冬が始まって急激に冷え込んでくると心配になるのが、急激な温度変化によってめまいや失神、心筋梗塞、脳卒中などを引き起こす「ヒートショック」です。特に脱衣所や浴室での温度差に注意が必要です。高齢者、高血圧、動脈硬化の方はリスクが高まります。
対策としては入浴前に脱衣所を暖めるほか、シャワーや湯船のフタで浴室を暖めるといった対策が有効です。特におすすめしたいのが、脱衣所にコンパクトで邪魔にならない暖房器具を設置すること。
家電エバンジェリストとして執筆のほかテレビなどにも出演する筆者が、脱衣所の後付け暖房器具の選び方とおすすめ製品を紹介します。この機会に、親御さんが暮らす実家の脱衣所も見直してみてはいかがでしょうか。
対策としては入浴前に脱衣所を暖めるほか、シャワーや湯船のフタで浴室を暖めるといった対策が有効です。特におすすめしたいのが、脱衣所にコンパクトで邪魔にならない暖房器具を設置すること。
家電エバンジェリストとして執筆のほかテレビなどにも出演する筆者が、脱衣所の後付け暖房器具の選び方とおすすめ製品を紹介します。この機会に、親御さんが暮らす実家の脱衣所も見直してみてはいかがでしょうか。
ヒートショック対策向けの脱衣所暖房の選び方は?
ヒートショック対策として脱衣所暖房を選ぶ際は、安全性と機能性を両面に考慮することが重要です。
火災対策を万全にしましょう
脱衣所は、服を脱ぎ着したり、タオルがあったりと、燃えやすい衣類が常にむき出しになっています。さらに水滴や湿気が多いため、電気製品がショートしやすい危険な環境でもあります。火災リスクを避けるため、特に発熱体が剥き出しになる電気ストーブは避けましょう。安全機能として、万が一本体が倒れた際に自動で電源が切れる転倒時自動停止機能は必須です。小さな子どもがいる家庭ではチャイルドロック機能も有効です。過熱防止機能など、複数の安全装置が搭載されているかを確認しましょう。
暖房方式によって得意・不得意があります
暖房器具には、内部の発熱体からの熱をファンで送り出すファンヒーターのほか、発熱体がむき出しの電気ストーブ、薄いパネルが発熱するパネルヒーター、熱を内部で循環させるオイルヒーターなどがあります。
ファンヒーターは速暖性に優れ、ファンで温風を送り出すため脱衣所全体を素早く暖めるのに適しています。安全性が高く、消費電力も比較的手頃な製品が多いです。
ファンヒーターは速暖性に優れ、ファンで温風を送り出すため脱衣所全体を素早く暖めるのに適しています。安全性が高く、消費電力も比較的手頃な製品が多いです。
ファンヒーターは安全性が高いのが魅力です
電気ストーブは、発熱体の種類によってカーボンヒーター、シーズヒーター、ハロゲンヒーターなどと呼ばれますが、どれも発熱体がむき出しのためやけどや火事のリスクがあります。そのため、狭い脱衣所への床置きには向いていません。
ヒーターがむき出しの電気ストーブは、床置きは厳禁です
パネルヒーターは輻射熱で体をじんわりと暖めます。空気を乾燥させにくく、燃焼を伴わないため安全性も高いですが、速暖性はファンヒーターに劣る場合があります。
オイルヒーターも輻射熱で暖めますが、立ち上がりに時間がかかるため、短時間で暖めたい脱衣所には不向きな場合が多いです。
オイルヒーターも輻射熱で暖めますが、立ち上がりに時間がかかるため、短時間で暖めたい脱衣所には不向きな場合が多いです。
オイルヒーターは安全性が高いものの、速暖性がないのが欠点です
脱衣所には速暖性があって脱衣所から浴室まで幅広く暖めることができ、安全性も高いセラミックファンヒーターが特におすすめです。
壁掛け式なら転倒の不安もなく使える
設置方法は大きく床置き式、壁掛け式の2つに分かれます。床置き式は移動が可能で、脱衣所以外の場所でも一時的に使用したい場合に便利です。転倒防止対策がしっかりしているかを確認しましょう。設置場所のコンセントが近くにあるか、延長コードの使用は避けて直接接続できるかなども考慮するといいでしょう。
壁掛け式は床置きスペースを取らず、すっきりと設置できます。コンセントの位置や壁の補強の有無、設置工事が必要かどうかも確認しましょう。
壁掛け式は床置きスペースを取らず、すっきりと設置できます。コンセントの位置や壁の補強の有無、設置工事が必要かどうかも確認しましょう。
消費電力の大きいものを選びましょう
エアコンの場合は省エネ性能によって暖房能力に差が出ますが、ヒーターを使用する暖房器具の場合、暖房能力は消費電力に比例します。ヒートショック対策で脱衣所や浴室を暖める場合、入浴直前の短時間で暖められるように消費電力の大きい製品を選ぶのがおすすめです。
便利機能にも注目
ヒートショック対策として、節電や消し忘れ対策として便利な機能にも注目しましょう。
温度センサーによる温度調節機能があれば、好みの室温に設定して快適になるだけでなく、暖めすぎを防げます。
洗面所で手や顔を洗うとき、脱衣所で着替えるときに水滴が飛ぶ場合があるため、防水・防滴性能があるとより安心して使えます。
タイマー機能があれば入浴のタイミングに合わせて自動で運転開始・停止を設定でき、常に快適な室温を保てます。
人の出入りを感知して自動で暖房をオン/オフする人感センサー機能を利用すると、つけ忘れや消し忘れがなくなり、省エネにもつながります。ただし、人感センサーは人がいなくなると2~3分や5分など製品によってオフになる時間が異なります。入浴前に脱衣所を十分に暖める前に電源が切れてしまう場合もあるので、使う際には取扱説明書をよく読んで使うか使わないかを検討するといいでしょう。
基本的には歯みがきや洗顔、手洗いなどの通常使用には人感センサーモードを使用し、入浴前にはモードを切り替えてしっかり暖めておくという使い分けがおすすめです。
温度センサーによる温度調節機能があれば、好みの室温に設定して快適になるだけでなく、暖めすぎを防げます。
洗面所で手や顔を洗うとき、脱衣所で着替えるときに水滴が飛ぶ場合があるため、防水・防滴性能があるとより安心して使えます。
タイマー機能があれば入浴のタイミングに合わせて自動で運転開始・停止を設定でき、常に快適な室温を保てます。
人の出入りを感知して自動で暖房をオン/オフする人感センサー機能を利用すると、つけ忘れや消し忘れがなくなり、省エネにもつながります。ただし、人感センサーは人がいなくなると2~3分や5分など製品によってオフになる時間が異なります。入浴前に脱衣所を十分に暖める前に電源が切れてしまう場合もあるので、使う際には取扱説明書をよく読んで使うか使わないかを検討するといいでしょう。
基本的には歯みがきや洗顔、手洗いなどの通常使用には人感センサーモードを使用し、入浴前にはモードを切り替えてしっかり暖めておくという使い分けがおすすめです。
お手入れのしやすさも重要
湿気が多い場所で使用するため、フィルターの掃除などがしやすいかどうかも長く使う上でのポイントです。

安蔵 靖志
Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。











