触冷感寝具ですが、思った以上の効果に感心しました。しかし、「瞬間冷却ひんやりマット」以外のアイテムは、基本的に触れているとひんやり効果が比較的短時間でなくなってしまう、という点も分かりました。

このひんやり効果が持続しないという弱点を軽減するためにおすすめの方法が、今回の筆者のように身体に触れる寝具一式をすべて接触冷感アイテムに変更する方法です。枕にシーツ、掛け布団までを接触冷感アイテムにしておけば、寝返りをうったり、ちょっと手足を動かしたりするだけで、それぞれの接触冷感アイテムと触れる部分が変化します。その結果、新たにひんやりとする接触冷感効果が得られるわけです。

そのため、「接触冷感枕だけ」といった接触部分の少ないアイテムだけを接触冷感にするよりも、寝具一式を接触冷感アイテムにしたほうが、より強いひんやり感を得られることになります。また、いったん体で温まった冷感シーツを風をあてて冷ます、という意味でも扇風機の併用がおすすめです。

寝苦しい夏の夜を電気などのエネルギーを消費することなく、ひんやりとしてくれる接触冷感寝具は快適性の面からも、経済性の面からも、環境の面からもおすすめのアイテムです。前述のように寝具一式を冷感モデルにすると導入が効果が大きいのですが、いきなり一式は難しい場合もあるでしょう。もし1品選ぶなら、接触面積の比較的大きく、コストパフォーマンスの高い「除湿×冷感さらひや、続く。さらふわ敷きパッド」あたりから導入してみてはどうでしょうか。