「近い将来最も行きたい国」1位は日本！アジア10カ国、海外旅行意識調査から見るインバウンド成功の鍵

2022.12.19

日本の自然や地方都市への関心が高まっている

さらに過去に訪日旅行の経験がある回答者に対して、訪日旅行の満足度を聴取したところ、全体の60.1％が「非常に満足」と回答しました。

その回答者が日本滞在中に体験したことは、「自然・景勝地」（80.2％）、「日本食」（75％）、「歴史的建造物・史跡」（52.7％）の回答が多く、日本独自の体験に魅力を感じ、高い満足感を得ていることが推測できます。

回答をエリア別に見てみると、東アジアでは「日本食」（75.5％）、ASEANでは「自然・景勝地」（71.7％）が1位でした。さらに国・地域別では、韓国とタイでは「温泉」、中国では「日本酒」という回答が多く、史跡や景勝地といった観光と同じく、食も日本独自の体験の1つとして認識されていることがうかがえます。

そして「近い将来日本に行く予定がある・行きたいと思っている」と回答した人を対象に、今後日本を訪れたらどんな体験をしたいか尋ねたところ、全体で「日本食を楽しむ」（64.7％）、「自然・景勝地の観光」（58.3％）、「四季を体感（桜、紅葉、雪など）」（57.1％）、「温泉」（48.2％）、「ショッピング」（44.2%）が上位5位となりました。

6位以降のアクティビティは国・地域によって差があり、中国、香港、ベトナムでは「日本のポップカルチャー」「アニメ」、インドネシア、フィリピンでは「テーマパーク」への関心が高いようです。また、ASEANの各国では「農山漁村体験」「ウィンタースポーツ」を選択した回答者が多く、都市だけでなく地方滞在への興味関心も高まっていると考えられます。

訪日旅行時に体験したいこと

周遊旅行と都市滞在が人気

訪日旅行の希望滞在日数は、全体平均は9.89日間でした。

エリア別で見ると、東アジアの平均が7.48日間であるのに対し、ASEANは11.10日間と比較的長く滞在したい意向がうかがえます。希望する滞在スタイルでは周遊旅行（32.4％）と都市滞在（25.9％）の人気が高く、1つの都市だけでなく、いろいろなエリアを見て回りたいと考えていることが推測されます。

円安の後押しによる高い消費意欲

急激な円安が進む現在の状況下で日本での消費意欲をヒアリングしたところ、中国、韓国、香港、シンガポール、ベトナムでは半数以上が「消費意欲が高い」（非常に高い・やや高いを合算）と回答しました。

また、訪日旅行時の消費予算（渡航費・宿泊費を除く）は、全体では「20～30万円未満」（23.4％）が最も多く、続いて「10～15万円未満」「15～20万円未満」（同率18.1％）という結果となりました。

地域別では、中国（47.1％）やシンガポール（54.4％）は「30万円以上」（30～50万円未満、50万円以上を合算）の回答が約半数を占めています。

訪日旅行時の消費予算

いかに日本のファンを増やすか

今回の調査によって、外国人観光客は訪日への関心が強く、円安も追い風となって消費意向も高いことが見えてきました。日本食や自然、景勝地の観光は日本を訪れる強い要因であり、さらに日本のカルチャーとして根付いたアニメやテーマパークなどエンターテインメントへの需要もうかがえます。

また、観光地については東京、大阪、京都といったゴールデンルートが引き続き安定した人気を誇りますが、今後は地方都市も重要な観光地となる可能性があります。各地で観光資源や魅力を外国人観光客向けにアピールして認知度向上を図るとともに、多言語化などの受け入れ体制を整えることが重要となるでしょう。

GMOリサーチはアンケートの結果を踏まえて、「いかに日本のファンを増やしてリピーターを獲得するかが、今後のインバウンド成功の鍵となるのではないか」と述べています。