「近所の本屋さん」は減っているというのに、私がオンライン書店でめっきり本を買わなくなった理由

2025.6.26

「私の町の本屋さん」が全然ない問題

さて、我が趣味である「書店に行くこと」を2025年の東京でたしなむには、渋谷や池袋といった繁華街や本の街である神保町まで足を運ぶことになります。前述したとおり書店は減り続け、特に「近所の本屋さん」がどんどん閉店しているからです。

例えば私の最寄り駅周辺の書店は昨年全て閉店し、跡地にはドラッグストアが出店したりしています（ドラッグストアだって便利ですから、新店ができたらハッピーなんですけどね）。

ところが、国内旅行で「その町の本屋さん」に遭遇することが、私にはよくあります。

普段から「私の町に本屋さんがないよ〜」と慢性的に感じている身としては、旅先の書店はオアシス。つい立ち寄って、その土地と縁もゆかりもないフツーの文庫本を2冊ほど買って、滞在先の温泉宿や帰りの新幹線の中で読んだりしています。で、読みながら「……いいなあ、あの町には本屋さんがあって」なんて思ってしまう。

高村智恵子が夫・光太郎に言ったという「東京には空がない」よろしく「東京には書店がない」とつい言ってしまいたくなるけれど、いや待てよ、これははたして「本当のこと」なのでしょうか。

というのも、ほんの数日だけ滞在した場所の「実際の姿」なんてのは、私にはわからないからです。しかもその旅先の「大きな駅」で書店を発見して「本屋さんだ〜〜〜！」とはしゃいでいることを考えると、比較するべきは「東京の大きな駅」なんです。すると東京駅周辺には大きな書店が3つあり、渋谷駅周辺にも書店が3つある！

Gensparkでアタマを冷やしてみよう

「東京には書店がない（だが地方都市にはある、うらやましい！）」という私の体感と実態のギャップを知りたく、調べ物が得意な生成AIのGensparkに調査してもらいました。

まずは「都道府県別の書店数、書店密度、人口あたりの店舗数、売り場面積」を調査してくださいとGensparkにザックリ伝えて待つこと数分。細かい数字の表とともに、「日本の都道府県別書店分布調査スライド資料」も作ってくれました。

まずは調査概要。

Gensparkが調査した都道府県別の書店数など

47都道府県の「人口10万人あたり書店数、売り場面積ランキング」をもとに、地域特性もまとめてもらいました。ちゃんと図書館の数や蔵書数もあわせて調べてくれているあたり、気が利いてます。

都市部で小さな書店がなくなり、大型書店への集約が進んでいることは、まさに私が体感していることでした

さて、「私の町に本屋さんがある」ということは「私という1人の人間が道を歩けば本屋にぶつかる」ともいえます。つまり書店へのアクセシビリティを考えるヒントとして、各都道府県の面積当たりの書店数密度も調べてもらうことに。

地理的にも狭く、街がびっしりつまった東京がぶっちぎりの1位

さらに「都道府県別無書店自治体割合」を見ると、地理的な条件や自治体の規模、そして災害や人口の分散も関わってくるため「私の町に本屋がない」のは、東京に限ったことではなく、むしろ東京は町（自治体）ごとに本屋があるほうだとわかりました。

シンプルに「私が道を歩けば、（やがて）本屋にぶつかる」チャンスが高いのは、やはり東京のようです。「東京には書店がない」なんて言ってごめんね東京都。そして道を歩いてそこに書店があれば、私はとりあえず店内に吸い込まれていくので、たくさん街に出て気長に歩き、趣味を堪能すればいい、というわけです。そうすればいつか必ず「私の本屋さん」は見つかるわけですから。