GMOペパボのパートナー（従業員）である黒瀧悠太氏が提案したプロジェクトが、2023年10月6日に独立行政法人情報処理推進機構（IPA）の「2023年度 未踏ターゲット事業」に採択されました。
採択されたプロジェクトは「リザバーコンピューティング（機械学習や人工ニューラルネットワークなどの計算モデルの一種で、時系列データや信号処理に適した構造）を活用したオフライン環境でのセンサーデータのリアルタイム可視化・分析ソフトウェアの開発」です。「リザバーコンピューティング技術」は未踏ターゲット事業に加わった新しい分野で、2023年7月から8月にかけて公募が行われました。
GMOインターネットグループでは、技術力を牽引し、グループ内における開発者コミュニティの活性化やインターネット業界の発展に技術広報活動などを通して貢献する開発者を「デベロッパーエキスパート」として任命し、その活動を支援する「エキスパート制度」を実施しています。今回のプロジェクトを提案した黒瀧氏も「デベロッパーエキスパート」として活躍しています。
採択されたプロジェクトは「リザバーコンピューティング（機械学習や人工ニューラルネットワークなどの計算モデルの一種で、時系列データや信号処理に適した構造）を活用したオフライン環境でのセンサーデータのリアルタイム可視化・分析ソフトウェアの開発」です。「リザバーコンピューティング技術」は未踏ターゲット事業に加わった新しい分野で、2023年7月から8月にかけて公募が行われました。
GMOインターネットグループでは、技術力を牽引し、グループ内における開発者コミュニティの活性化やインターネット業界の発展に技術広報活動などを通して貢献する開発者を「デベロッパーエキスパート」として任命し、その活動を支援する「エキスパート制度」を実施しています。今回のプロジェクトを提案した黒瀧氏も「デベロッパーエキスパート」として活躍しています。
業界の発展に貢献する「デベロッパーエキスパート」とは
「デベロッパーエキスパート」は、年に1回の公募でメンバーを募り選出します。立候補制で、グループ各社のCTOが集まる技術責任者会議での審査・承認を経て、1年間「デベロッパーエキスパート」として活動してもらうというものです。2023年10月時点で10人のメンバーが選出されています。
デベロッパーエキスパートには、「特定の分野において高い専門性を身に着け、 GMOインターネットグループの技術力を牽引し、対外活動（登壇、執筆、情報発信等）を通じて、技術広報に貢献すること」、「グループの垣根を越えて開発者からの相談を受けたりサポートしたりするなど、コミュニティの醸成に寄与する」といったことが求められるとしています。
デベロッパーエキスパートには、「特定の分野において高い専門性を身に着け、 GMOインターネットグループの技術力を牽引し、対外活動（登壇、執筆、情報発信等）を通じて、技術広報に貢献すること」、「グループの垣根を越えて開発者からの相談を受けたりサポートしたりするなど、コミュニティの醸成に寄与する」といったことが求められるとしています。
デベロッパーエキスパートはこれまで、大学などの研究会やコミュニティへの技術支援活動、技術書籍の出版・寄稿、標準化団体技術コミュニティへの貢献などの活動を行っています。また過去には、同じくデベロッパーエキスパートのパートナーがIPAの「未踏ターゲット事業」に採択されるなど、さまざまな場所で活躍し、特定の専門分野における第一人者として業界の発展に貢献をしています。
【参考リンク】GMOインターネットグループ「エキスパート制度」の概要
https://developers.gmo.jp/developerexperts/
【参考リンク】GMOインターネットグループ「エキスパート制度」の概要
https://developers.gmo.jp/developerexperts/
オフライン環境でのセンサーデータのリアルタイム可視化・分析を実現
黒瀧氏が提案した「リザバーコンピューティングを活用したオフライン環境でのセンサーデータのリアルタイム可視化・分析ソフトウェアの開発」プロジェクトは、オフライン環境下におけるセンサーデータのリアルタイム表示とリザバーコンピューティングによるデータ解析を実現するというものです。
センサーをマイコンに接続するだけで、データ取得から可視化、分析までをProgressive Web App（PWA）（※）を用いた統合環境で実行することで、利用者の労力を低減できます。
※Progressive Web App（PWA）とは、Webブラウザー上で動作するWebサイトなどをプッシュ通知やオフライン環境下で表示するなど、スマートフォン向けネイティブアプリのように動作できるようにする技術
一方、データ解析に用いるリザバーコンピューティングとは、人間の脳の仕組みを模した「ニューラルネットワーク（数理モデル）」の一種で、機械学習の1つである「再帰的ニューラルネットワーク」の特殊なモデルを一般化した概念とのことです。その特徴として、「少量のデータで高速な学習が可能なこと」、「低い学習コストで比較的高い計算性能が得られること」、学習コストが低いことから「消費電力が少ないこと」が挙げられています（IPAのWebサイトより）。この特徴からデータ解析をオフライン環境下のエッジデバイス上で実現できるため、今後さまざまな社会実装事例に応用できます。
現在はセンサーデータのリアルタイム可視化とログ保存の実装が完了しており、今後は本プロジェクトにおいて、エッジデバイス上でリザバーコンピューティングによる解析支援ができるデータ分析ツールとして提供していくとのことです。
センサーをマイコンに接続するだけで、データ取得から可視化、分析までをProgressive Web App（PWA）（※）を用いた統合環境で実行することで、利用者の労力を低減できます。
※Progressive Web App（PWA）とは、Webブラウザー上で動作するWebサイトなどをプッシュ通知やオフライン環境下で表示するなど、スマートフォン向けネイティブアプリのように動作できるようにする技術
一方、データ解析に用いるリザバーコンピューティングとは、人間の脳の仕組みを模した「ニューラルネットワーク（数理モデル）」の一種で、機械学習の1つである「再帰的ニューラルネットワーク」の特殊なモデルを一般化した概念とのことです。その特徴として、「少量のデータで高速な学習が可能なこと」、「低い学習コストで比較的高い計算性能が得られること」、学習コストが低いことから「消費電力が少ないこと」が挙げられています（IPAのWebサイトより）。この特徴からデータ解析をオフライン環境下のエッジデバイス上で実現できるため、今後さまざまな社会実装事例に応用できます。
現在はセンサーデータのリアルタイム可視化とログ保存の実装が完了しており、今後は本プロジェクトにおいて、エッジデバイス上でリザバーコンピューティングによる解析支援ができるデータ分析ツールとして提供していくとのことです。
IT施策の一翼を担う活動を推進するIPAの「未踏ターゲット事業」とは
経済産業省所管の政策実施機関として2004年に発足したIPAは、IT施策の一翼を担う活動を推進する機関です。IPAでは、基礎技術や領域横断的技術革新に取り組む未踏的IT人材（ITを駆使してイノベーションを創出できる優れたアイディア・技術力を持つ人材）が、自らのアイディアや技術力を最大限に活かし将来の経済発展への貢献につなげていけるよう、次世代ITを活用する先進分野IT人材の発掘・育成を目的とした「未踏ターゲット事業」を2018年度から実施しています。
「未踏ターゲット事業」では、ターゲット分野に興味を持つ未踏的IT人材からプロジェクトを公募し、優れた能力と実績を持ち合わせた専門家による指導・助言、活動実績に応じた活動費の提供などを行っています。
黒瀧氏のプロジェクトが未踏ターゲット事業に採択された理由として、IPAは以下のようにコメントしています。
「小さな計算コストで学習・推論を実行できるリザバーコンピューティング（RC）の特性を活かし、スマートフォンなど計算資源が限定されるエッジデバイス上で、RCを活用するための統合環境の構築を目指すプロジェクトです。
各種センサーやデバイスをマイコンに接続するだけで、RCによる分類や予測をオフライン環境（エッジデバイス上）で実現するソフトウェアを開発します。本プロジェクトの成果をWebサービスやオープンソースソフトウェアとして開発することにより、多くの研究者・技術者のデータ分析パイプラインの開発コストを抑制すること、またオフライン環境でのリザバー活用アプリケーションの社会実装の機会も増加することが期待されます。
現段階でセンサー回路基板の設計を含むセンサー作成や、センシングデータをブルートゥースでスマートフォンに送信するプログラムの開発が進められており、申請者の強い意欲が感じられる提案です」
またデベロッパーエキスパートの黒瀧氏は、今回のプロジェクトが採択されたことについて次のようにコメントしています。
「未踏ターゲット事業」では、ターゲット分野に興味を持つ未踏的IT人材からプロジェクトを公募し、優れた能力と実績を持ち合わせた専門家による指導・助言、活動実績に応じた活動費の提供などを行っています。
黒瀧氏のプロジェクトが未踏ターゲット事業に採択された理由として、IPAは以下のようにコメントしています。
「小さな計算コストで学習・推論を実行できるリザバーコンピューティング（RC）の特性を活かし、スマートフォンなど計算資源が限定されるエッジデバイス上で、RCを活用するための統合環境の構築を目指すプロジェクトです。
各種センサーやデバイスをマイコンに接続するだけで、RCによる分類や予測をオフライン環境（エッジデバイス上）で実現するソフトウェアを開発します。本プロジェクトの成果をWebサービスやオープンソースソフトウェアとして開発することにより、多くの研究者・技術者のデータ分析パイプラインの開発コストを抑制すること、またオフライン環境でのリザバー活用アプリケーションの社会実装の機会も増加することが期待されます。
現段階でセンサー回路基板の設計を含むセンサー作成や、センシングデータをブルートゥースでスマートフォンに送信するプログラムの開発が進められており、申請者の強い意欲が感じられる提案です」
またデベロッパーエキスパートの黒瀧氏は、今回のプロジェクトが採択されたことについて次のようにコメントしています。
GMOペパボ SUZURI事業部 シニアエンジニアリングリードの黒瀧悠太氏
「私は自身が所属するGMOペパボのミッション『人類のアウトプットを増やす』の元、ウェアラブルデバイスとAI技術を組み合わせた新たな可能性を探求してきました。
本プロジェクトでは、リザバーコンピューティングという時系列情報処理に特化した技術を活用し、少ない消費電力で高速かつ学習コストの低いデータ解析を実現する新しいツールを開発しています。オフライン環境下で取得されたセンサーデータのリアルタイムでの処理を可能にし、将来的には多岐にわたる環境でのリアルタイム解析のAI基盤になることを期待しています」（黒瀧氏）
GMOペパボの利用者目線から発想された当プロジェクトが実社会で活用されれば、人々はデータ収集・分析等の作業から解放され、よりクリエイティブな活動に集中できますし、省電力は省資源・省コストの観点でSDGsの文脈でも意義があります。早期の実現が期待されますね。
本プロジェクトでは、リザバーコンピューティングという時系列情報処理に特化した技術を活用し、少ない消費電力で高速かつ学習コストの低いデータ解析を実現する新しいツールを開発しています。オフライン環境下で取得されたセンサーデータのリアルタイムでの処理を可能にし、将来的には多岐にわたる環境でのリアルタイム解析のAI基盤になることを期待しています」（黒瀧氏）
GMOペパボの利用者目線から発想された当プロジェクトが実社会で活用されれば、人々はデータ収集・分析等の作業から解放され、よりクリエイティブな活動に集中できますし、省電力は省資源・省コストの観点でSDGsの文脈でも意義があります。早期の実現が期待されますね。
安蔵 靖志
Techジャーナリスト／家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー（プラチナグレード）、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ～ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。
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