ペルチェ素子を使った"IoT冷蔵庫"を作ってみた

2022.6.28

戸建ての自宅をIoTハウスにしようともくろんでいる通信会社勤務の、ななみんと申します。実はここ1年ほど、日本全国の酒蔵へ訪問し、四季折々の日本酒をたしなむということにハマっています。そんな趣味に目覚めてしまうと、必然的に日本酒のストックが自宅に増えてきてしまうのです。

そこで、日本酒専用の冷蔵庫を作ろうと思い立ち、ペルチェ素子の冷却キットを購入し作ってみることにしました。

“IoT冷蔵庫”を作りたい

日本酒の理想の保存温度は5〜10度程度と言われています（「火入れ」を一度もしていない「生酒」は除く）。

東京でも冷え込む季節（12月〜3月）の朝晩であれば、ベランダに放置しておいてもいい気がしますが、そういう季節でも昼間は10度を超えることも多いでしょう。そこで、気温が10度を超えたときだけ起動させ、10度以下に冷却する冷蔵庫があれば、必要なときだけ電力を使って冷やすというエコな使い方ができると考えました。

冷却の仕組み

一般に、冷蔵庫の冷却方式には、
　1. コンプレッサー式
　2. ペルチェ冷却式
があります。多くの家庭用冷蔵庫は、1のコンプレッサー式です。冷媒（ひと昔前はフロンが使われていましたが現在は「イソブタン」などのノンフロンが主流）を圧縮（Compress）し、液体から気体に気化する際に周りから熱を奪う（気化熱）ことを利用して冷却させます。

一方、ホテルにあるような小型の冷蔵庫などが採用しているのは2のペルチェ冷却式です。電流を流すと素子の上面で吸熱（冷却）し、下面で発熱（加熱）するという特性を持つ「ペルチェ素子」を利用し、この熱の移動を利用して冷却させます。今回は冷媒を使わず、電流を流すだけで冷却できるペルチェ冷却式を採用したキットを用います。

苦戦ポイント：AliExpressで届くのに3カ月以上かかった

実は去年の夏に「日本酒専用の冷蔵庫を作りたい」と思い立ち、ペルチェ冷却キットを購入しました（1回目）。

ところが2カ月経っても届く気配がなく、セラー（店）に問い合わせたところ「物流会社に返却された」とのお返事。どういうことなのかいまだに不明です……。もう1回購入すると、今度は1カ月後に無事届きました。本当は夏の暑い時期に作りたかったのに、そうこうしているうちにもう冬になり、春が過ぎ、夏が近づきつつあります……苦笑

苦戦ポイント：説明書なし

やっと届いたので開封してみると、部品は完全にそろっていたのですが説明書がありません（AliExpressでの買い物ではよくあります）。ですので、商品ページの参考画像や先人達が作った記録をたどったり、自分自身で勉強しながら組み立てるしかないのです。あわわわわ……。

パッケージには、ペルチェ冷却ユニット、温度センサ、ACDCコンバータ、ファンが入っていました

苦戦ポイント：ハンダ付け不要、ドライバーだけで組み立て可能なはずが……

さらにトラップがありました。

Aliexpressで購入したキットは、基本的にハンダ付けが不要で、配線部分には端子台やターミナルブロックが使われており、ドライバーさえあれば配線することができるのがウリのようなのですが……。

わたしはターミナルブロックを使うのにちょうど良いサイズのマイナスドライバーを持っていなかったので、わざわざ使いやすいようにターミナルブロック式を採用しなくても、ハンダ付けの方が楽だったのに……と思ってしまいました。

わたしの手持ちのドライバーたち。