体毛の悩みを持つ男性は63.6％……気になる箇所では男女で大きな違い!?

2022.3.14

有料脱毛は「美容脱毛」が56.5％と過半数越え

【Q6.】主に利用している有料の脱毛方法
有料脱毛の経験がある男性に、具体的にどのような方法で脱毛を行ったかを聞きました。

「主に利用している有料の脱毛方法」調査結果

比較的低料金の「美容脱毛」が56.5％となり、医療脱毛よりも多く利用されている結果になっています。料金の差がそのまま利用ハードルの高さの差になっている可能性がありそうです。

医療脱毛・美容脱毛と専門施設を利用している人を合わせると91.6％となっており、有料脱毛の多くを占めているようです。

なお、医療脱毛と美容脱毛の詳細・特徴は以下のとおりです。

● 「医療脱毛」の詳細・特徴
「医療脱毛」は病院やクリニックが行う脱毛で、レーザーを使用し発毛組織を破壊することで体毛を生えにくくする施術で、永久脱毛とも呼ばれることがあります。ただし、永久脱毛といっても今後毛が生えてこなくなるという訳ではなく、「脱毛・減毛効果が長期間持続すること」を指しています。

医療脱毛を行うには国家資格が必要になるため、利用者にとっては安心につながるでしょう。また、一般的に美容脱毛よりも高い脱毛効果が期待できますが、一方で費用は高額になることが多いです。

● 「美容脱毛」の詳細・特徴
「美容脱毛」はメンズエステなど医療機関以外の施設での脱毛方法です。医療脱毛と同様に光の照射により脱毛を行いますが、医療脱毛よりも光の出力が弱いため脱毛効果が低い反面、肌への刺激は比較的少ないことがメリットでもあります。医療脱毛より低料金であることが多いです。

ここで、医療脱毛・美容脱毛それぞれを選んだ人の理由をご紹介します。

● 「医療脱毛」を選んだ理由
「評判がいいから」「安心・安全だから」と回答した人が多くいました。強いレーザーを使用しており効果を実感しやすいことが評判につながっていると考えられます。安心・安全という回答は、医療機関で資格を持った担当者に施術してもらえる点が理由として考えられます。

● 「美容脱毛」を選んだ理由
「有名だから」という回答が最も多く、「通える立地にあるから」「広告を見て知っていたから」「価格が安いから」と続きました。医療脱毛に比べて美容脱毛は知名度の高いタレントや芸人を起用した広告の影響や環境の要因、低価格の印象などが重要な選択理由になっているようです。

2017年以降、男性の脱毛がメジャーな選択肢へ

【Q7.】医療脱毛・美容脱毛を始めた年
医療脱毛・美容脱毛の経験がある男性に、いつから脱毛を始めたかを聞きました。医療脱毛・美容脱毛ともに近年5年ほどで急増していることが分かります。特に医療脱毛では、「2017～2021年」に始めた人が半数以上になっています。男性の美意識の高まりや脱毛の世間への浸透が、この結果に現れているようです。

「医療脱毛・美容脱毛を始めた年」調査結果

医療脱毛と美容脱毛を比較してみると、「2001年以前」の時点では美容脱毛の人気が高く、その差は3倍以上です。しかし、「2017～2021年」になると医療脱毛のほうも大きく伸び、美容脱毛の8割程度まで迫っています。医療脱毛の増加傾向がより強いのは、高額であっても脱毛効果の高さや安心感を利用者が求めていると読み取れます。

昨今、インターネットなどで男性の脱毛経験者の口コミやレビューを格段に目にしやすくなったことも、医療脱毛と美容脱毛共に利用者が増えてきた要因のひとつと言えるかもしれません。

美容脱毛は1万円未満、医療脱毛は10万～20万円が最多

【Q8.】医療脱毛・美容脱毛に使った合計金額
一般的に美容脱毛のほうが低価格だと言われていますが、実態はどうなっているのでしょうか。医療脱毛・美容脱毛の経験がある男性に、これまでに使った合計金額を聞きました。

「医療脱毛・美容脱毛に使った合計金額」調査結果

医療脱毛では10万円以上が60.8％なのに対し、美容脱毛では10万円以上が38.3％になっており、やはり美容脱毛のほうが比較的低価格となっています。

美容脱毛で最も多いのは「1万円未満」の25.4％ですが、「1万円未満」から「10～20万円」までのポイント差はそれほどなく、分散しています。これは、美容脱毛に低価格帯から高価格帯までのさまざまなプランや選択肢が用意されているからかもしれません。

一方、医療脱毛の使用額では「10～20万円」29.6％が最も多くなっており、医療脱毛の平均的な使用額であることが分かります。

「医療脱毛・美容脱毛を家族や友人にも勧めたい」が56.0％！

【Q9.】男性の家族や友人に医療脱毛・美容脱毛を勧めたいか
医療脱毛・美容脱毛の経験がある男性に、家族や友人に医療脱毛・美容脱毛を勧めたいか聞きました。

「男性の家族や友人に医療脱毛・美容脱毛を勧めたいか」調査結果

「勧めたことがある」と「勧めたい」を合わせると医療脱毛が56.0％、美容脱毛が43.3％となり、「勧めたくない」の医療脱毛7.2％、美容脱毛19.9％よりもかなり高くなっています。医療脱毛・美容脱毛の経験者の多くは脱毛を勧めたいと考えているようです。

医療脱毛と美容脱毛を比較してみましょう。「勧めたことがある」と「勧めたい」を合わせた数字では、医療脱毛のほうが12.7ポイント高くなっています。一方「勧めたくない」では、医療脱毛がこちらも12.7ポイント低くなっていました。経験者の意見では、医療脱毛のほうが高く評価されていることが分かります。

では、勧めたい理由・勧めたくない理由を見ていきましょう。

●医療脱毛
＜勧めたい人の意見＞
・痛みはあるが効果はあった
・悩んでいるならすぐにでも行った方がいい
・毎朝の髭剃りがなくなり楽になった

＜勧めたくない人の意見＞
・長丁場（忍耐が必要）。1回では完了しない
・痛い
・効果がなかなか持続しない
・お金がかかる

●美容脱毛
＜勧めたい人の意見＞
・思っていたよりリーズナブル
・痛いが手入れが楽になるので、やってよかった
・髭剃りの回数が減り肌荒れにも効果があった

＜勧めたくない人の意見＞
・一時的に薄くはなったがまた濃くなり、効果がいまいちだった
・時間がかかるのと、トータルでかなりのお金がかかる。一回一回の施術後のスキンケアにも相当お金がかかった
・安いとの触れ込みだったが、高価なケア用品などを薦められて、安いとは感じなかった
当日は腫れて、翌日以降に会社に行きにくい

ここまで男性の脱毛について、体毛が気になる箇所、男女の意識差、医療脱毛と美容脱毛の利用実態を見てきました。医療脱毛と美容脱毛の比較をまとめると、脱毛効果が大きく経験者からの評判が良かった医療脱毛と、比較的リーズナブルで肌への負荷が少ない美容脱毛、という違いが浮かび上がってきました。

結果から改めて分かったことは、脱毛が利用者にとって「身だしなみ」という側面だけでなく、「手入れの手間を省くことができる」「衛生的」といったメリットに目が向けられている点です。実際に行う際には、「思っていたのと違った」という結果にならないために、効果や費用、肌への負荷など担当者と相談の上、慎重に判断する必要がありそうです。

体毛について「決まった好みはない」と「薄い方が好み」の二極化

【Q10.】体毛に対する男性の好みについて
最後に、男性の体毛に対する女性の意識調査の結果と意見を紹介していきます。男性の体毛について女性に好みを聞いたところ、1番多かったのは「体毛が薄い男性」で51.2％でした。また注目するのは「体毛について決まった好みはない」が45.4％と高い割合になっている点です。

「体毛に対する男性の好みについての調査結果」調査結果

前半の調査結果の項目で、体毛に悩みを持っている男性が63.6％という結果でしたが、女性からするとそこまで意識的により好みするほど、体毛への優先順位が高くないという女性も多いことが分かるのではないでしょうか。

【Q11.】男性の体毛に関する意見
男性の体毛に関する女性への調査回答のうち、フリーアンサーから具体的な意見を紹介します。体毛が気になるという意見と気にならないという意見に分けて、女性の意見を見ていきましょう。

＜体毛が気になる＞
・自分自身の毛が濃く、コンプレックスだから（薄いほうが良い）
・腕やすね、指は、目の行きやすいところで、特に目立つ
・眉毛が整っていない人はおしゃれじゃなさそう

＜体毛が気にならない＞
・濃くても薄くても気にならない
・毛のない人なんていないから個性としてとらえる
・薄いより濃いほうが好み

これまで、男性の体毛に対する意識や、脱毛をすることへのメリット・デメリット、脱毛についての男性の本音、女性からの意見を紹介してきました。

近年は、自分らしさの表現が手軽にできるようになりました。その手段として、また日常の生活の利便性を増す手段として、脱毛という選択もあるといえます。男女ともに脱毛の必要の有無や、脱毛そのものについて事前に情報収集をしっかり行い、「脱毛すること」「しないこと」の最適な選択をできる時代になったとも言えるのかもしれません。

【調査概要】
・調査方法：infoQでwebアンケート実施
・調査期間：2022年1月8日～2022年1月12日
・有効回答：4000サンプル
・調査対象：全国15～90歳男性のうち、日常のひげ剃り以外の脱毛をしたことがある2000人、全国15～50歳女性2000人

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安蔵靖志

Techジャーナリスト／家電エバンジェリスト
家電製品協会認定　家電製品総合アドバイザー（プラチナグレード）、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ～ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。