箱根の紅葉シーズン、見頃をどう知る？温泉も充実エリア!?見どころ・穴場、渋滞回避ルートまで全部教えます！

2024.10.18

箱根湯本・塔ノ沢周辺【見頃：11月中旬〜12月上旬】

函嶺洞門（かんれいどうもん）〜早川（玉ノ緒橋）

箱根駅伝でおなじみだった函嶺洞門は、国道1号線を土砂災害から守るため、1931年に作られた半開放のトンネルです。幅が狭く、大型車両のすれ違いが困難だったため、バイパスが整備された2014年に通行禁止となりましたが、箱根路の近代化の象徴として2015年、国の重要文化財に指定されています。紅葉シーズンにはトンネルの上を色づく葉が覆うようにかぶさって、大変美しい光景となります。

トンネルを覆うような紅葉が美しい

函嶺洞門には箱根湯本駅から土産物店などが並ぶ駅前の通りを抜けて、歩いていくこともできます。旭橋の先は道の右側にしか歩道がないので、道の右側を通るとよいでしょう。また、箱根湯本駅から大平台・宮ノ下方面へ行く箱根登山バスや伊豆箱根バスの塔ノ沢バス停からもすぐです。

徒歩で来た方は、函嶺洞門からさらに大平台・宮ノ下方面へ進むと玉ノ緒橋に出ます。ここから早川を眺めると、川のカーブに沿って紅葉を上流側にも下流側にも望むことができます。

玉ノ緒橋から早川のカーブを眺めたところ

玉ノ緒橋は、箱根登山バス・伊豆箱根バスの上塔ノ沢バス停からもすぐ。箱根登山電車の塔ノ沢駅からもアクセスできます（駅との間は階段で上下することになります）。函嶺洞門から玉ノ緒橋の間は道が非常に狭く、カーブが多く、大型車両を含む交通量も多いので、十分注意して通行してください。

出山鉄橋（箱根登山電車）

箱根といえば登山電車。箱根湯本から強羅まで、標高差445メートルを力強く登るこの登山電車の沿線も、紅葉スポットとして押さえておきたいところ。中でも出山の鉄橋は見逃せません。早川橋梁、通称出山の鉄橋は、現存する日本最古の鉄道橋。1888年に天竜川に架けられた橋梁（きょうりょう）のうちの1連を転用したトラス橋です。

紅葉をバックに早川橋梁（出山の鉄橋）を登山電車が行く

塔ノ沢駅を出てトンネルを2本くぐり抜けた先に、出山の鉄橋はあります。「ん？電車に乗っていたら鉄橋のまわりの紅葉の様子は分からないのでは？」と思ったあなた。ご安心ください。渓谷のこんな感じの景色を橋の上から楽しむことができます。

橋の上から出山峡谷を眺めると……

川床から鉄橋までの高低差は43メートル。ハイシーズンには鉄橋の上で数秒電車を止めてくれることもあるので、クルマで国道1号線を通り過ぎるより、紅葉をじっくり眺められる確率は高いでしょう。

箱根湯本は箱根の温泉場の中でも最も古くからの歴史を持つ「湯本温泉」として、源泉数でも宿泊施設数でも抜きん出た存在で、日帰り温泉施設もあります。湯本から出山にかけての「塔ノ沢温泉」も江戸初期から開かれた由緒ある温泉場。登録有形文化財の老舗旅館や渓谷に架かるつり橋を越えてアクセスする宿など、趣深い宿が多く、印象的です。

紅葉シーズン、激混みの箱根路でオススメの迂回路は？

紅葉シーズンの土日祝日、箱根の主要道路は激混みとなります。よほどの荒天でない限り、バス以外の公共交通機関の利用がオススメです。ただ、仙石原周辺にはどうしてもバスの便しかないことや、ペット連れ、子ども連れなどでクルマを利用したい方もいるはず。そこで、混雑回避のTipsを。

早朝〜午前が狙い目

芦ノ湖湖畔の湖尻園地や仙石原すすき草原、橋や渓谷の遊歩道など、24時間いつでも立ち入ることができる場所は、早朝が狙い目。また混雑する美術館や公園なども、開場時間を狙って行けば、案外ゆったり過ごすことができるはずです。首都圏を朝出た人がたどり着く、あるいは宿泊者がチェックアウト後に移動を始める11時までに行動しましょう。

混雑・渋滞ポイントは決まっている

紅葉シーズンでなくても混雑するのが、箱根湯本の2カ所にある横断歩道の近辺。小田原方面行き、宮ノ下方面行きともに渋滞します。回避するのに使える迂回（うかい）路のオススメはこちら。

- 小田原方面との行き来
第1選択肢として「箱根新道（国道1号線バイパス）」、第2選択肢として「箱根旧街道（県道732号線）」があります。小涌谷や強羅周辺と小田原との行き来でも、場合によっては芦ノ湖近くまで遠回りすることになっても箱根新道や旧街道を使う方が早いことがあります。ちなみにこのコースで通るお玉ヶ池や甘酒茶屋、七曲がりといった道中でも、紅葉は楽しめるでしょう。

お玉ヶ池の紅葉

「気持ちよく走りたい！」というドライビング重視の方なら、芦ノ湖〜大観山から「アネスト岩田ターンパイク箱根」を利用するのもアリ。アニメ・漫画『MFゴースト』の舞台にもなったコースで、大観山からは天気がよければ紅葉と芦ノ湖の向こうに富士山を望むこともできます。

大観山から望む紅葉、芦ノ湖、そして富士山！

- 東京・川崎・横浜方面との行き来
東名高速道路との行き来では、御殿場インターチェンジの利用も検討しましょう（東名道の御殿場厚木間の事故渋滞や通行止めにだけはご注意を）。御殿場と仙石原をつなぐ国道138号線は、上下線ともにほぼ渋滞しません。乙女トンネルと仙石原の間にある、富士屋ホテル仙石ゴルフコース前にある紅葉は見事です。

以上、さまざまな角度から箱根の紅葉スポットを紹介してきました。本当はほかにも、行きつけのカフェやホテルの庭、日帰り温泉の露天風呂にある紅葉や、ハイキングコースで見られる草紅葉などなど、ピンポイントでお気に入りの紅葉はいくつもあります。ただ、今回は交通の便やアクセスのしやすさなどを優先して、オススメの場所をピックアップしました。

最後に筆者イチオシのスポットとして、紅葉のタイミングさえ間違えなければハズレなしの「箱根美術館（神仙郷）」、見過ごされがちな穴場の「湖尻園地」を推薦したいと思います。

季節の進み方（気温の下がり方）や日照、乾燥の度合いで、毎年、葉っぱの色づき具合は異なります。今年、あなたがご覧になる紅葉が美しいものでありますように！