TAXELは国内レコメンドウィジェットで唯一のSSP(サプライ・サイド・プラットフォーム、メディア側の収益最大化を図るプラットフォーム)機能を搭載しており、国内主要のインフィードアドネットワークやDSP(ディマンド・サイド・プラットフォーム、広告主が広告効果最適化を図れるプラットフォーム)を複合的に広告配信する仕組みになっています。従来のタイプだとメディア側がこういった広告を入れてほしいと依賴していましたが、TAXELの仕組みだと収益性の高い広告が自動的に配信されるようになっています。
TAXELの場合と一般的なレコメンドウィジェットとの違い
どんな広告、オススメの記事をレコメンド表示するのかは、ユーザーの行動や趣味・嗜好を含めた複雑なアルゴリズムによって実現されていますが、どう表示するのが最適なのかや、UIを掲載する最適な位置などを判断する仕組みも用意されています。
「ユーザーがコンテンツのどこを注視しているのかをヒートマップとして表示する機能があります。例えば、サイトに掲載されているFacebookの投稿ボタンがあまり利用されない場合であれば、もっと注視される位置へ移動したらどうか、さらにはボタン自体を削除してもいいのではないか、といった判断ができます。
またデザインのABテスト機能があり、例えばレコメンドの表示がテキストだけがいいのか、画像とテキストを組み合わせた方がいいのか、をテストすることでより回遊率と収益性がアップするほうを選ぶこともできます。弊社の中でもいろいろと知見が溜まっていますので、勝ちパターンのようなものもすでにあります。あとは各メディアさんのデザインへどのように組み込んでいくのかの判断になるでしょう」(長谷川さん)。
「ユーザーがコンテンツのどこを注視しているのかをヒートマップとして表示する機能があります。例えば、サイトに掲載されているFacebookの投稿ボタンがあまり利用されない場合であれば、もっと注視される位置へ移動したらどうか、さらにはボタン自体を削除してもいいのではないか、といった判断ができます。
またデザインのABテスト機能があり、例えばレコメンドの表示がテキストだけがいいのか、画像とテキストを組み合わせた方がいいのか、をテストすることでより回遊率と収益性がアップするほうを選ぶこともできます。弊社の中でもいろいろと知見が溜まっていますので、勝ちパターンのようなものもすでにあります。あとは各メディアさんのデザインへどのように組み込んでいくのかの判断になるでしょう」(長谷川さん)。
TAXELのヒートマップ機能。ページ上のどこを触っているのか、スクロールの速度などを視覚化して表示します
プライバシー保護がレコメンド機能を低下させる
しかし昨秋から、iOSではITP(インテリジェント・トラッキング防止機能)やIDFA(広告のための識別子)、サードパーティCookieなどの利用制限が加わりました。このため的確なレコメンドがしにくい状況になり、iOS利用者とAndroid利用者とでは、収益性が3、4倍違う状況になっているとのことです。
「iOSの施策により相当な影響があったと感じています。実は、Androidでも2023年からサードパーティ Cookieが段階的に廃止されるんです。iOSの影響から考えると、Androidでも同様のことが起きるかもしれません。Googleはそれに代わる技術を提唱しようとしていますが、先行きは不明です。
ただ新しい技術も生まれており、メディア側が会員登録などでユーザーのメールアドレスを持ち、広告主側もユーザーのメールアドレスを持っていたとすると、それを個人が特定できないようにハッシュ化した上で、紐づけすることができるようになります。そのため、利用するユーザーのメールアドレスを持っているメディアはこの先、非常に有利になる可能性があります」(長谷川さん)。
「iOSの施策により相当な影響があったと感じています。実は、Androidでも2023年からサードパーティ Cookieが段階的に廃止されるんです。iOSの影響から考えると、Androidでも同様のことが起きるかもしれません。Googleはそれに代わる技術を提唱しようとしていますが、先行きは不明です。
ただ新しい技術も生まれており、メディア側が会員登録などでユーザーのメールアドレスを持ち、広告主側もユーザーのメールアドレスを持っていたとすると、それを個人が特定できないようにハッシュ化した上で、紐づけすることができるようになります。そのため、利用するユーザーのメールアドレスを持っているメディアはこの先、非常に有利になる可能性があります」(長谷川さん)。
iOS14から導入されたトラッキングを許可するか否かのポップアップ。ほとんどの人が許可しないをタップしているといいます
ユーザーのメールアドレスを取得するためには、無料でも会員化する必要があります。どうすれば多くの会員を取得できるのか。これを解決する策はメディアをかなり悩ませることになりそうです。
このように、直帰率を改善する施策を考えようとした場合、より複雑化されている現在、メディア内の人材だけで解決するのはかなり難しいでしょう。TAXELは大きなメディアが対象のサービスですが、こうした専門業者の知見や技術力を活用していかないと、収益力に大きな差が生まれてしまいます。もしメディアの運営を任されているのであれば、親身になって相談に乗ってくれ、最適な解決策を提案している専門業者を捕まえられるかどうかが、成功の鍵になるのではないでしょうか。
このように、直帰率を改善する施策を考えようとした場合、より複雑化されている現在、メディア内の人材だけで解決するのはかなり難しいでしょう。TAXELは大きなメディアが対象のサービスですが、こうした専門業者の知見や技術力を活用していかないと、収益力に大きな差が生まれてしまいます。もしメディアの運営を任されているのであれば、親身になって相談に乗ってくれ、最適な解決策を提案している専門業者を捕まえられるかどうかが、成功の鍵になるのではないでしょうか。
飯島 範久