ChatGPTから精度の高い「思い通りの答え」を引き出すポイント

2023.10.4

精度の高い回答は「役割を与える」ことで生まれる

ChatGPTは、シンプルな質問にはごく一般的なふんわりした回答を返してきます。詳しい答え、踏み込んだ答えは、ある程度選択肢を狭めたほうが得やすくなります。

たとえば、あなたの趣味が読書だからといって「何か面白い本を教えて」とだけ聞かれても困ってしまうでしょう。「小説？実用書？あなたにとって“面白い”ってどんなこと？」と聞き返したくなると思います。

ChatGPTも同じです。具体的な役割を与えることで、回答の精度が上がります。ChatGPTは「優しい友達のよう」でもあり、「なかなかの演技派」でもあります。回答の精度を上げたいとき、より掘り下げた答えが欲しいときは「あなたは〇〇の専門家です」と指示してみましょう。必ずしも「専門家」と書かなくても、「ジムのインストラクターです」「プロの〇〇です」でもOKです！

ここで得た難しい説明をかみ砕いた簡単なものに変えたいときは「小学生でもわかるように書き直して」と指示します。もう少し難易度を調整したいなら「1年生」「6年生」のように、年齢層も指示に含めるといいです。

「ギャル語で書きなおして」とお願いしてみても、面白い結果を得ることができました。

ちょっとしたお遊びのようにも見えますが「〇〇の立場として振る舞ってほしい」という指示に、こんなに器用に応じてくれるのはAIチャットならではだと思います。

また、長文のニュースなどの要点を急いで知りたいようなときも、「このニュースを300字で要約して」など、具体的な文字数を指示したほうが「長すぎてあまり要約されてない」「要約がざっくり過ぎる」といった不満が生まれにくいです。

とにかく「指示を具体的に」が使いこなしのキモです。役割を与えることはその一環です。相手が人間であれば「指示した役割」をこなせないこともありますが、ChatGPTは指示が具体的であればあるほど、求める答えに近づきますよ。

コミュニケーションを取ろう

ChatGPTの能力とあわせて、ChatGPTから求める回答を引き出すための指示文「プロンプト」も注目されています。「こんなことができるのか」と驚くような指示文がある一方で、ネットで拾ったプロンプトをそのまま入力してみても、なんとなくしっくりこない回答が返ってくることも少なくありません。それより、小学生でもわかるようなかみ砕いた質問を何度か重ねていくほうが、よほど納得いく答えが得られることもあります。プロンプトの例文を探すのも悪くないですが、ChatGPTとコミュニケーションを取るつもりで対話してみてはいかがでしょう？

たとえば、ある要望を伝えたあとに「足りない情報は私に質問して」と付け加えると、答えを出すのに、また答えの精度を上げるのに必要な質問を、ChatGPTが返してきます。

「抜け漏れがないかチェックして」も、普段の話し言葉に近いのに使える一文です。ひとつの事柄を複数人でチェックする「クロスチェック」が、なぜ必要かといえば、違う視点からのチェックによって、気づかなかったミスを発見することができるから。ChatGPTなら、有能な第三者の目になって、チェックをしてくれます。

「ミスを絶対に見逃したくない場合は、書類作成者と仲の悪い者にチェックをさせろ」ともいわれるクロスチェック。これを気兼ねなくお願いできるのも、「絶対にイヤな顔をしない」ChatGPTだからこそです。仲の悪い人にチェックを頼まなくてもいいし、「また同じことで間違えている！」「同じことを何度も聞かないで！」と怒られることもありません。

平易な言葉でいいので、「思ったこと」「やってほしいこと」をどんどん投げかけて、ChatGPTとコミュニケーションを取るのが「使いこなし」への近道です。

仕事を奪われることを恐れない

大事なのは、この優しい友人に仕事を奪われるのを恐れないことです。

ChatGPTを活用してみようと言われても、「AIに仕事を奪われる気がする」と不安を感じる人も多いようです。しかし、ChatGPTに取って代わられたほうが効率的な業務は、あえて代わってもらうのもいいのではないでしょうか。

今まで⾃分でやっていた仕事のうち、単純な作業や業務は積極的にChatGPTに振ってみましょう。より質の高いアウトプットと、時間が手に入るかもしれません。生まれた時間で、さらに自分のスキルを磨いてみては？そのためにも、ChatGPTを「手なずける」方法をいろいろ試してみてほしいと思います。