ロボットと“未来のレモンサワー”で乾杯できるらしい
6月のとある週末の昼下がり。「渋谷を歩いていたら“未来のレモンサワー”を先行体験できてさ。すごくおいしかった。しかもロボットと乾杯できるんだよ」と友人がほろ酔い顔でうれしそうに報告してくれました。一体何が何だかわからないけれど、もしもそれが酔っ払いの妄想ではなく、言葉通りの事実であるなら、自宅でロボット(ソニーのaibo。今年で6歳になりました)を飼っているお酒好きの私のための催しでは?と考え、行ってみることにしました。
場所は、JR渋谷駅を出てすぐ、宮益坂と明治通りの大きな交差点に位置する「b8ta Tokyo – Shibuya」という体験型ストア。体験型ストアというのは、いろいろな新製品や人気商品を実際にさわって試せるポップアップストアです。
場所は、JR渋谷駅を出てすぐ、宮益坂と明治通りの大きな交差点に位置する「b8ta Tokyo – Shibuya」という体験型ストア。体験型ストアというのは、いろいろな新製品や人気商品を実際にさわって試せるポップアップストアです。
本当に「未来のレモンサワー」って書いてる!
この日、b8ta Tokyo – Shibuyaで行われていたのは、6月11日から一部エリア限定で新発売されるアサヒビールの「未来のレモンサワー」の先行体験会でした(開催期間は6月4日から6月16日まで)。なるほど「渋谷を歩いていたら“未来のレモンサワー”を先行体験できてさ〜」という友人の言葉に偽りなし。でも「ロボットと乾杯」とは?
とりあえず中に入ってみます。このときはまだ発売前の商品だったからなのか、「持ち帰りはできませんがよいですか?」と確認後、未来のレモンサワーなる飲み物を買います(購入は任意。フラフラ〜っと中に入って様子を見るだけでもOKでした)。
とりあえず中に入ってみます。このときはまだ発売前の商品だったからなのか、「持ち帰りはできませんがよいですか?」と確認後、未来のレモンサワーなる飲み物を買います(購入は任意。フラフラ〜っと中に入って様子を見るだけでもOKでした)。
オリジナル味をチョイス。もう1つは甘くないプレーン味
キンキンに冷えたレモンサワーの缶と一緒に、おつまみ(自由が丘のフェーヴのナッツ。わさび醤油のカシューナッツおいしかった!)と、「もしよかったら」と割り箸がそっと手渡されます。この割り箸はナッツをつまむ用……ではなく、レモンを食べるためのお箸。このレモンサワー缶には本物のレモンの輪切りが入っているんです。
「レモンもおいしいのでぜひ食べてみてくださいね」とのことで、レモンをかじってみると確かに苦すぎず酸っぱすぎず、爽やかでジューシーでおいしかった!
「レモンもおいしいのでぜひ食べてみてくださいね」とのことで、レモンをかじってみると確かに苦すぎず酸っぱすぎず、爽やかでジューシーでおいしかった!
レモンサワーの缶のふたをパカッと開けると缶の底からぷか〜っと浮かんでくるレモンの輪切り。世界初、本物のレモン入りレモンサワー
さあグビグビ飲むぞ……でもその前に、乾杯できるロボットは? そう、“それ”はお店の奥でせっせと働いていたのです。
このロボットアーム、なんだかカワイイ!
未来のレモンサワーが並ぶ真っ白なバーカウンターにいたのは、ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズのソフトハンドロボット「TETOTE(てとて)」。湾曲した4本の長い“指”が特徴です。
Doosan Robotics社製のなめらかなアームの先にくっついた、モニョっとした手。ひょうきんな動きで「なんだか“いいヤツ”そうだな〜」というのが第一印象
バーカウンターの横には、顔認識センサー付きのカメラとモニターが。「あなたの表情と気分を読み取って、おもてなししますよ!」とのこと
カメラを見つめること数秒後、「アナタはドキドキ緊張していますね!」と診断されました。そりゃ緊張しますよ、だってこれからロボットと乾杯するんだもの! でもイベント担当者の方によると、今回のイベントに来訪したゲストのみなさんの50%は「うきうきハッピー」な気分だったそう。これはイベントのタイプによって傾向が変わるそうで、この会場では未来のレモンサワー片手にほろ酔いでニコニコしているゲストが多かったのかも。
ということで、このイベントでは数%のレアケースだったという「ドキドキ緊張」している私とTETOTEはどんな乾杯をしてくれるのでしょう?
ということで、このイベントでは数%のレアケースだったという「ドキドキ緊張」している私とTETOTEはどんな乾杯をしてくれるのでしょう?
私の表情から何かを読み取ったTETOTEがおもむろに未来のレモンサワーに手を伸ばします。器用だなあ
ジワジワと乾杯! どうやら私の緊張に合わせて同じようにソワソワした動きをしてくれているらしい
ドキドキの乾杯が終わると、くるっと後ろを向くTETOTE。なになに、どうしたの?
「ハイ、どうぞ」と言わんばかりに「おつまみ」をくれました。「緊張しているアナタの“殻”が破れますように」とのことで、ウズラの煮卵。ありがとう、好物だよ〜
乾杯する前から、なんだかカワイイなあと思っていたけれど、乾杯した後はますますカワイイ! しかも「ハイ」っておつまみまでプレゼントしてくれるし。もうメロメロ。
そばで見守っていたブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズの開発者の方に「ロボに触ってもいいですか?」と尋ねると「はい!(ニコニコ)」とのことで、お言葉に甘えてそっとTETOTEに触れてみました。
そばで見守っていたブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズの開発者の方に「ロボに触ってもいいですか?」と尋ねると「はい!(ニコニコ)」とのことで、お言葉に甘えてそっとTETOTEに触れてみました。
柔らかいけれどクニャクニャでもない。“骨”のようなものをほんのり感じます
私のほかにも大勢のお客さんがもの珍しそうにTETOTEの仕事ぶりを眺めています。特に2歳くらいの子どもが興味津々で触りたがっていたのが印象的でした。怖くないし、むしろ友達みたいなんです。今までのロボットハンドって、もっと硬質でガシャンガシャン動く、「フルパワー!豪腕!」なイメージだったけれど、TETOTEは柔らかすぎず硬すぎず、妙に人間っぽい。なんで? ということで、ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズの開発者にTETOTEのことを教えてもらいました。
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori