スリーアップの充電式マルチフォールディングファンは非常に軽量コンパクト
支柱をもっとも伸ばした状態、高さ約920mm(右)と収納状態直径約197mm×高さ約108mm(左)で並べてみました
LEDライト・首ふり機能も搭載してデスク用としてもリビング用としても使える1台
今回の記事で試した4台の中でもっともコンパクトで軽量なのが、スリーアップの「充電式マルチフォールディングファン(LF-T2204)」です。実勢価格は約9000円前後で重さは約1.1kg。大きさは使用時は直径約197mm、高さは約360〜920mm、収納時は直径約197mm、高さは約108mm。
収納時のサイズはちょっと厚手のクッキーの缶程度なので、収納場所を選びません。しかしながら、使用時の高さは約360mmから約920mmまで伸縮可能なので、デスク用の扇風機としても、リビング用の扇風機としても活躍してくれます。
円柱状に折りたたみ可能なだけでなく、当然3.7V 7200mAhのバッテリーを内蔵。このバッテリー使用時に「強」で約5時間、「中」で約8時間、「弱」で約12時間駆動します。首振り機能も搭載しており、自動首振り+送風では満充電のバッテリーで「強」で約3時間、「中」で約4時間、「弱」で約6時間の連続使用が可能。自動首振りの左右方向に約40度(左右各約20度)で、充電に必要な時間は約7時間です。
さらにファンのガード部分のフチに円形にLEDライトが設置されており、暗い場所などでライトとしても活用できます。LEDライトの明るさは2段階で調整が可能。
収納時のサイズはちょっと厚手のクッキーの缶程度なので、収納場所を選びません。しかしながら、使用時の高さは約360mmから約920mmまで伸縮可能なので、デスク用の扇風機としても、リビング用の扇風機としても活躍してくれます。
円柱状に折りたたみ可能なだけでなく、当然3.7V 7200mAhのバッテリーを内蔵。このバッテリー使用時に「強」で約5時間、「中」で約8時間、「弱」で約12時間駆動します。首振り機能も搭載しており、自動首振り+送風では満充電のバッテリーで「強」で約3時間、「中」で約4時間、「弱」で約6時間の連続使用が可能。自動首振りの左右方向に約40度(左右各約20度)で、充電に必要な時間は約7時間です。
さらにファンのガード部分のフチに円形にLEDライトが設置されており、暗い場所などでライトとしても活用できます。LEDライトの明るさは2段階で調整が可能。
支柱を最も縮めた、一番背の低いスタイルにした写真。高さは約360mmしかないので、テーブルの上などにも配置しやすいです
ファン部分だけでなく、土台部分も直径約197mmなので、風量を出すためにファンを高速で回し、駆動音がかなり大きいのではないかと懸念していました。しかし、実際には「強」で至近で計測しても60db程度とかなり静か。そして、ファンサイズが小さいにも関わらず、かなりしっかりとした風量が確保されていました。
操作系は「LEDライトボタン」「オフタイマーボタン」「首振りボタン」「風量ボタン」「電源ボタン」とシンプル。LEDライトは2段階、OFFタイマーは1/2/4時間を設定可能、風量は強/中/弱の3段階で設定が可能です。極論、説明書を読まなくても操作に迷うことはないでしょう。
よくできたコンパクトで折りたたみできてバッテリー駆動可能な扇風機で、支柱が高さ360〜920mmで伸縮。デスク上で使うときは低く、リビングで使うときは高くといった調整のできる構造がとても便利なのですが、最大の高さまで伸ばしたときは、やや不安定な印象も受けました。また、軽量コンパクトを目指した弊害か、作りがややきゃしゃな印象も受けます。この点は直販サイトで購入すると基本の1年保証に加えて6カ月の延長保証のが付いてくるというサービスもあるので活用すると安心です。
カラーバリエーションは「アイボリーウッド」と「ブラウンウッド」の2色でどちらもインテリアになじみやすい落ち着いた色合いな点もうれしいところです。リビング用のメイン扇風機としては少し小さく、全体的なきゃしゃさから、もう少し安定感がほしいとは感じますが、LEDや自動首ふりなど多機能でコストパフォーマンスが高い、折りたたみ式バッテリー駆動可能な扇風機、といった印象です。2台目以降にスポット的に使うなら非常におすすめです。
操作系は「LEDライトボタン」「オフタイマーボタン」「首振りボタン」「風量ボタン」「電源ボタン」とシンプル。LEDライトは2段階、OFFタイマーは1/2/4時間を設定可能、風量は強/中/弱の3段階で設定が可能です。極論、説明書を読まなくても操作に迷うことはないでしょう。
よくできたコンパクトで折りたたみできてバッテリー駆動可能な扇風機で、支柱が高さ360〜920mmで伸縮。デスク上で使うときは低く、リビングで使うときは高くといった調整のできる構造がとても便利なのですが、最大の高さまで伸ばしたときは、やや不安定な印象も受けました。また、軽量コンパクトを目指した弊害か、作りがややきゃしゃな印象も受けます。この点は直販サイトで購入すると基本の1年保証に加えて6カ月の延長保証のが付いてくるというサービスもあるので活用すると安心です。
カラーバリエーションは「アイボリーウッド」と「ブラウンウッド」の2色でどちらもインテリアになじみやすい落ち着いた色合いな点もうれしいところです。リビング用のメイン扇風機としては少し小さく、全体的なきゃしゃさから、もう少し安定感がほしいとは感じますが、LEDや自動首ふりなど多機能でコストパフォーマンスが高い、折りたたみ式バッテリー駆動可能な扇風機、といった印象です。2台目以降にスポット的に使うなら非常におすすめです。
ファンのガード部分のフチにLEDライトを装備しています。明るさは2段階で選択でき、アウトドアではもちろん、自宅などでも読書灯などとして役立ちます
エアドッグ「The Fan portable」はお値段以外は最高の1台
もっとも背の高くなる状態まで支柱を伸ばしたエアドッグ「The Fan portable」。カラーバリエーションはホワイトとマットブラックがあり、写真はホワイトです
センサーで室温に応じて風速を自動調整する「スマートモード」を搭載するサーキュレーター扇風機
直径約296mm・高さ約164mmの円筒状に収納できるエアドッグ「The Fan portable」。すでにTVCMなどでご存じ方も多いのではないでしょうか。実勢価格はエアドック公式HPで3万8500円。ちょっとしたスポットクーラーよりも高価な、折りたたみ式のバッテリー駆動可能なサーキュレーター扇風機です。
今回紹介した4つの扇風機の中で唯一リモコンを標準装備し、風量は12段階で調整可能。約60度の首振り機能、1時間単位で1〜12時間でのオン/オフタイマー、30分ごとに風量レベルを1ずつ下げるスリープモード。さらには温度センサーを内蔵して室温に応じて風量を自動調整するスマートモードまで搭載しています。
エアドッグ「The Fan portable」の最大の特徴は土台ベースから3段階に伸縮可能なピラー(支柱)の長さと角度、ファンとファンガードを合わせたヘッド部分の角度を組み合わせることでさまざまな形状アレンジが可能なこと。高さ約400mm以下に形状アレンジしてデスクの上などで使ったり、真上に風が当たる形状にアレンジして洗濯物を乾かしたり、高さ約800mmの一般的なリビング扇風機スタイルで使用したりと、好きな場所で好きな形状アレンジで使用できる仕組みで、これがとても便利。風速12レベルなら、室内であれば約15m先まで風が届くほどの威力で、空気を循環させるサーキュレーターとしても十分パワフル。メーカーが「サーキュレーター扇風機」と呼ぶのも納得です。
今回紹介した4つの扇風機の中で唯一リモコンを標準装備し、風量は12段階で調整可能。約60度の首振り機能、1時間単位で1〜12時間でのオン/オフタイマー、30分ごとに風量レベルを1ずつ下げるスリープモード。さらには温度センサーを内蔵して室温に応じて風量を自動調整するスマートモードまで搭載しています。
エアドッグ「The Fan portable」の最大の特徴は土台ベースから3段階に伸縮可能なピラー(支柱)の長さと角度、ファンとファンガードを合わせたヘッド部分の角度を組み合わせることでさまざまな形状アレンジが可能なこと。高さ約400mm以下に形状アレンジしてデスクの上などで使ったり、真上に風が当たる形状にアレンジして洗濯物を乾かしたり、高さ約800mmの一般的なリビング扇風機スタイルで使用したりと、好きな場所で好きな形状アレンジで使用できる仕組みで、これがとても便利。風速12レベルなら、室内であれば約15m先まで風が届くほどの威力で、空気を循環させるサーキュレーターとしても十分パワフル。メーカーが「サーキュレーター扇風機」と呼ぶのも納得です。
土台ベースの重さやしっかりとした支柱によってさまざまな形状アレンジが可能なエアドッグ「The Fan portable」。この自由度の高さもとても魅力的です
また、リチウムイオンバッテリー7.4V 4000mAhを内蔵しており、レベル1なら約25時間、レベル12(最大)でも約2時間連続動作可能だといいます。満充電に必要な時間は約3.5時間と短めなのもありがたい。専用のキャリーバッグが標準装備なのでキャンプなどのアウトドアへの持ち出しも容易です(ただし、リチウムイオンバッテリー内蔵のため、使用上の注意として「直射日光のあたる炎天下に放置しないでください」と喚起されています)。
「The Fan portable」を使って最も驚いたことは、その静かさ。仕様上の運転音は、最大のレベル12で45dB、最小のレベル1で15dB。45dBは静かな図書館レベル、15dBはほとんどの音がない状態です。静かな事務所でも50dB程度といわれているので、ファンから至近で計測してみました。
すると最大のレベル12で60dBに満たない程度。また我が家は何もしなくても35dB程度の騒音がありますが、最小のレベル1では「The Fan portable」を動かしても計測値が変化しないレベル。我が家のパソコン、Mac miniのほうがうるさいというちょっと驚く結果でした。今回、使用したほかの扇風機と比べても、体感で明らかに分かるほど静かです。
ちょっとうらやましくなるほど高性能な「The Fan portable」。ネックになるのは3万8500円という価格だけでしょう。カラーはホワイトとマットブラックの2色が用意されており、エアドック公式HPではホワイトモデルはお届けまで3〜4週間、マットブラックモデルでも1週間前後という人気ぶりです(2023年7月中旬現在)。性能、デザイン、価格までを考慮しても現在最も気になる、折りたたみ式のバッテリー駆動可能な扇風機と言えるのではないでしょうか。
「The Fan portable」を使って最も驚いたことは、その静かさ。仕様上の運転音は、最大のレベル12で45dB、最小のレベル1で15dB。45dBは静かな図書館レベル、15dBはほとんどの音がない状態です。静かな事務所でも50dB程度といわれているので、ファンから至近で計測してみました。
すると最大のレベル12で60dBに満たない程度。また我が家は何もしなくても35dB程度の騒音がありますが、最小のレベル1では「The Fan portable」を動かしても計測値が変化しないレベル。我が家のパソコン、Mac miniのほうがうるさいというちょっと驚く結果でした。今回、使用したほかの扇風機と比べても、体感で明らかに分かるほど静かです。
ちょっとうらやましくなるほど高性能な「The Fan portable」。ネックになるのは3万8500円という価格だけでしょう。カラーはホワイトとマットブラックの2色が用意されており、エアドック公式HPではホワイトモデルはお届けまで3〜4週間、マットブラックモデルでも1週間前後という人気ぶりです(2023年7月中旬現在)。性能、デザイン、価格までを考慮しても現在最も気になる、折りたたみ式のバッテリー駆動可能な扇風機と言えるのではないでしょうか。
折りたたんで収納状態にした「The Fan portable」。大きさは直径約296mm・高さ約164mmの円筒状、イメージとしては洗い桶くらいのサイズです
設置場所と収納場所・扇風機の二大問題を解決
折りたたみ式のバッテリー駆動可能な扇風機は、将来的には当たり前になるかもしれない
高さを変更できる機種を高い位置にした状態。左からアピックスインターナショナルの「SOTOMO Solar Power Fan2」、エアドッグの「The Fan portable」、スリーアップの「充電式マルチフォールディングファン」、ドウシシャの「TATAMU type-T」
今回、アピックスインターナショナル「SOTOMO」シリーズの「Solar Power Fan2」、ドウシシャの「TATAMU type-T」、スリーアップの「充電式マルチフォールディングファン」、エアドッグの「The Fan portable」と、価格差はあるものの折りたたみ式バッテリー駆動可能な扇風機4機種を実際に使ってみましたが、結果的に「将来的には、扇風機はほとんど折りたたみできてバッテリー駆動可能なものなるだろうな」と感じました。
筆者の家の物置を見ても、既存の形状の扇風機は明らかに収納場所を取りますし、カバーが必須。サーキュレーターとしてオールシーズン使うという方を除くと、季節家電なので年の3/4は収納されているのに、かさばるという致命的な弱点である「収納場所」の問題はやはり大きいでしょう。円筒形に折りたためたり、薄くたためたりと、今回紹介した扇風機はそれぞれ、この「収納場所」問題をクリアしています。
また、扇風機として涼を得るには、扇風機の風が身体に当たる必要があります。ということは、身体に風が当たる位置に扇風機を設置できなくては意味がないわけです。いつも同じ場所に風を送るなら、扇風機の位置もいつも同じ場所でいいのでしょうが、ソファの上で寝てしまった子どもとか、熱気のこもった脱衣場や洗面所でちょっと使いたいとか、家の庭や玄関先で夕涼みをしたいといったシーンでは、そこまで電源を延長コードで伸ばすなどの「設置場所」の問題が発生します。
しかしバッテリー駆動可能な扇風機なら、そんな心配はいりません。天気の悪いときに室内干した洗濯物を乾かすのだって、扇風機本体を移動するだけ。バッテリー駆動なら「設置場所」の問題もクリアしてくれます。
多少違いはあっても、基本的に扇風機は扇風機。風が発生するだけなどと思い、筆者もずっと古い扇風機を使ってきましたが、今回「折りたたみ」と「バッテリー駆動」で従来の二大弱点「収納」と「設置」の場所問題がクリアされると扇風機の使い勝手は大きく向上すると実感できました。
猛暑に向けて扇風機の買い増しや買い替えを予定している方は、折りたたみできてバッテリー駆動可能な扇風機も選択肢に入れてみてはどうでしょうか。
撮影協力:フォーエバーキャンピングパラダイス
筆者の家の物置を見ても、既存の形状の扇風機は明らかに収納場所を取りますし、カバーが必須。サーキュレーターとしてオールシーズン使うという方を除くと、季節家電なので年の3/4は収納されているのに、かさばるという致命的な弱点である「収納場所」の問題はやはり大きいでしょう。円筒形に折りたためたり、薄くたためたりと、今回紹介した扇風機はそれぞれ、この「収納場所」問題をクリアしています。
また、扇風機として涼を得るには、扇風機の風が身体に当たる必要があります。ということは、身体に風が当たる位置に扇風機を設置できなくては意味がないわけです。いつも同じ場所に風を送るなら、扇風機の位置もいつも同じ場所でいいのでしょうが、ソファの上で寝てしまった子どもとか、熱気のこもった脱衣場や洗面所でちょっと使いたいとか、家の庭や玄関先で夕涼みをしたいといったシーンでは、そこまで電源を延長コードで伸ばすなどの「設置場所」の問題が発生します。
しかしバッテリー駆動可能な扇風機なら、そんな心配はいりません。天気の悪いときに室内干した洗濯物を乾かすのだって、扇風機本体を移動するだけ。バッテリー駆動なら「設置場所」の問題もクリアしてくれます。
多少違いはあっても、基本的に扇風機は扇風機。風が発生するだけなどと思い、筆者もずっと古い扇風機を使ってきましたが、今回「折りたたみ」と「バッテリー駆動」で従来の二大弱点「収納」と「設置」の場所問題がクリアされると扇風機の使い勝手は大きく向上すると実感できました。
猛暑に向けて扇風機の買い増しや買い替えを予定している方は、折りたたみできてバッテリー駆動可能な扇風機も選択肢に入れてみてはどうでしょうか。
撮影協力:フォーエバーキャンピングパラダイス
齋藤 千歳
フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。