話題の「GPTs」を作ってみた！自分やチームのナレッジをチャットボット化して共有

2024.2.7

ChatGPTは便利だけど、もう少し特定の目的に合わせてカスタマイズできたら……。

「GPTs（ジーピーティーズ）」が、そんな願いを叶えます。GPTsとは、ChatGPTを個々の目的に合わせてノーコードでカスタマイズできる機能です。「ChatGPTはもともと便利だし、カスタマイズって必要？」と思う人もいるかもしれません。一方で「何でもできる」といわれても何をすればいいのか、かえって迷っていた人もいるはずです。

その意味で、ある程度できることが絞られており、何かに特化したチャットボットは、そんな迷いがないのが嬉しいところ。ChatGPTを開発・運営するOpenAIも彼らが作成したツールを公開しています。画像生成やデータ解析、ギフト選びの参考になるものなど、さまざまなカスタムチャットボットが並びます。

OpenAIが作成・公開しているGPTs

ただ、誰かのカスタムによるチャットボットは、やっぱりかゆいところに手が届かないような気もするもの。既存のチャットボットに対し、「こういうところがもう少し〇〇だったら……」と、物足りなさを感じることもあるでしょう。

GPTsなら「どのようなツールを作りたいのか」を指示した後、チャット形式で必要な情報に関する質問に答えていくと、誰でも簡単に「ChatGPT」を搭載したツールを作成することができるのです。早速、自分の目的に沿ったチャットボットを作ってみましょう。

目的を伝えるだけでカスタムされたGPTができる

「My GPTs」から「Create a GPT」をクリックすると、作成画面が現れます。

「どんなツールを作りたい？」との質問に、「メイクやスキンケアに関する質問に答えるGPTを作りたい」と回答しました

英語での質問にこちらからは日本語で回答していますが、特に困ることはありません。日本語のやり取りを希望する場合は、事前にChatGPTのオプション「Custom instructions（カスタム指示）」で、あらかじめ日本語でやり取りできるよう設定しておくのもいいでしょう。

さて、私の場合は作りたいツールの「目的」を入力しましたが、「どのような問題を解決したいか」という切り口で情報を入力しても、十分にこちらの思いをくみ取ってもらえます。「自然言語の対話でよく、コーディングの知識は不要」とは聞いていましたが、この点は想像以上にスムーズでした。

自然な対話でチャットボットができていく

「やりたいこと」を答えるだけで、その意図をくんだチャットボットの名前を提案してくれて、さらにプロフィール写真も自動で生成してくれます。なお、ここでは提案される名前や画像ではなく、自分で用意したものを入力・アップロードして使うことも可能です。

さて、ここまで2分もかかっていないと思います。早速、質問をしてみます。

My GPT「ビューティアドバイザー」ができた

私の作った「ビューティーアドバイザー」の回答はこんな感じです。

早速質問をしてみる

コスメ売り場にはびっくりするほどの種類のファンデーションが売られており、どれを使っても一定レベルの満足感は得られます。しかし、自分にピッタリくるファンデーションを選ぶのは、実は至難の業なのです。

「ビューティーアドバイザー」の回答はかなり詳細ではありますが、「初めてのファンデーション選び」「あまりメイクの経験がない人向き」のような、ごく基本的な項目を挙げてきたと感じました。「カジュアルな服装の日のための」「30～40代の大人の女性向けの」といった具体的な指定をしていないせいもあり、ごく無難な回答です。またGPTモデルが学習した内容のみで応答しているため、いわゆる「最新の知見」といったものは反映されてないように思えます。

「内容を絞り込んだモデル」という意味では、このチャットボットにも価値はあると思いますが、先に触れた「Custom Instructions」と機能的には同じと考えていいと思います。独自の特色やプラスアルファがあるわけではなく、「カスタム可能」といっても差別化できる要素はないように思えます。

しかしGPTsでは、作成するGPTに関するいろいろな項目を自分で追加カスタマイズできます。仮に「欲しいサービスはあるけれど、細かい部分は煮詰まっていない」という状態でも、ここまでのプロセスのような対話形式でGPTを作ることはできますし、さらに、そのアウトプットを見て自分なりにさらにカスタマイズを行い、細部を詰めていく……。そんな使い方もできるのです。

どうせなら蓄積した自分の知見も反映させたい！GPTsをさらにカスタマイズする