カスタムモードでは、Suno AIにより細かく指示を出せる
次に、AIにより細かく指示を出すことができるカスタムモードを見てみよう。このモードでは、自分で用意した歌詞をSuno AIが作成する音楽に反映させられるほか、楽曲スタイルのタグを自分で指定することができる(歌詞と楽曲スタイルはランダムで付けることもできる)ほか、曲名も自分で指定できる。
今回筆者は、歌詞を作成するにあたり、4つほどのキーワードを考え、最初にChatGPTに歌詞を作成させた。その歌詞をカスタムモードの歌詞入力画面に入力したあと、スタイルを次のように指定した。
“Drum'n'Bass, emotional female vocal, jazzy piano, Liquid synth, Japanese Lyrics(ドラムンベース、エモーショナルな女性ボーカル、ジャズっぽいピアノ、リキッドシンセ、日本語の歌詞)”
今回筆者は、歌詞を作成するにあたり、4つほどのキーワードを考え、最初にChatGPTに歌詞を作成させた。その歌詞をカスタムモードの歌詞入力画面に入力したあと、スタイルを次のように指定した。
“Drum'n'Bass, emotional female vocal, jazzy piano, Liquid synth, Japanese Lyrics(ドラムンベース、エモーショナルな女性ボーカル、ジャズっぽいピアノ、リキッドシンセ、日本語の歌詞)”
そうすると指示どおり、エモーショナルなメロディーの歌モノ・ドラムンベース曲が作成された。
しかし、ノーマルモードよりも細かい指示が出せるとはいえ、カスタムモードでも曲のBPM(テンポ)やキーは指定できない。仮に指定したとしても、Suno AIが対応できないため、好みのテンポやメロディーを音楽に反映させたい場合は、それっぽい指示(例:Drum'n'Bassのようなジャンルや emotional female vocalというボーカルスタイルなど)を出す必要がある。そうすれば、完全に指示どおりとはいかないが、ある程度は自分の好みに沿った音楽が作成される。
カスタムモードの優れた点として挙げられるのは、「リミックス(Remix)」と「続きの展開を作る(Continue From This Clip)機能だ。リミックス機能では、一度作成した曲の歌詞や楽曲のスタイルの変更ができる。ただし、曲のスタイルを変えた場合、曲のメロディーが大幅に変わることもあるため、一般的にイメージされる“リミックス曲”が作成できるというわけではない。
一方、続きの展開を作る機能では、文字どおり、一度作成した曲の続きの展開を作成できる。Suno AIによって元の曲を踏襲した展開が作成されるため、歌詞を入れ替えたものを2〜3つ作り、続けて聴けば、ある程度ちゃんとした1曲として聴ける音楽になる。ただし、続きの展開となる音源の後ろと前は必ずしも忠実に元音源と繋がるものになっていないため、確実にひとつの曲にしたい場合は、DAW(音楽制作ソフト)などでその部分を編集する必要がある。
しかし、ノーマルモードよりも細かい指示が出せるとはいえ、カスタムモードでも曲のBPM(テンポ)やキーは指定できない。仮に指定したとしても、Suno AIが対応できないため、好みのテンポやメロディーを音楽に反映させたい場合は、それっぽい指示(例:Drum'n'Bassのようなジャンルや emotional female vocalというボーカルスタイルなど)を出す必要がある。そうすれば、完全に指示どおりとはいかないが、ある程度は自分の好みに沿った音楽が作成される。
カスタムモードの優れた点として挙げられるのは、「リミックス(Remix)」と「続きの展開を作る(Continue From This Clip)機能だ。リミックス機能では、一度作成した曲の歌詞や楽曲のスタイルの変更ができる。ただし、曲のスタイルを変えた場合、曲のメロディーが大幅に変わることもあるため、一般的にイメージされる“リミックス曲”が作成できるというわけではない。
一方、続きの展開を作る機能では、文字どおり、一度作成した曲の続きの展開を作成できる。Suno AIによって元の曲を踏襲した展開が作成されるため、歌詞を入れ替えたものを2〜3つ作り、続けて聴けば、ある程度ちゃんとした1曲として聴ける音楽になる。ただし、続きの展開となる音源の後ろと前は必ずしも忠実に元音源と繋がるものになっていないため、確実にひとつの曲にしたい場合は、DAW(音楽制作ソフト)などでその部分を編集する必要がある。
Suno AIで作成した音楽は、Suno AIのコミュニティに向けて一般公開するかどうかを選択できる。また、動画ファイルやオーディオファイルとして書き出すこともできる。
ちなみにDAWを使った音楽制作の経験があるなら、生成AIが作った音源を編集したあとに手持ちのソフトシンセを使うなどして、AI生成音楽をブラッシュアップしてみるのもいいだろう。筆者は、Suno AIが生成した音源を4つDAWに並べて編集したあと、手持ちのサンプルループやソフトシンセを使用し、約4分の楽曲にしてみた。
Suno AIのPro PlanとPremier Planでは商業利用もできるため、ユーザーはAI生成音楽を“サンプリング”した楽曲をリリースして、YouTubeやSpotifyで配信・収益化することも可能だ。
Suno AIのPro PlanとPremier Planでは商業利用もできるため、ユーザーはAI生成音楽を“サンプリング”した楽曲をリリースして、YouTubeやSpotifyで配信・収益化することも可能だ。
音楽生成AIの使用用途は使い手それぞれに委ねられている?
DAWやハードウェアのシーケンサーを使った音楽制作経験がある筆者にとって、Suno AIでの音楽作成体験は従来の音楽制作のプロセスを簡略化したものだと感じた。つまり、自分でシンセを弾いたり、ドラムを打ち込んだり、エフェクトを使って音を加工したりする必要なく、テキストで指示さえ出せば、頭の中にある音楽を具現化できるということだ。
しかし、現段階のSuno AIで作成できる音楽のクオリティは、予想したよりは高いものの、まだまだ人間のアーティストが作ったものには及ばない印象もある。とはいえ、AIが作成した音源をサンプリングするなど、何か自分で手を加えることで、人間がよりクリエイティブに音楽生成AIを活用する方法もあるはずだ。今回、Suno AIを試してみて、そう感じた。
さらに、こういった音楽生成AIの活用の方向性として考えられるのは、AIで作った音楽を不特定多数の人間に聴かせるというのではなく、自分の気分に合わせてAIが作った音楽を楽しむために利用するということだ。
Suno AIのプロモーション動画では、スマートスピーカーで音楽を再生するように、テキストでその時に自分が聴きたいスタイルの音楽の指示を出し、それを楽しむ姿が描かれている。おそらくSuno AIだけでなく、ほかの音楽生成AIでも使用用途として、この方向での発展が念頭に置かれているのではないだろうか?
しかし、現段階のSuno AIで作成できる音楽のクオリティは、予想したよりは高いものの、まだまだ人間のアーティストが作ったものには及ばない印象もある。とはいえ、AIが作成した音源をサンプリングするなど、何か自分で手を加えることで、人間がよりクリエイティブに音楽生成AIを活用する方法もあるはずだ。今回、Suno AIを試してみて、そう感じた。
さらに、こういった音楽生成AIの活用の方向性として考えられるのは、AIで作った音楽を不特定多数の人間に聴かせるというのではなく、自分の気分に合わせてAIが作った音楽を楽しむために利用するということだ。
Suno AIのプロモーション動画では、スマートスピーカーで音楽を再生するように、テキストでその時に自分が聴きたいスタイルの音楽の指示を出し、それを楽しむ姿が描かれている。おそらくSuno AIだけでなく、ほかの音楽生成AIでも使用用途として、この方向での発展が念頭に置かれているのではないだろうか?
You can make great music, whether you're a shower singer or a charting artist. No instrument needed, just imagination.
— Suno (@suno_ai_) December 20, 2023
Make your song today at https://t.co/HG7qM2Jhr5 🎧 pic.twitter.com/vVbWiSPouJ
音楽生成AIの使用用途は、まだ使い手それぞれに委ねられているとも思う。自分なりの使い方を見つけることで、クリエイティブ用途でもパーソナル用途でも、音楽生成AIを活用していけるようになるはずだ。
Jun Fukunaga
ライター・インタビュワー
音楽、映画を中心にフードや生活雑貨まで幅広く執筆する雑食性フリーランスライター・インタビュワー。最近はバーチャルライブ関連ネタ多め。DJと音楽制作も少々。