いまはスマートフォンしか持っていないけれど自分専用のノートPCが欲しい。でも予算はできるだけ抑えたいという場合は、低価格なChromebookを検討してみましょう。低価格モデルといっても使い勝手に大きく影響するディスプレイのサイズや解像度を確保した上で持ち運びがしやすい薄型軽量ボディで、かつ、デザインに優れたモデルがそろっています。

その代わり、このような用途ではCPUやストレージのスペックを抑えることで価格を抑えます。このランクの製品では、CPUはスマートフォンと同等のクラスを採用し、ストレージもスマートフォンやタブレットでの採用例が多いeMMCを載せているモデルが多いです。eMMC搭載の場合、容量も32GBや64GBと絞っているモデルが少なくありません。

ChromeOSそのもので、30GBほど容量を使ってしまうため、32GBモデルだと自分で使える容量はほとんど残っていませんが、オンラインストレージ利用が前提と割り切るのであれば使えないことはありません。とはいうものの、やはり64GB程度の容量は載せておきたいところです。

価格を抑えたChromebookを選択する場合、利用目的としてはビジネス用途とは異なりネットワークに接続してWebの閲覧やインターネットサービスの利用、SNSを使ったメッセージの交換など、スマートフォンに準じた使い方に適しているでしょう。

キーボードを載せているだけに、文章作成はスマートフォンより快適で作業効率も高いです。ドキュメント作成やチャットによるコミュニケーションデバイスとして使うならばノートPCと同じようなビジネス用として使うことも可能でしょう。

レノボ・ジャパンのIdeaPad Slim 360 Chromebookは、価格を下位構成で税込み4万7080円（Web直販）に抑えたモデルです。14型ディスプレイを搭載して解像度は1920×1080ドット、本体搭載のインタフェースとしてUSB 2.0 Type-CとUSB 2.0 Type-A、microSDスロットを用意し、無線LANではIEEE 802.11ac/a/b/g/nが利用できます。

このようにインタフェースが充実していることに加えて、キーボードに定評があるレノボらしく、このモデルでも狭い場所に無理やり詰め込んだレイアウトはなく、それぞれのキーが打ちやすい均等なサイズを確保して配置されています。一方で、CPUにはMediaTek MT8183（動作クロック2GHz、8コア）を採用してシステムメモリ容量は4GB、ストレージはeMMCで容量を64GBに抑えてることで、低価格を実現しています。

最近では「子どもに買ってあげたいノートPC」として、Chromebookを選ぶ親御さんも多いそうです。学校でプログラムの授業が始まるなど、勉強の道具としてパソコンが必要になり、子ども専用に用意したいけれど、なにぶん子どもが使うものなので安く抑えたい、という理由からChromebookを選ぶようです。買ってもらう子どもとしても、自分専用のChromebookを買ってもらえるのはうれしいものです。

また授業で導入される場合も多い「マインクラフト」を専用のパソコンでできる点も楽しみのひとつです。Chromebookに公式対応した「Minecraft: Education Edition」が登場しているので、学校で使うChromebookでもマインクラフトを授業として活用する事例はこれからも増えてくるでしょう。ただ、Minecraft: Education EditionにはOffice 365 Educationのアカウントが必要なので、まずは無料試遊版を試してみることをおすすめします。

またLinuxに抵抗のない人であればJava版もありますので、Minecraft: Education Editionで必要となるOffice 365 Educationのアカウントがない場合は検討してみてもいいでしょう。
マインクラフトを抜きにしても、自分専用のChromebookがあればWebページやストリーミングコンテンツを好きなだけ楽しめるのは子どもにとって意味のあることです。自分専用だからこそ、有効に活用できる使い方を習得できるというものです。

そんな彼らにとって重要なChromebookの条件とはなんでしょうか。まずは無理なく持ち歩ける薄くて軽いボディというのは大切です。持ち歩けることで必要なときにすぐ使えるのはChromebookのような情報機器にとってその存在価値を数倍にも高めてくれます。しかし、さらに重要な条件があります。それは、モノの扱いが乱暴な子どもに使わせてもちょっとやそっとのことでは壊れない堅牢性です。

Chromebookの堅牢性を訴求するのによく使う指標が「MIL規格」です。米国防総省が調達する民生品に対して求める品質基準を定めた規格ですが、この中で指定している耐衝撃性や防滴、防塵などの試験をクリアできたことで堅牢性を示すことができます。2021年11月時点では最新の「MIL-STD-810H」が定められています。子どもに買い与えたChromebookが長期間壊れずに使い続けてもらうことを期待するならば、「MIL-STD-810H」に準拠したChromebookを選びたいところです。

ASUSのASUS Chromebook CX1（CX1101）は、11.6型ディスプレイを搭載した幅291.6×奥行き200.9×高さ19.5mm、重さ1.24キロと携帯性に優れつつもMIL-STD-810Hに準拠し、かつ、高さ約120cmからの落下テスト、天板への25kg重圧力テスト、3万回のディスプレイ開閉テストといったテストをクリアした堅牢性を有するモデルです。

多少“雑”に扱われても長い学校生活を耐え抜いてくれるでしょう。重さが1kg台前半と軽く、かつ、MIL-STD-810H準拠のChromebookの中で2021年中盤登場と比較的新しいのに実売価格が3万円台前半と比較的抑えられているのも子どもに与えるモデルとして適しています。

軽量で堅牢ということは、子どもに安心して使わせるだけでなく、条件が過酷な野外のフィールドワークにも適しているということです。その場合、最大で約13.7時間という長いバッテリー駆動時間がモノをいうはずです。

今回は、Chromebookのおすすめ機種を目的別にご紹介してきました。Chromebookが登場した当初は「とにかく低価格のノートパソコンみたいなもの」という感じの製品が多かったのですが、いまやハイエンドから軽量薄型、そして、低価格でもデザインに優れたモデルまで、非常に幅の広いラインアップがそろっています。

これからChromebookを購入するのであれば、店頭で実物を試してからディスプレイの見易さ、キーボードのつくり（タイプしていてキーがぐらつかないか、タイプした周辺のボディがたわんでいないか）、インタフェースなどのボディの剛性をチェックして、自分の目的とあっているか、安心して使えるかを確認しておくのがいいでしょう。