新年を迎えてしばらく経つと、多くの人を悩ませるのが「花粉症」です。スギやヒノキは春にピークを迎えますが、イネ科の植物やシラカバなどを含めると花粉は一年中飛散しています。
花粉を水際でブロックするためには空気清浄機が大きな役割を果たします。家電エバンジェリストとして執筆のほかテレビなどにも出演する筆者が、花粉症の水際対策に役立つ空気清浄機の選び方とおすすめ製品を紹介しましょう。
花粉を水際でブロックするためには空気清浄機が大きな役割を果たします。家電エバンジェリストとして執筆のほかテレビなどにも出演する筆者が、花粉症の水際対策に役立つ空気清浄機の選び方とおすすめ製品を紹介しましょう。
適用床面積は部屋の畳数に合わせず「実際の部屋の2~3倍」を選ぼう
空気清浄機には「適用床面積(〇〇畳用)」という表記がありますが、これは30分で空気を清浄できる部屋の広さの目安を表しています。つまり適用床面積が大きければ大きいほど、部屋の空気を素早く清浄できることを示しています。例えば8畳の部屋なら、適用床面積25畳の場合は約11分、31畳なら約9分で空気をきれいにしてくれるというわけです。外出先から帰宅したばかりで衣服にたくさんの花粉が付着している場合や、換気をした直後などは、できるだけ素早く部屋の空気を清浄してもらいたいですよね。そこで適用床面積はできるだけ大きいものを選ぶようにしましょう。実際の部屋の2~3倍を目安にするといいでしょう。
適用床面積は、実際の2~3倍を選ぶとよい
空気の吸込口は、前面や側面にあるのがベスト
空気清浄機は、空気中に浮遊する有害物質を除去してくれるようなイメージを持たれているかもしれませんが、花粉に関してはそうとも言い切れません。というのも花粉は、ばいじんや粉じん、ディーゼル車の排出ガスに含まれる物質などの浮遊粒子状物質(PM10)や、さらに小さい微小粒子状物質(PM2.5)などと比べるとかなり大きくて重く、床に落ちやすいためです。ちなみに粒径10μm以下の物質であるPM10の落下速度は毎秒数mm程度なのに対し、粒径30μm程度の花粉は毎秒約2~3cmで落下するといわれています。人の鼻や口の高さを約1.5mとすると、そこから50~75秒程度で床に落ちてしまうわけです。
そこで花粉対策として空気清浄機を選ぶ上では、「床上にたまる花粉を効率的に吸引できるかどうかどうか」が重要になります。本体前面下部のほか、できれば左右の側面にも吸込口を設けている製品なら安心です。
そこで花粉対策として空気清浄機を選ぶ上では、「床上にたまる花粉を効率的に吸引できるかどうかどうか」が重要になります。本体前面下部のほか、できれば左右の側面にも吸込口を設けている製品なら安心です。
フィルターは「HEPAフィルター」で必要十分
空気清浄機は、室内に漂う有害物質を内蔵するファンがもたらす風によって吸引し、内部のフィルターに吸着させることで有害物質を除去します。そのため、内部のフィルターの除去性能は重要です。
現在、主要メーカーのほとんどが0.3μmの粒子を99.97%以上キャッチする「HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター」を採用しています。粒径約30μm程度の花粉に比べて遥かに小さい微粒子まで吸着できるため、HEPAフィルターであれば十分です。
ちなみに以前には、HEPAフィルターよりも補修性能が高い「ULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルター」を使った製品もありました。しかしULPAフィルターはフィルターの目が細かすぎて目詰まりを起こしやすいことや、十分な風量を確保できないこともあって、現在ではHEPAフィルターが主流になっています。
ダイキン工業の「TAFUフィルター(Tough Ageless Fit Utility:静電HEPAフィルター)」や、「0.1μmまでの有害物質を99.97%除去する」とうたうブルーエアの「HEPASilentテクノロジー」のように、独自の名称を付けたフィルターを採用するメーカーもあります。これらもHEPAフィルターの一種なので安心して使えます。
現在、主要メーカーのほとんどが0.3μmの粒子を99.97%以上キャッチする「HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター」を採用しています。粒径約30μm程度の花粉に比べて遥かに小さい微粒子まで吸着できるため、HEPAフィルターであれば十分です。
ちなみに以前には、HEPAフィルターよりも補修性能が高い「ULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルター」を使った製品もありました。しかしULPAフィルターはフィルターの目が細かすぎて目詰まりを起こしやすいことや、十分な風量を確保できないこともあって、現在ではHEPAフィルターが主流になっています。
ダイキン工業の「TAFUフィルター(Tough Ageless Fit Utility:静電HEPAフィルター)」や、「0.1μmまでの有害物質を99.97%除去する」とうたうブルーエアの「HEPASilentテクノロジー」のように、独自の名称を付けたフィルターを採用するメーカーもあります。これらもHEPAフィルターの一種なので安心して使えます。
10年交換不要のカラクリとは?
国内大手メーカーの空気清浄機は、その多くが「10年間フィルター交換不要」をうたっています。海外メーカーや国内メーカーの一部では半年に1回、もしくは1年に1回程度の交換が必要とうたっているのに対して、かなりメンテナンス費用がかからなくて安心……と思えますよね。
しかし実際には、「10年交換不要」を実現するためのメンテナンス作業が必要になります。国内大手メーカーの空気清浄機はほとんどが本体外部に「プレフィルター」と呼ばれる網戸のような部品を配置しており、そこで大きいホコリをキャッチすることで、内部のフィルターの目詰まりを防いでいます。プレフィルターにはホコリがたまりやすいので、ホコリがたまったら掃除機などで取り除く必要があります。そのほか、集じんフィルターや脱臭フィルターに付着したホコリを掃除機で吸い取るなど、必要に応じてメンテナンスしなければなりません。そうやってメンテナンスすることで、10年間交換しなくても使えるというわけです。それでも臭いが気になったり、空気清浄性能が不十分だと感じたりした場合はフィルター交換をおすすめします。
しかし実際には、「10年交換不要」を実現するためのメンテナンス作業が必要になります。国内大手メーカーの空気清浄機はほとんどが本体外部に「プレフィルター」と呼ばれる網戸のような部品を配置しており、そこで大きいホコリをキャッチすることで、内部のフィルターの目詰まりを防いでいます。プレフィルターにはホコリがたまりやすいので、ホコリがたまったら掃除機などで取り除く必要があります。そのほか、集じんフィルターや脱臭フィルターに付着したホコリを掃除機で吸い取るなど、必要に応じてメンテナンスしなければなりません。そうやってメンテナンスすることで、10年間交換しなくても使えるというわけです。それでも臭いが気になったり、空気清浄性能が不十分だと感じたりした場合はフィルター交換をおすすめします。
プレフィルターの掃除をこまめに行うと、HEPAフィルターが長持ちする
「10年間フィルター交換不要」としていない製品でも、プレフィルターの掃除が必要な場合もあります。とはいえ、基本的にはフィルターを交換するだけでメンテナンス作業は不要になっていますので、国内大手メーカーの製品に比べて手入れがラクなのは魅力です。
定期的なメンテナンスをしながら維持コストを抑えられる国内大手メーカーか、定期的にフィルターを交換して性能を維持しながら使い続けるその他のメーカーかは、好みに合わせて選ぶといいでしょう。
定期的なメンテナンスをしながら維持コストを抑えられる国内大手メーカーか、定期的にフィルターを交換して性能を維持しながら使い続けるその他のメーカーかは、好みに合わせて選ぶといいでしょう。
臭いが気になる場合は脱臭フィルターにも注目
空気清浄機には脱臭フィルターを搭載している製品も数多くあります。空気中にあるチリよりも小さい科学物質や浮遊菌、臭いの元などを吸着して除去できるので、快適性がかなりアップします。
空気清浄機が搭載するフィルターのイメージ
一般的なメーカーは1種類の脱臭フィルターしか用意していませんが、ダイキン工業の場合は別売で「特化型脱臭フィルター」を利用できる製品もあります。ダイキンの場合は「靴・下駄箱臭用」「介護臭用」「ペット臭用」「トイレ臭用」「加齢臭用」と5種類の特化型脱臭フィルターを別売品として用意しています。花粉やハウスダスト、PM2.5などの悩みに加えて臭いの悩みもある家庭には、こうしたオプションを用意している製品がおすすめです。
その他のチェックポイントは?
花粉対策用として空気清浄機を購入する場合に着目したいその他のポイントを紹介しましょう。
花粉対策用運転モードの有無
ダイキンの「花粉コース」、パナソニックの「花粉撃退運転」など、花粉対策用の運転モードを用意している製品もあります。
ダイキンの「花粉コース」は5分ごとに風量が「標準」と「弱」とで切り換わり、ゆるやかな気流を起こして花粉が床に落ちる前にキャッチしやすくするというもの。パナソニックの「花粉撃退運転」は、高感度ハウスダストセンサーなどの感度をアップし、パワフルな気流制御で花粉が落ちる前に積極的に集じんするというものです。
基本的には大風量ファンでパワフルに循環させた部屋の空気をフィルターからしっかり吸引できればOKなのですが、花粉症でお悩みの方には分かりやすい運転モードが用意されている方がより安心できるのではないでしょうか。
ダイキンの「花粉コース」は5分ごとに風量が「標準」と「弱」とで切り換わり、ゆるやかな気流を起こして花粉が床に落ちる前にキャッチしやすくするというもの。パナソニックの「花粉撃退運転」は、高感度ハウスダストセンサーなどの感度をアップし、パワフルな気流制御で花粉が落ちる前に積極的に集じんするというものです。
基本的には大風量ファンでパワフルに循環させた部屋の空気をフィルターからしっかり吸引できればOKなのですが、花粉症でお悩みの方には分かりやすい運転モードが用意されている方がより安心できるのではないでしょうか。
イオン・除菌機能の有無
シャープの「プラズマクラスター」、パナソニックの「ナノイー・ナノイーX」、ダイキンの「アクティブプラズマイオン」など、各社それぞれにイオン放出機能を備えています。各社とも狭い閉鎖空間で花粉の無害化を実現するとしていますが、広い室内での効果はあまり期待しない方がいいでしょう。
一方、これらのイオン機能は、活性炭フィルターに付着した化学物質や浮遊菌、臭いの元などの分解・抑制でき、フィルターの寿命を伸ばすことが期待できます。
一方、これらのイオン機能は、活性炭フィルターに付着した化学物質や浮遊菌、臭いの元などの分解・抑制でき、フィルターの寿命を伸ばすことが期待できます。

安蔵 靖志
Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。













