大迫傑選手、GMOインターネットグループに参画! 悲願の「ニューイヤー駅伝2023」制覇に向け、大きく前進

Jun Fukunaga

GMOインターネットグループスポーツ

大迫選手のストイックさをチーム全員に伝播させたい

熊谷代表は大迫選手にGMOインターネットグループ参画を打診したきっかけについて、原氏から紹介された際に「大迫選手の練習への取り組み方やアスリートとしてのストイックさに惚れた。起業家とアスリートの違いはあるが、生活習慣が近いことに親しみを覚え、彼のストイックさをうちのチーム全員に伝播させてほしいと思った」と述べた。

大迫選手とGMOインターネットグループとのキューピッド役になった原氏は、「ライバルチームのスーパーエースだった学生時代の大迫選手に対する印象は?」という質問に対し、「中学生の頃からストップウォッチを握りしめながら1人で黙々とトレーニングする姿を見て、この選手は只者ではないと思ったのが第一印象」と述べ、「大学時代には他の学生とは全く違うプロ根性がすでにあった。今の陸上界に足りないのは彼のような情熱にあふれ、貪欲に戦う気持ちだと思う。優秀なアスリートは日本にも数多くいるが彼以上の情熱を持った選手はいない。その情熱をGMOインターネットグループ陸上部に注いでくれる1番の選手だと理解している」と大迫選手のアスリートとしての姿勢に太鼓判を押した。

GMOインターネットグループ(陸上部)EKIDENダイレクター (青山学院大学教授/陸上競技部長距離ブロック監督) 原晋氏

"カッコいい選手がカッコよければ収入も多いという世界"が日本の陸上界には必要

原氏からは「大迫選手本人も語ったように、陸上選手としての第三の道が新たに作られることは、良い流れができていることの表れ。ただ、今のニューイヤー駅伝はまだ"企業対抗運動会"に過ぎない」と厳しい意見も。その上で、「"駅伝は日本の長距離走界の柱"であるため、もっと厳しくストイックな戦いにすべき」と提言。「監督・選手ともにもっと情熱を持って取り組んでいけば、日本がマラソンでメダルが取れる時代がやってくる」と今後の日本の長距離界における期待を力強く語った。

その言葉にうなずき、同意した熊谷代表も「将来、大迫選手のようになりたい、あるいは長期を走りたい、陸上競技がカッコいいと思う子供たちが日本中に増えてほしい。今回の大迫選手の参画はそのための取り組みのひとつとしたい」と語ったほか、陸上界のゲームチェンジャーとしての取り組みについても言及した。

「今の日本の陸上界は野球やサッカーのように選手が大金を得られる状況にない。今後はそういう世界に陸上が変わっていってほしい。日本の陸上界はお金とは別の世界で運営されている部分が少なからずある。だからカッコいい選手がカッコよければ収入も多いという世界をゲームチェンジャーの表現方法のひとつとして、皆さんと協力して作っていきたい」(熊谷代表)
大迫選手は「Playing Directorとして参画するが、実際にはどのような役割で活動し、チームに貢献できると考えているのか?」という質問に対し、「ひとつは僕自身が自分のベストな状態を作り、良い走りでチームに貢献すること。もうひとつはチーム全体のモチベーションやチームがゴールに向かうためのプロセスの設定など、アメリカでの競技生活を通して、自分自身に問うてきたことをチームに還元していきたい」と回答。

亀鷹監督は「大迫選手がチームに参画してくれることでチームとしても所属選手としてもまず、夢が広がる。熊谷代表が話されたとおり、やはりアスリートには夢が必要になる。そういった部分で、大迫選手の参画はGMOインターネットグループが本気でナンバーワンを取りにいくという姿勢が選手全員に浸透していくことを確信している。夢は追い続ければかならず叶う」と述べた。

また亀鷹監督は、「昨年の東京オリンピックで大迫選手を見た時は誰もが感動したはずだが、そこから陸上界が変わったかと言われると何も変わった印象はない。だからこそ陸上界を盛り上げていかなければならない」と現在の陸上界の課題についても言及。その起爆剤として、大迫選手がチームにエネルギーを注いでくれることに期待するとした。

トークセッションに登壇する大迫選手とGMOインターネットグループ(陸上部)監督の亀鷹律良氏

結果は求めつつ、ワクワクしながらレースに向かうことで感動を共有できる

さらに大迫選手を迎えて臨むニューイヤー駅伝については、原氏が「ゆっくり走っていてもテレビは撮影してくれない。やはり力強く、早いアスリートが多くの視聴者を感動させることができる」と述べたほか、大迫選手は「おそらく7年ぶりの参加になる。結果は求めつつも、自分自身がワクワクしながらレースに向かわないと感動を観ている人と共有できないと思うので、楽しみながらレースに臨みたいと思う」と語った。
またコロナ禍が収まりつつある今、来年のニューイヤー駅伝にはGMOインターネットグループのグループパートナー(従業員)がコロナ以前のように現地入りし、沿道からチームを応援できることに期待していると安田部長は語る。ナンバーワンを目指し、奮闘するチームの姿はグループパートナーの結束や仕事に対するモチベーションを高めることにもつながるだろう。

大迫選手の参画により、新たにニューイヤー駅伝優勝に向けて走り出したGMOインターネットグループ。その取り組みは同社としての悲願を叶えるだけでなく、選手のキャリアの新たな可能性や日本の長距離陸上界の盛り上がりなど、多方面での夢の実現につながっていくことだろう。今後の取り組みから目が離せなくなりそうだ。
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Jun Fukunaga

ライター・インタビュワー
音楽、映画を中心にフードや生活雑貨まで幅広く執筆する雑食性フリーランスライター・インタビュワー。最近はバーチャルライブ関連ネタ多め。DJと音楽制作も少々。

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