スマホから物理的に飛び出すロボットが日常生活をサポート!?新発売「HONOR Robot Phone」を山根博士が解説

山根 康宏

Specialスマートフォン買い物

過去にもあった「カメラの動くスマホ」

Robot Phoneのように動くカメラを搭載するというアイデアは昔からあった。ケータイ時代には、折りたたみ型のガラケーのヒンジに回転カメラを搭載したモデルもいくつか存在した。スマートフォン時代になってからは、本体スペースの関係でフロントカメラには低画質なカメラしか搭載できなかったため、背面の高画質なメインカメラを回転させることでフロントでも高画質な撮影ができるようにするギミックを搭載したモデルもあったのだ。

そんな「回転式カメラ搭載スマホ」には、振り返ってみるとちょっと変態チックな機構を搭載したモデルがあった。たとえばサムスンが2019年に発売した「Samsung Galaxy A80」は、カメラアプリでフロント撮影に切り替えると、本体の上部が上に伸び、裏側のメインカメラが回転して前面に現れるというギミックを採用した。

本体が上に伸びてカメラが回転する「Samsung Galaxy A80」

また裏からカメラが表側に回転するモデルとしては、ASUSの「ZenFone 6」や「ZenFone 7 Pro」が日本でも販売されており、記憶にある人もいるだろう。ZenFone 6の発売年も2019年で、この年は回転式カメラが一部のメーカーでブームだったのかもしれない。

メインカメラが前面に回転する「ZenFone 6」

ちなみに同じ2019年に発売されたOPPOの「OPPO Reno 10x Zoom」は、本体上部からフロントカメラが上に飛び出るというポップアップ式を採用。小さなカメラが飛び出るモデルはいくつかあったが、OPPO Reno 10x Zoomは扇形に出てくるという美しいフォルムも特徴だった。このように過去のカメラ回転、あるいはカメラが飛び出すモデルは、フロントカメラ画質を上げることが主な目的だった。

扇形にカメラがポップアップする「OPPO Reno 10x Zoom」

最近でもライブ配信用に、名もないメーカーから回転式カメラスマホが発売されるなど、この分野の製品は意外と今でも需要があるのかもしれない。

ライブ配信特化の回転式カメラ搭載スマホ

カメラがAIアシスタントになるRobot Phone

Robot Phoneはこれらの「カメラギミック搭載スマホ」の最新形態といえるだろう。だがHONORはRobot Phoneをただのカメラスマートフォンとして開発したのではない。スマートフォンAI時代を見据え、フィジカルAIをスマートフォンに搭載したモデルとしてRobot Phoneを世に送り出したのだ。

Robot PhoneはAI機能も優れている

HONORは、自社開発したAIアシスタントの最新モデル「YOYO Pro」をRobot Phoneに搭載している。YOYO Proは、ユーザーからの質問に応えたり文章の校正・翻訳を行ったりする生成AI機能だけでなく、複数ステップの指示をアプリをまたいで自動実行できるエージェントAI機能も備えている。たとえばレストランを予約したいときは、料理や日程、人数、場所を指示するだけで、最適な店を検索し、予約まで済ませてくれる。

AIエージェントに、お店にある類似品の購入を助けてもらった

さらにジンバルカメラがAIエージェントの「目」として機能し、周囲の状況を観察して質問に応えたり、ユーザーの表情を読み取って最適な対応を行ったりしてくれる。画面にYOYOの表情を表示しながら、カメラが首のように上下左右に動くことで、まるで生活をサポートしてくれる小さな“パートナーロボット”のように感じられるのだ。最近は人型ロボットの開発ニュースが中国から相次いで報じられているが、Robot Phoneはスマートフォンから飛び出すカメラを通じて、身近なロボット的存在としての役割を担ってくれるのである。

画面上部には常にYOYOの表情が常に映し出され、手のひらに乗るパーソナルなロボットエージェントといった距離感になる

実はHONORはロボット開発にも力を入れており、2026年4月に北京で開催された人型ロボットハーフマラソン大会では、同社の人型ロボット「閃電(Lightning)」が優勝を果たしている。世界記録を上回るタイムでの完走は、中国の人型ロボット開発の勢いを象徴する出来事として世界中で話題となった。

HONORのRobot Phoneは、人型ロボットからスマートフォンサイズの「ロボットエージェント」までの同社が推し進める「フィジカルAI」開発の裾野の広さを示す一台なのである。

2026年4月に北京で開催された人型ロボットハーフマラソン大会で優勝したHONORの人型ロボット「閃電」

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山根 康宏

香港在住携帯研究家
スマホとSIMを求めて世界各国を取材中。海外、特に中国の通信事情に精通している。大手メディアへの執筆も多数。海外スマホ・ケータイを1800台所有するコレクターでもある。

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