今年は幕張メッセだったよ!ド派手レーザーと火柱と音楽のお祭り「GMO SONIC 2026」

花森 リド

GMOインターネットグループSpecialイベント映画・音楽

そこが埼玉でも千葉でも、海外アーティストは「サンキュー、トーキョー」と叫ぶ

今回はGMO SONIC史上初の幕張メッセでの開催でした。幕張メッセって建造物の形状がドカンと巨大な四角形なので、ドリンクやグッズのブースを整列させやすいんですよね。そして休憩スペースである飲食のフロアと、ステージのフロアとのつながりも緩やかで、GMO SONIC恒例の楽しみ方「踊り疲れたらベンチやイスに座ってノンビリ鑑賞する」が幕張メッセでも可能だったのはとても良かったです。

遠くから見てもJO1は華やかでカッコよかった(Photo by masanori naruse)

そうそう、キッチンカーがたくさん集まって、例年以上にメニューが豊富だったのも良かった!

4人前に見えるがこれは3人前で、さらに巨大ターキーレッグ1本も完食(筆者撮影)

ところで幕張メッセは千葉県にあります。その証拠に、ニューヤマザキデイリーストア 幕張メッセ店では、千葉県のキャラクター“チーバくん”のぬいぐるみ(立体のチーバくんは、正面から見ると千葉っぽさは皆無であるが愛嬌のある生き物)やタオルが大変目立つ場所で売られており、それだけは飽き足らないのか店員さんが折ったであろう折り紙製のチーバくんが店内の壁にペタペタ貼られていました。

ニューヤマザキデイリーストア 幕張メッセ店の強い千葉愛を思うと、私は東京近郊の「ある宿命」を考えずにはいられません。それは、幕張メッセでパフォーマンスする海外アーティストは、基本的にみんな「トーキョー!」と言いながらオーディエンスに手を振ること。「トーキョー!」じゃない場合は「ジャパーン!」です。「チバ〜!」はまず聞かない。

“西海岸の宴会部長”と私が勝手に呼んでいるSTEVE AOKIも「トーキョー!」とシャウト。ステージ登場時はこんな風に自身のレーベルDimMakのセットアップ姿で厚着だったのに、ちょっとずつ脱いで最終的に半裸になっていました(Photo by masanori naruse)

これは幕張メッセに限った話ではなく、さいたまスーパーアリーナに来る海外アーティストも「トーキョー!」と呼びかけます。ファンも海外アーティストの日本公演があるときは「東京公演はさいたまスーパーアリーナでやるらしいよ〜」などとナチュラルに言いますし。なので、現在のような「東京近郊は全部トーキョーだぜ」のスタイルで何も構わないのですが、STEVE AOKIのサラッサラの髪に感動しつつ、誰一人取り残さない感じの陽気なDJプレイを聞きながら、頭のすみっこでは「ここはチーバくんのぬいぐるみが買えるハコなんだよなあ」としみじみしてしまいました。

GMOを連呼する新しい学校のリーダーズ

東京じゃなくて千葉だが、なんとなく全員が「ここはトーキョー」と感じる空間で、「GMO!」と大声で何度も叫んでいたのが、自称“青春日本代表”こと新しい学校のリーダーズ。来てくれてうれしかった〜〜〜!

“旅館で食べた出来立ての茶碗蒸しより熱い”と評されるパフォーマンスが特徴の新しい学校のリーダーズ。全員熱かった&かわいかった(Photo by masanori naruse)

新しい学校のリーダーズは、学校の上履き&ハイソックス&セーラー服で歌って歌って踊って踊って……という感じで、一度見ると一生忘れないタイプのアーティストです。歌唱力と身体能力、そしてチームワークの良さが非常に美しい。ついでにいうと全曲メンバー自らが振り付けを考えているそうで、いったいどういういきさつでその動きに行き着いたのか知りたいような謎ムーブばかりでクセになる。もちろん一世を風靡した『オトナブルー』の首振りダンスも彼女たちが考案したそう。

逆さまでもノーブルなSUZUKAと、いつも清冽なMIZYUの分け目、そしておそらくこの日のためにキチッと刈り込んだであろうRINのキレキレ側頭部。いいよね〜! そして先頭でSUZUKAの足を担いでいたKANONは、この翌日がお誕生日でした。おめでと〜!(Photo by masanori naruse)

ステージ上で必ず「個性や自由ではみ出していく〜!」と大きな声で自己紹介する新しい学校のリーダーズについては、特定のジャンルを指そうとすると、どうも無粋に思えてしまって悩ましいです。例えるならド派手で大きなブローチみたいなものなんですよ。どこに置いてもはみ出してしまうし、どこに置いてもなじまないけれど、だからこそどんな場所でもピカピカ輝けてオシャレというか……。

なので、ファンクも、テクノポップスも、GMO SONIC仕様にアレンジされたディスコ歌謡曲も、ちゃんとド派手レーザーとマッチしていました。小劇場のアングラフレーバーが漂うようなダンスだって、大きな幕張メッセに映える映える。とても良かった。個人的に今回のベストパフォーマンスのひとつでした。

フェスとライブは何が違うのか

フェスは、文字通り「音楽のお祭り」です。ではどのあたりが祝祭なのでしょうか。

まず、全てのアーティストが、多かれ少なかれ、アウェーでパフォーマンスをすることになる点がフェスの大きな特徴であり、音楽の祝祭たらしむ部分だと私は思います。ライブとの決定的な違いもそこです。

フェスは、アーティストがアウェーな空気を自分の世界に塗り替えていく様を目撃する場所です。

例えば17日のAFROJACKは、その後に続くSTEVE AOKIやMARSHMELLOのパフォーマンスに向けて、会場の空気をクラブ仕様にたちまち変えてしまいました。しかもちゃんと「日本人のみんながよく知っている大好きな名曲」をたくさん使って、P!NKの「Get The Party Started」なんかをわかりやすく挟んだりしながら、AFROJACKらしい華やかなエレクトロハウスを聞かせてくれるわけです。なんだか知らないうちにイイ気分にさせてくれるのが私にとってのイイDJの条件なのですが、ホントAFROJACKはうまい!

来たるダンスミュージックのパーティーのために“露払いDJ”の役目をクールにキメた世界のAFROJACK。フロア全体でお酒がすすんだハズ(Photo by masanori naruse)

ではファンにとってのフェスとは何なのでしょうか。まず、ファンにとってのライブは、対バンでもない限り、ある意味「お目当てのアーティストのパフォーマンスだけを浴びる」時間です。そこには約束された幸福感があります。

そしてフェスは「一番のお目当てではないアーティストも見ることになる」空間です。

私を含め、ほとんどの人には「好み」があり、誰もが自分の好みに裏打ちされた閉鎖性を抱えています。なので、フェスに行くと、「お手並み拝見」のような気持ちでアウェーな空気を多少なりとも作ってしまうんです。でも、そんなアウェーさをアーティストは軽々と乗り越えて、私たちから好奇心を引きずり出して、味方にしてしまいます。これはGMO SONICで毎回感じることです。

だから、自分の好みとは全く違うジャンルの音楽やパフォーマンスに触れて「かっこいいじゃん」と思う瞬間が必ずあるんですよね。

誰かが喜んでいる姿を見て「いいもんだね」と思うのもフェスの醍醐味(Photo by Kenji.87)

そして一瞬でも「かっこいいじゃん」と思えたなら、そういう空間を見知らぬ人たちと共にできたなら、そのフェスは100点満点なんです。なぜなら、私たちの抱える世界には広がる余地があるのだと音楽や周りの人から教えてもらえるからです。ということで、フェスは、オープンマインドの良さを味わえるチャンスでもあると思います。これからのGMO SONICも、そんなハッピーなお祭り空間になるのを楽しみにしています。
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花森 リド

ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori

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