「GMO GPUクラウド」、ユニコーン企業「Sakana AI」の次世代AI開発基盤に採用

2025.12.1

GMOインターネットグループのGMOインターネットが提供する国内最高水準の生成AI向けGPUクラウドサービス「GMO GPUクラウド」が、国内ユニコーン企業のSakana AIで次世代AI開発基盤に採用されました。

Sakana AIは、日本発の生成AI（人工知能）開発スタートアップであり、国際的な注目を集めています生物の進化プロセスを模倣した独自技術「進化的モデルマージ」や、AIが研究アイディアの生成から実験の実行・論文執筆までのプロセスを自動化するシステム「AIサイエンティスト」、日本語対応の言語モデルや画像生成AIの研究など、自然界の法則に着想を得た革新的なAI技術を研究開発し、社会実装を推進しています。

GMOインターネットは、Sakana AIが研究開発に専念できる環境を国内最高水準のAI計算基盤と高度な技術サポート体制で支え、革新的AI技術が世界をリードする未来を全力でサポートします。

Sakana AIは、2023年にデイビッド・ハ（CEO）、ライオン・ジョーンズ（CTO）、伊藤錬（COO）によって設立された東京拠点の研究開発企業です。AIサイエンティスト、進化的モデルマージ、Continuous Thought Machines、ダーウィンゲーデルマシンなどの世界でも最先端水準のAI関連技術を生み出し、常にAI研究の最前線を切り拓いています。

また、2025年3月発表の事業開発本部を通じて日本最大級の企業や公共セクターとも連携し、日本のニーズに応える金融・防衛領域を中心としたAIソリューションの開発やAIの民主化にも取り組んでいます。

技術基盤やサポート体制、高度なモニタリング環境などを評価

採用にあたり、GMO GPUクラウドが評価されたポイントは以下の通りです。

大規模分散学習に最適化された総合的な技術基盤

高速ストレージ、高帯域インターコネクトに加え、NCCL、CUDA、HPC-Xなど、AI開発に必要なライブラリ群が多様なバージョンで用意し、環境構築の手間なく即利用が可能な点。

迅速かつ手厚い技術サポート体制

技術的な問い合わせに対する迅速な対応が、GPUのアイドル時間を最小化し、研究開発の継続性を担保する点。

高度なモニタリング環境

GPUサーバーの稼働状況・温度・消費電力をリアルタイムで可視化するGrafana（GPUサーバーのリソース使用状況やジョブの実行状況を、直感的に可視化するオープンソースのデータ可視化プラットフォーム）ダッシュボードが利用可能で、学習効率を常時把握・最適化し、計算リソースを最大活用できる点。

今回の採用にあたり、デイビッド・ハ氏は次のようにコメントしました。

「大規模分散学習では、GPU性能が高いことだけでなく、通信・ストレージ・ジョブ管理まで含めたソフトウェアスタックの完成度が、研究スピードを大きく左右します。GMO GPUクラウドはそのバランスが極めて良く、ワークロードに必要な環境が事前に備わっており、構築作業に時間を割かずに本来の研究に集中できました。また運用支援となる技術者の知識と対応力が非常に頼もしく、問題発生時は原因の切り分けから解決までが迅速で、安心して大規模実験を継続できます。加えて、Grafana等を用いたモニタリング基盤により、GPUのメトリクスをリアルタイムに把握し、モデル学習効率を常に最適化できる点も高く評価しています。GMO GPUクラウドが、これからも日本国内のAI開発基盤として発展し、研究・産業双方の成長に寄与することを願っています」

Sakana AI 代表取締役 CEOのデイビッド・ハ氏

AI技術は医療・製造・農業・エネルギーなど多様な産業において革新をもたらし、高齢化や労働力不足、地方過疎化といった社会課題の解決に不可欠な存在となっています。

GMOインターネットは、GMO GPUクラウドの継続的な機能・性能向上により、今後も高品質な計算基盤を多くの企業や研究機関に提供し続けることで、持続可能な社会の実現と日本のAI産業の国際競争力強化に貢献するとしています。

GPUクラウドをAI開発基盤として活用する最大のメリットは、高額な初期投資なしで高性能な計算リソースを柔軟に利用できる点にあります。環境構築の手間をかけずに、AI開発に必要なライブラリ群をすぐに使うことができます。また迅速な技術サポートや高度なモニタリングの提供により開発者は本来の研究に集中でき、GPUのアイドル時間を最小化しつつ学習効率を最適化できます。これにより、AI開発の加速、コスト削減、運用負荷軽減が実現します。

IT企業以外でもGPUクラウドの活用余地は大いにあります。AI技術は多様な産業で革新をもたらしており、その基盤としてGPUクラウドが活用されます。例えば、医療分野では画像診断支援や新薬開発シミュレーション、製造業では品質検査の自動化や予知保全、農業では病害虫検出や収穫量予測、金融分野では不正検知や市場予測など、膨大なデータ処理と複雑な計算を要するAIソリューションの導入に不可欠です。今後はさらに、各産業の生産性向上や社会課題解決に貢献することが期待されます。

安蔵靖志

Techジャーナリスト／家電エバンジェリスト
家電製品協会認定　家電製品総合アドバイザー（プラチナグレード）、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ～ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。